捨てられた侯爵夫人の二度目の人生は皇帝の末の娘でした。

戻ることなら…

「嘘よ、赤ちゃんが死んだなんて嘘よ！」
ソフィアの実家ルモア家では、この数ヵ月いろいろとあった。
エミリーの子供は産まれる事はなかった…両親は謝罪と報告を元婚約者のポールの屋敷へと伺っていた。
「先日、娘のエミリーにお腹の痛みがあり医師の診察を受けましたが…子供は生まれる事が叶わなくなりました…」
！！
ポールの両親は驚き、エミリーの両親は頭を下げてエミリーの子供は死産と伝えていた。
「お気の毒に…エミリーさんにはなんと言えば…エミリーさんの容体は…」
「お心遣い有り難う御座います…落ち着いて食事も普通に取るようになりました」
「それは良かった…侯爵も気を落とされただろう…」
エミリーの両親はお互い顔を見て父親が侯爵の話をした。
「…侯爵と娘のエミリーの婚姻は無くなりました…」
！？
「婚姻が無くなったとは…侯爵との結婚が無くなったと言うのですか？」
「…はい、侯爵の妻は姉のソフィアだと…」
「ポールと寄りを戻したいと言うのでしたらお断りいたします」
「おい」
「こう言う事ははっきりとご両親に言いませんと」
冷ややかな目で見るポールの母親にエミリーの両親は頭を下げた。
「息子様にはご迷惑をお掛け致しました…寄りを戻します事はありません」
「それならいいですわ…最近食事もするようになってわたくし達は安堵していたのです。エミリーさんにはポールに近づかないようにお願いしますわ」
「…はい、申し訳御座いません…」
エミリーの両親は頭を下げ父親の手は微かに震えていた。
エミリーの両親がポールの屋敷を出た時父親は険しい顔をしていた。
「なんだ、あの態度は、最近まで茶仲間だった家族が…」
「お久しぶりです…」
エミリーの両親の前に婚約者だったポールが待っていた。
「ポール君！」
「まぁ、久しぶりだわ…お母様から暫く食事をしていないと聞いたわ…」
「ご心配をお掛け致しました…大丈夫です…あの、今日は…」
エミリーの両親は子供の事を話しポールは驚き涙を流していた。
「…君には申し訳ない事をした…」
「…いえ…エミリーさんが心配ですが…お会いする事もないと思います」
「それは…」
「婚約する事になりました…」
！！
エミリーの両親は驚きおめでとうの言葉が出なかった。
「その事をお二人に伝えたいと思って…また、何処かでお会いすると思います…エミリーさんにお元気でとお伝えください…」
ポールはエミリーの両親に別れを告げた。
「…エミリーはまた一人支えてくれる人を無くした…」

婚約者がいながら姉の夫と関係を持ち妊娠をしたが子供の父親は誰なのか？と噂が広まりルモア家は暫く噂で悩まされていた。
教師でもあった父親にも影響が出ていた。
「え？退職？！」
「悪いが、今日かぎりで退職をしてほしい」
学園に教師として勤めていたルモア伯爵は、学園長から教師を辞めてほしいと言われ辞める理由が分からなかった…