兄たちが弟を可愛がりすぎです～短編集家族でケーキ屋さんに行こう～

お下がりの服

俺とジル王子の護衛騎士が俺を迎えに来たザック兄に驚き俺達そんなに長話をしてたのか？
「も、申し訳御座いませんわたくしがお話しをしたばかりにお着替えの時間が……」
騎士は慌てて俺とザック兄に謝り、バタバタと部屋を出て行った
「さっきの騎士はジル兄の護衛騎士じゃないのかウィル」
ザック兄は話ながら俺のベッドの側に来て俺がまだ着替えていない事に気付きメイドのマリアが手に持っている服を見て見覚えのある服のようでザック兄は目を見開いていた
「……ウィルその服もしかしてジル兄の服じゃないのか？！」
「はい、さっきの騎士さんがジル兄様の服を持って来てくれたのです。ジル兄様がこの服を着なさいと僕に渡されたのです。」
俺はシェル王子には悪いけど服はヒラヒラよりこっちのジル王子の服が良いかな。
「珍しいなあのジル兄が、ウィルに服を渡す何て…今日は突然父上が家族皆でフィンに会いに行くと言い出したから、ジル兄は来ないと思っていたが、「私も一緒に行く」と言うからそれでも驚きだが…最近のジル兄雰囲気が変わったんだが…何があったんだろうな」
ザック兄は首を傾げ俺は何も言えなかった。
そうか、ジル王子も一緒に行くんだ…あの庭園の日から一度も会っていないさっきザック兄がジル王子の雰囲気が変わったって言ってたっけ…あのピリピリとした感じより良いかも…。
俺はジル王子の服をジーと見たまま動かない為ザック兄がヒョイと顔を近づけて見てきた。
「ウィルどうした、着替えるなら俺も手伝おう」
「え？あ…良いんですかザック兄様」
「おう！」
「私もお手伝いしますわウィル様」
「え、マリアさんは後から呼びますので、ザック兄様に手伝って貰うので大丈夫です。」
「そうですか～っ…。」
マリアは顔をムスッとした後ザック兄をジロ…と見たような…気のせいかな……マリアは朝食用の食器を片付けをして部屋を出て行った。
「さて、ウィル着替えようか」
「はい、お願いします」
俺はザック兄の手伝いのお陰で服に着替える事が出来た。