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護衛騎士②
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ソフィアは護衛騎士のアルフレッドと一緒に広い庭を歩いていた。
「…あの…アルフレッドさんは、アルお兄様の護衛騎士だったのですか?」
「いえ、急遽護衛騎士全員呼び出されたのです」
「え?急遽?」
「はい、皇女殿下の護衛騎士を決めるため集まったのです」
「……」
「……どうしてアルお兄様は私に相談なく決めたのかしら…」
ソフィアはアルフォンス皇子が勝手に決めた事が自分に相談してくれなかった事に少し不満だった。
「……ソフィア様をご心配なさって護衛を思い付かれたと思います…」
「心配?」
「…最近あまりおやすみなさっていないとお聞きしました…もし、ソフィア様がお一人でいまして何かあればと思い、わたくし達護衛をお考えになったと思います」
「……」
(…いつも気にかけてくれているのはアルフォンス皇子様だった…)
「……お兄様に感謝しなくてはいけませんね…」
ソフィアはアルフォンス皇子の好意を受ける事にした。
コッコッと後ろから歩く足音が聞こえ振り向くと、アルフォンス皇子と護衛騎士三人の姿を見た。
「アルお兄様!」
「おはよう、ソフィー良く眠れた?」
「はい、いつの間にか眠ってしまって…心配をかけてしまってごめんなさい…」
謝るソフィアに笑みを見せ頬を触っていた。
「ソフィーが謝る事はないよ、ただ夢見が悪いだけなんだ」
「夢見?」
「僕が以前ソフィーを起こしに部屋に入った時、泣いていたから…きっと、それが原因で眠れなかったりしていると思うんだ…」
「…泣いて…」
ソフィアは分かっていた…見る夢は同じアレックとエミリーの夢の繰り返しだということを…
(…前世の記憶だなんて言えない…)
「どんな夢だったのかそれが分かれば、夢の内容とか覚えていない?」
「……」
心配をするアルフォンスの顔を見てソフィアは話したくても話せずにいた。
「ううん…目が覚めると忘れるから…泣いていたのも知らなかったの…」
(…昨日誰かが私の手を握ってくれて…)
「アルお兄様」
「何?」
「昨日私の部屋に来なかった?」
「……来ていないよ、父上からソフィーの部屋に入っては駄目だと言われていたからね…どうして?」
「え…ううん、なんでもないの…私の気のせいかな、アルお兄様ありがとう心配してくれて…」
「…何か思い出したら僕に言うんだよ」
「うん、ありがとう」
チュッ!
「な!?み、皆の前でしなくても…」
「相変わらず慣れないね」
額に手で触り頬を染めるソフィアの顔をじっとアルフォンス皇子は見ていた。
「…あの…アルフレッドさんは、アルお兄様の護衛騎士だったのですか?」
「いえ、急遽護衛騎士全員呼び出されたのです」
「え?急遽?」
「はい、皇女殿下の護衛騎士を決めるため集まったのです」
「……」
「……どうしてアルお兄様は私に相談なく決めたのかしら…」
ソフィアはアルフォンス皇子が勝手に決めた事が自分に相談してくれなかった事に少し不満だった。
「……ソフィア様をご心配なさって護衛を思い付かれたと思います…」
「心配?」
「…最近あまりおやすみなさっていないとお聞きしました…もし、ソフィア様がお一人でいまして何かあればと思い、わたくし達護衛をお考えになったと思います」
「……」
(…いつも気にかけてくれているのはアルフォンス皇子様だった…)
「……お兄様に感謝しなくてはいけませんね…」
ソフィアはアルフォンス皇子の好意を受ける事にした。
コッコッと後ろから歩く足音が聞こえ振り向くと、アルフォンス皇子と護衛騎士三人の姿を見た。
「アルお兄様!」
「おはよう、ソフィー良く眠れた?」
「はい、いつの間にか眠ってしまって…心配をかけてしまってごめんなさい…」
謝るソフィアに笑みを見せ頬を触っていた。
「ソフィーが謝る事はないよ、ただ夢見が悪いだけなんだ」
「夢見?」
「僕が以前ソフィーを起こしに部屋に入った時、泣いていたから…きっと、それが原因で眠れなかったりしていると思うんだ…」
「…泣いて…」
ソフィアは分かっていた…見る夢は同じアレックとエミリーの夢の繰り返しだということを…
(…前世の記憶だなんて言えない…)
「どんな夢だったのかそれが分かれば、夢の内容とか覚えていない?」
「……」
心配をするアルフォンスの顔を見てソフィアは話したくても話せずにいた。
「ううん…目が覚めると忘れるから…泣いていたのも知らなかったの…」
(…昨日誰かが私の手を握ってくれて…)
「アルお兄様」
「何?」
「昨日私の部屋に来なかった?」
「……来ていないよ、父上からソフィーの部屋に入っては駄目だと言われていたからね…どうして?」
「え…ううん、なんでもないの…私の気のせいかな、アルお兄様ありがとう心配してくれて…」
「…何か思い出したら僕に言うんだよ」
「うん、ありがとう」
チュッ!
「な!?み、皆の前でしなくても…」
「相変わらず慣れないね」
額に手で触り頬を染めるソフィアの顔をじっとアルフォンス皇子は見ていた。
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