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第十部
イニシャルブレス
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「ん~そういうとこだな。
うちのもんが向井さんに頼っちゃうところ」
「ホントね。私もつい、
向井君なら大丈夫って思っちゃうもん」
アートンとトリアが頷きながら笑った。
「そんなことないですよ。
俺だって皆さんを頼りにしてるんですから」
三人がそんな話をしていると、
チビ達の番が来て向井達も歩いていった。
「頑張れ~」
他の親達と一緒になって、
向井達も声をかけて応援した。
集めたボールをスタッフに渡すと、
それぞれお菓子の袋をもらって、
喜んで帰ってきた。
「みてた~」
「見てたよ」
「三人とも頑張ったじゃん」
向井達に褒められ、
ニコニコ顔になると、
そのあともブースを見て回った。
「ここは中央だけど中心から少し離れてるのに、
やっぱり悪霊のエネルギーが強かったもんな」
アートンが言った。
「前日に祓って、今も結界で守ってるから、
安達君も楽みたい。
千乃も来たがってたけど、
結界が強くて入れないのよ」
「チビ達は平気ですけど」
トリアの話に向井が聞いた。
「それは子供だから。
でも反対に悪霊に飲み込まれやすいの」
「今回悪霊にやられた妖怪の半分以上が子供。
しかも大人も飲み込まれてるから、
悪霊の力が膨大してるんだよね」
アートンがチビ達が夢中になっている、
キッズのお店を見ながら言った。
「虎獅狼達は冥界で暮らしているおかげで、
助かったってところもあるの。
知り合いも今回の事で姿が見えなくなったって、
言ってたから」
「それは辛いですね。
でも、そうなると妖怪の数も激減するんですか? 」
向井の質問に、
「それはないな。妖怪って自然発生しているものが、
殆どなんだよね。
人間と同じで俺様妖怪もいれば、
心根の優しい妖怪もいる」
アートンがチビ達の呼ぶ声に、
ブースに近づいた。
「なに? これが欲しいの? 」
向井達も近づいてみると、
光るブレスレットに夢中になっていた。
作家が、
「これは一つ一つ手作りなので、
色の出方が全部違うんです」
と説明した。
「ゴムなのでお子さんも付け外ししやすいです。
イニシャルチャームも一つ、
お付けしますよ」
作家の話に、
「イニシャルってなに? 」
三鬼が向井達を見上げた。
「お名前の頭文字」
向井はそういうと、
「君達はどれが欲しいの? 」
と聞いた。
三人が真剣に選んでる姿を、
作家も笑いながら見ている。
「これ」
それぞれ選ぶと、
「おっ、二人はKだ」
アートンが笑った。
「じゃあ、この二つはK、
こっちはMでお願いします」
向井が料金を払うと、
「付けていく? 」
と作家に聞かれ、
チビ達が嬉しそうに頷いた。
うちのもんが向井さんに頼っちゃうところ」
「ホントね。私もつい、
向井君なら大丈夫って思っちゃうもん」
アートンとトリアが頷きながら笑った。
「そんなことないですよ。
俺だって皆さんを頼りにしてるんですから」
三人がそんな話をしていると、
チビ達の番が来て向井達も歩いていった。
「頑張れ~」
他の親達と一緒になって、
向井達も声をかけて応援した。
集めたボールをスタッフに渡すと、
それぞれお菓子の袋をもらって、
喜んで帰ってきた。
「みてた~」
「見てたよ」
「三人とも頑張ったじゃん」
向井達に褒められ、
ニコニコ顔になると、
そのあともブースを見て回った。
「ここは中央だけど中心から少し離れてるのに、
やっぱり悪霊のエネルギーが強かったもんな」
アートンが言った。
「前日に祓って、今も結界で守ってるから、
安達君も楽みたい。
千乃も来たがってたけど、
結界が強くて入れないのよ」
「チビ達は平気ですけど」
トリアの話に向井が聞いた。
「それは子供だから。
でも反対に悪霊に飲み込まれやすいの」
「今回悪霊にやられた妖怪の半分以上が子供。
しかも大人も飲み込まれてるから、
悪霊の力が膨大してるんだよね」
アートンがチビ達が夢中になっている、
キッズのお店を見ながら言った。
「虎獅狼達は冥界で暮らしているおかげで、
助かったってところもあるの。
知り合いも今回の事で姿が見えなくなったって、
言ってたから」
「それは辛いですね。
でも、そうなると妖怪の数も激減するんですか? 」
向井の質問に、
「それはないな。妖怪って自然発生しているものが、
殆どなんだよね。
人間と同じで俺様妖怪もいれば、
心根の優しい妖怪もいる」
アートンがチビ達の呼ぶ声に、
ブースに近づいた。
「なに? これが欲しいの? 」
向井達も近づいてみると、
光るブレスレットに夢中になっていた。
作家が、
「これは一つ一つ手作りなので、
色の出方が全部違うんです」
と説明した。
「ゴムなのでお子さんも付け外ししやすいです。
イニシャルチャームも一つ、
お付けしますよ」
作家の話に、
「イニシャルってなに? 」
三鬼が向井達を見上げた。
「お名前の頭文字」
向井はそういうと、
「君達はどれが欲しいの? 」
と聞いた。
三人が真剣に選んでる姿を、
作家も笑いながら見ている。
「これ」
それぞれ選ぶと、
「おっ、二人はKだ」
アートンが笑った。
「じゃあ、この二つはK、
こっちはMでお願いします」
向井が料金を払うと、
「付けていく? 」
と作家に聞かれ、
チビ達が嬉しそうに頷いた。
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