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兄を心配して…

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「もうすぐ朝食だと思いますので戻りましょう…」
三人は庭園の奥に建つ温室を出ると屋敷へと向かった。
「ソフィー」
アルフォンス皇子はソフィアに手を差し伸べソフィアは戸惑っていた。
(…後ろに旦那様がいるから…気まずくて…アルフォンス皇子様は兄妹だから気にしなくていいと思うけれど…)
「屋敷まで一緒に歩こう」
「……」
(…笑顔を向けられると断れないじゃない…)
ソフィアはアルフォンス皇子の手を見てアレックがエミリーの手を差し出していたのを思い出した。
(旦那様は私がいてもエミリーの手を掴み一緒に歩いていたのだから…)
「…アルお兄様、子供みたい」
「ソフィーの側にいると童心に戻ってしまうんだ」
「え~っ」
「ははは…」
ソフィアはアルフォンス皇子の手を取り一緒に歩き始め、二人の兄妹をアレックは目を逸らす事なく後ろから見ていた。
「……」
護衛騎士のアルフレッドが待ち、屋敷へと入り朝食が始まった。
「…屋敷を発ちますのはいつ頃に…」
「昼前には出たいと思います」
「…そうですか…名残惜しいですが、時間が許すまでゆっくりとしてください」
「有り難う御座います」
「……」
(…昼前に屋敷を出るのね…)
ソフィアは、アレックとアルフォンス皇子の会話を聞き久しぶりのパルリス家の朝食を懐かしみながら食べていた。
「ソフィー、このあとどうするんだい?」
「え、う~ん…本でも読もうと思う」
「相変わらず本が好きだね。じゃあ、僕も一緒に行こう」
「え!?…メイド達とお話しなくていいの?」
「何故メイドと話になるんだい?」
「城でも、メイド達とお話をしていたから…」
「彼女達は仕事中だから、勝手に話しては駄目だろう?」
「でも、休憩中のメイドがさっきから私達の方を見ているからアルお兄様とお話がしたいと思って…皇子様とお話なんて彼女達は出来ないでしょう?メイドは披露宴に行くわけにはいかないからアルお兄様も私と一緒にいるよりは、沢山の女性と話をした方が楽しいと思って…」
(私の側にいると彼女が出来ないと思ってしまうから…)
「…ソフィーは、僕が側にいるのが嫌なの?」
「え?嫌とは言っていないけど…」
「…分かった…彼女達と話ができるのか聞いてみるよ…帰る時間にはアルフレッドを寄越すよ」
「え!?あ、アルお兄様?…」
アルフォンス皇子はソフィアを廊下に残しメイド達の所へ行った。
その様子をソフィアは茫然として見ていた。













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