勇者と闇の魔法使い

魔法使いの家

勇者アランの前に突然現れた木造建ての一軒家が建っていた。
この国では変わった建物のようで、勇者アランは戸惑いがあった
「……本当に突然現れるとは思いもしなかったな…何か不思議な感じでビリビリと針を差す痛みを感じるが……この建物で間違い無いだろうか…」
勇者アランはゆっくりと木造の建物に近付き玄関らしき扉をみつけたが、開け方が分からないようで玄関の前で立ち往生していた時だった……「ガラッ…チリリン……」中から扉が横に開き目の前に女の子が立っていた。
茶色の髪の毛に頭のてっぺんに髪を束ね癖毛があり、目はパッチリと大きな目の茶色で着ている服が珍しく両腕の服が長く伸ばされドレスが短くなった感じの膝から上まで肌が丸見えの両足の太ももが見える程の丈で色がピンク色の服を着た年齢は１０代の女の子だ。
女の子は勇者アランをただ見上げて黙って見ていた。女の子の身長は１５０㎝で勇者アランは１９０㎝でお互い見上げ、見下ろす状態だ。暫くして女の子が勇者アランをジロジロと見定め終えると大きなため息を吐いていた。
勇者アランはまさか自分の容姿を見てため息を吐くとは思わず少しショックを受けた。
勇者アランの容姿を見た者は頬を赤く染めるため息を何回も見てきたが、この目の前にいる女の子のため息は残念なため息だ。
「……あ、あの…ここは魔法使いと呼ばれる者の家ですか？」
「……ええ、そうよ貴方は勇者なの？」
「はい、アランと言います。それで魔法使いの方は…」
「……簡単には会わせられないわ…その呼び名も勝手に付けられて、あの方は傷付きやすいのよ。人間は勝手よね自分達が手に負えない事はみんな彼に押し付けるのだから……」
「…それは……」
勇者アランが言いかけた時に女の子の方から凄まじい魔物の気を感じた。
ザザザザ……凄まじい妖気を勇者アランに浴びせる女の子に勇者アランは後方に下がり腰にある剣に手を掛けた。
「っ……まさか魔物！？」
怯まない勇者アランの姿を見て不敵に笑みをみせる女の子が話始めた。
「ふふっ、さすが勇者と言われているように私の気で闘う構えをするなんて、その姿はお飾りだけと思ったわ」
「……何故魔物が魔法使いの家に……」
「あの方は私の命の恩師そして貴方のような容姿を持った人間はあの方が苦手とされている姿…会わせる訳には行かないわ……」
「！？し、しかし…私は魔法使いの彼に用が……」
「知らないわそんな事、このまま私と殺り合いをするのか、それとも負け越しで帰るのか…どちらを選びますか？」
「っ……！」
カチャ！と腰の剣を握る手に力が入る勇者アラン……
「ルル…君の気を感じるけどどうしたんだ？」
「「！！」」
家の中から男性の声が聞こえた。
「うあっ！？」ズダダダダ……凄い音が家の中から聞こえ男が滑り落ちる音が聞こえた。
「旦那様！？」
今まで魔物の気を勇者アランに向けていた女の子が慌てて家の中に入って行った。
何があったのか？…と勇者アランはただ立っているだけだった。