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家族⑤
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寝返りをするようになったソフィアは座る事を覚えた。
「ソフィーが座ったよ!!」
もちろん、一番喜んでくれたのは兄のアルフォンス皇子だった。
「皇女様お座りがとてもお上手ですよ~っ」
(ありがとう、応援してくれたみんなのおかげよ)
「あう、あう」
皇女ソフィアはメイド達に笑顔を向けると喜んでくれた。
「ソフィー」
「あうっ?」
チュッ!
「お座りができたご褒美だよ」
アルフォンス皇子からの褒美のキスを貰った。
(…何かをやり遂げるたびに褒美のキスがくるのかしら…)
「ジェラもしてあげる」
(え!?)
絨毯の上で一緒に座っているジェラルド皇子がギュッと皇女ソフィアを抱きしめ、チュッ、チュッと皇女ソフィアの額にキスをして、それを見ていたアルフォンス皇子が固まっていた。
「あうっ、あうっ~」
(ち、ちょっと待って…苦しいんだけど…)
ジェラルド皇子の額が皇女ソフィアの頭にグリグリと頬擦り?してバタバタと皇女ソフィアは腕を動かし助けを求めていた。
「ジ、ジェラ?ソフィーが苦しいって」
「え?ジェラ、ギュッてしただけだよ?」
「うん、そうだね」
メイドが慌てたようにジェラルド皇子を放し、皇女ソフィアは「あぶっ」と声に出していた。
(はぁ…苦しかった…子供達と遊ぶのって大変…でも、楽しいわ…)
皇女ソフィアは大人目線で二人の皇子を見ていた。
「画家…」
「はい、陛下…」
「皇女が座る所を描いたか?」
「し、少々お待ちください…下書きでは御座いますが暫くお時間をいただきたいのですが…」
「ふむ…いいだろう…」
「有り難う御座います…」
「ところで、先日皇女が寝返りした絵は出来たのか?」
「!!」
ビクッと画家の体が動き、顔に汗が流れ絵の具のついたタオルで顔を拭いてしまった。
「画家何故答えない……ぶはっ!」
「?」
陛下の吹き出す声に画家は首を傾げていた。
「さすが、芸術家だ自分の顔に絵の具をつけるとは…くくく」
「顔に絵の具ですか?」
「あ~っ、お髭だ~!!」
「?お、お髭?!」
ジェラルド皇子が画家の側に行き笑っていた。
「え?お髭?!ほ、本当だ大きなお髭です」
アルフォンス皇子も画家の絵の具のついた顔を見て笑いその様子を絨毯に座っている皇女も笑った。
「きゃっ、きゃっ、きゃっ!」
(ふふふ…ごめんなさい…笑っては駄目だけど…ふふふ)
!!
皇女の愛らしい笑い声にメイド達は頬を染めていた。
「画家…」
「は、はい」
「帰るまで顔を拭くな」
「!?…あの、陛下…顔を拭くなとは…」
「皇女の寝返りの絵は待つとしょう…」
「!!」
「良かったな、皇女の笑顔で寿命が伸びたな」
「あ、有り難う御座います陛下…」
「ふむ…」
画家は帰るまで顔を拭かない約束をして、ソフィアは自分の笑顔で人の命を救ったとは知らない皇女ソフィアだった。
「ソフィーが座ったよ!!」
もちろん、一番喜んでくれたのは兄のアルフォンス皇子だった。
「皇女様お座りがとてもお上手ですよ~っ」
(ありがとう、応援してくれたみんなのおかげよ)
「あう、あう」
皇女ソフィアはメイド達に笑顔を向けると喜んでくれた。
「ソフィー」
「あうっ?」
チュッ!
「お座りができたご褒美だよ」
アルフォンス皇子からの褒美のキスを貰った。
(…何かをやり遂げるたびに褒美のキスがくるのかしら…)
「ジェラもしてあげる」
(え!?)
絨毯の上で一緒に座っているジェラルド皇子がギュッと皇女ソフィアを抱きしめ、チュッ、チュッと皇女ソフィアの額にキスをして、それを見ていたアルフォンス皇子が固まっていた。
「あうっ、あうっ~」
(ち、ちょっと待って…苦しいんだけど…)
ジェラルド皇子の額が皇女ソフィアの頭にグリグリと頬擦り?してバタバタと皇女ソフィアは腕を動かし助けを求めていた。
「ジ、ジェラ?ソフィーが苦しいって」
「え?ジェラ、ギュッてしただけだよ?」
「うん、そうだね」
メイドが慌てたようにジェラルド皇子を放し、皇女ソフィアは「あぶっ」と声に出していた。
(はぁ…苦しかった…子供達と遊ぶのって大変…でも、楽しいわ…)
皇女ソフィアは大人目線で二人の皇子を見ていた。
「画家…」
「はい、陛下…」
「皇女が座る所を描いたか?」
「し、少々お待ちください…下書きでは御座いますが暫くお時間をいただきたいのですが…」
「ふむ…いいだろう…」
「有り難う御座います…」
「ところで、先日皇女が寝返りした絵は出来たのか?」
「!!」
ビクッと画家の体が動き、顔に汗が流れ絵の具のついたタオルで顔を拭いてしまった。
「画家何故答えない……ぶはっ!」
「?」
陛下の吹き出す声に画家は首を傾げていた。
「さすが、芸術家だ自分の顔に絵の具をつけるとは…くくく」
「顔に絵の具ですか?」
「あ~っ、お髭だ~!!」
「?お、お髭?!」
ジェラルド皇子が画家の側に行き笑っていた。
「え?お髭?!ほ、本当だ大きなお髭です」
アルフォンス皇子も画家の絵の具のついた顔を見て笑いその様子を絨毯に座っている皇女も笑った。
「きゃっ、きゃっ、きゃっ!」
(ふふふ…ごめんなさい…笑っては駄目だけど…ふふふ)
!!
皇女の愛らしい笑い声にメイド達は頬を染めていた。
「画家…」
「は、はい」
「帰るまで顔を拭くな」
「!?…あの、陛下…顔を拭くなとは…」
「皇女の寝返りの絵は待つとしょう…」
「!!」
「良かったな、皇女の笑顔で寿命が伸びたな」
「あ、有り難う御座います陛下…」
「ふむ…」
画家は帰るまで顔を拭かない約束をして、ソフィアは自分の笑顔で人の命を救ったとは知らない皇女ソフィアだった。
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