上 下
145 / 190

戸惑い⑨

しおりを挟む
メイドのナディアは体の震えが止まらず廊下を歩いていた。
「…まさか…本当に…皇女様が奥様?…メイド長から聞いてから幾つか奥様と思う事もあったわ…死んだ人が別の体で生まれ記憶を持っているなんて…でも、旦那様が皇女様を抱き寄せていたのは…まだはっきりとは…」
戸惑うメイドのナディアは皇女の事をメイド長に話をすることにした。
ザワッ…とメイド達四~五人男性の入浴場に固まっていた。
「何をしているの?男性の入浴場で…」
「あ、ナディアさん、アルフォンス様からのお呼びを待っているんです」
「アルフォンス様の呼び出し?」
メイド達は顔を真っ赤にして誰か背中を流すのか騒いでいた。
「はぁ、期待して悪いけどアルフォンス様にはアルフレッド様がいるから、貴女達は必要ないわ」
「え~~っ!?」
「そんな~っ」
声を上げるメイド達にメイドのナディアはため息をはいていた。
カチャ!と扉が開き風呂上がりのアルフォンス皇子と護衛騎士のアルフレッドが入浴場から出てくると騒いでいたメイド達が静になり頬を染めて横一列に並んでいた。
「お湯加減はいかがでしたでしょうか?」
「とても良かったよ。ありがとう」
「それは良かったです。まだ、髪の毛が濡れていますが…もし宜しければ彼女達にお手伝いをさせますが?」
!!メイド達の喜ぶ姿が見えアルフォンス皇子の髪の毛を乾かす話をしていた。
「有り難う御座います。すみませんが自分でするようにしていますので」
笑顔で断るアルフォンス皇子にメイド達は肩を落としていた。
「妹はまだ図書部屋ですか?」
「え、あ、はい…今から呼びに伺うところでしたので…」
メイドのナディアはアレックとソフィアが普通にしているのを願っていた。
(アルフォンス皇子様に旦那様と皇女様の事がバレないように…妹想いのアルフォンス皇子様から何を言われるか分からないから…)
「あの、ナディアさん?」
「はいっ!?」
ビクッと声を上げ振り向いたメイドのナディアの側に皇女が立っていた。
「あ…」
「驚かせてごめんなさい、入浴を借りたいのですが…」
「ソフィー、今から入浴かい?」
髪の毛がまだ渇いていないアルフォンス皇子を見て驚いていた。
「アルお兄様!?」
「会えて良かったよ、僕が借りている部屋に行こう」
「え!?」
!!
アルフォンス皇子はソフィアの手を取り部屋へと連れて行った。
「どうした?入浴場で何をしている?」
「旦那様」
「皇女様がこちらに来たはずだ…着替えを頼む」
「わ、分かりました」
アレックはソフィアの姿が見えない事に気づきメイドのナディアに尋ねた。
「…皇女様は?」
「あ…あの、アルフォンス皇子様の部屋です…」
「!?アルフォンス様の部屋?」
「先ほど皇女様をお部屋に…」
「……」
アレックは驚いたが用があったのだと自分に言い聞かせていた。





しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

夫に相手にされない侯爵夫人ですが、記憶を失ったので人生やり直します。

MIRICO
恋愛
第二章【記憶を失った侯爵夫人ですが、夫と人生やり直します。】完結です。 記憶を失った私は侯爵夫人だった。しかし、旦那様とは不仲でほとんど話すこともなく、パーティに連れて行かれたのは結婚して数回ほど。それを聞いても何も思い出せないので、とりあえず記憶を失ったことは旦那様に内緒にしておいた。 旦那様は美形で凛とした顔の見目の良い方。けれどお城に泊まってばかりで、お屋敷にいてもほとんど顔を合わせない。いいんですよ、その間私は自由にできますから。 屋敷の生活は楽しく旦那様がいなくても何の問題もなかったけれど、ある日突然パーティに同伴することに。 旦那様が「わたし」をどう思っているのか、記憶を失った私にはどうでもいい。けれど、旦那様のお相手たちがやけに私に噛み付いてくる。 記憶がないのだから、私は旦那様のことはどうでもいいのよ? それなのに、旦那様までもが私にかまってくる。旦那様は一体何がしたいのかしら…? 小説家になろう様に掲載済みです。

溺愛されたのは私の親友

hana
恋愛
結婚二年。 私と夫の仲は冷え切っていた。 頻発に外出する夫の後をつけてみると、そこには親友の姿があった。

【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。

完菜
恋愛
 王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。 そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。  ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。  その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。  しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)

本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます

結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います <子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。> 両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。 ※ 本編完結済。他視点での話、継続中。 ※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています ※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?

秋月一花
恋愛
 本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。  ……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。  彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?  もう我慢の限界というものです。 「離婚してください」 「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」  白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?  あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。 ※カクヨム様にも投稿しています。

目覚めたら公爵夫人でしたが夫に冷遇されているようです

MIRICO
恋愛
フィオナは没落寸前のブルイエ家の長女。体調が悪く早めに眠ったら、目が覚めた時、夫のいる公爵夫人セレスティーヌになっていた。 しかし、夫のクラウディオは、妻に冷たく視線を合わせようともしない。 フィオナはセレスティーヌの体を乗っ取ったことをクラウディオに気付かれまいと会う回数を減らし、セレスティーヌの体に入ってしまった原因を探そうとするが、原因が分からぬままセレスティーヌの姉の子がやってきて世話をすることに。 クラウディオはいつもと違う様子のセレスティーヌが気になり始めて……。 ざまあ系ではありません。恋愛中心でもないです。事件中心軽く恋愛くらいです。 番外編は暗い話がありますので、苦手な方はお気を付けください。 ご感想ありがとうございます!! 誤字脱字等もお知らせくださりありがとうございます。順次修正させていただきます。 小説家になろう様に掲載済みです。

三度目の結婚

hana
恋愛
「お前とは離婚させてもらう」そう言ったのは夫のレイモンド。彼は使用人のサラのことが好きなようで、彼女を選ぶらしい。離婚に承諾をした私は彼の家を去り実家に帰るが……

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

処理中です...