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第八部

冥界発表会

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冥界の画像が送れる、

小型のプロジェクターをセットすると、

「つながりましたよ」

壁のスクリーンに映しだした。

「綺麗に映ってるね」

黒谷もワクワクしながら画像を見ていた。

「これって俺にしか見えないの? 」

「見えないと思いますよ。

神様と話せる人を冥界で調査してましたけど、

黒谷君だけでしたからね」

「俺ってホント、スゲエんだ」

「そうですよ」

向井が笑った。

「向井さん~」

スクリーンにセイくんの顔が映し出された。

「誰? 」

黒谷が聞くと、

スクリーンの横にある小型カメラで、

部屋の様子が映し出されたのか、

「あっ、黒谷君? 僕はセイです」

と言って手を振った。

「セイも死神だよ」

安達がそばに来て説明する。

「そこで発表会やるんだ。

本格的な舞台だね~

えっ、屋台もあるの? 」

黒谷がビックリしてみていると、

「おお~黒谷か? 」

「赤姫さん~楽しみにしてるからね~」

二人が画面越しに手を振る。

何やら楽しそうに話している姿に、

向井は笑顔になると、

「そろそろ俺達も戻りましょうか」

と安達に声をかけた。

そしてふと思い出したように、

「忘れてました。これ」

とケーキの入った箱を黒谷に手渡した。

「うちには世界大会で優勝した、

優香さんというパティシエがいるんですけど、

彼女とその弟子が作ったケーキなんです」

と言って安達を見た。

「ケーキ? パティシエなんているの? 」

安達がニコニコ笑っているので、

「えっ? もしかして安達君が作ったの? 」

黒谷が驚いた声を出した。

「安達君は優香さんの一番弟子なんですよ。

俺達もよくいただきますけど、

日々上達してるので食べてみてください。

美味しいですよ」

「へえ~それは楽しみだ。

発表会見ながら頂くよ」

黒谷は安達を見て笑顔になった。

「発表会が終わったら、

プロジェクター取りに来ますね。

そうそう。冥王が黒谷君も審査員の一人なので、

一位~三位と黒谷賞を選んでくださいって、

言ってましたよ。

このインカムが冥王と繋がってるので、

これで話せますから」

「ええ~責任重大だな」

黒谷が笑いながら二人を見た。

「俺も向井も出るんだよ」

「そうなの? 楽しみだけど、

選ぶの悩みそう」

黒谷の楽しそうな様子を見て、

向井達も冥界に戻っていった。


冥界に戻ると、

毘沙門天が美しい女性と一緒にやってきた。

「向井君」

「毘沙門天様。発表会を見に来られたんですか? 」

向井が驚く顔で聞いた。

「今回は向井君も出るって冥王から聞いたので、

それは見に行かなくてはとやってきました」

毘沙門天が笑った。
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