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第七部
選ばれし生贄たち
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「でもさ、
このニュースどこでもやらないだろ?
監視ドローンも飛んでたのにさ。
警察が来て、色々聞かれたけど、
犯人も何もあの死体見ればわかるだろ。
誰も殺しちゃいないって。
警察としては犯人を捕まえたいみたいだけどね」
監視ドローンが飛んでいたのに、
その映像を流さないという事は、
犯人説をでっちあげたいのかもしれないな。
フェイクニュースにされたとしても、
これだけの話題性ある話だ。
世界中で拡散されたら面白いだろうなと、
にやりと笑った。
そんな記者の姿を遠くで見ていたトリアは、
「あれは邪魔だな~」
と口をへの字に曲げた。
「別に記事にされても問題ないでしょ」
向井が言うと、
「ああいう、元々事件記者上がりの、
ゴシップライターは色々つつくから面倒なのよ」
トリアが男をじっと見た。
「いざとなれば記憶操作させてもらうけど、
冥界でもむやみに人の記憶をいじることは、
禁止されてるからね」
「確かに周りの人を巻き込みますから、
かえってこっちの仕事が増えますね」
向井も納得するように頷いた。
「まあいいや。とりあえず、
極秘文書はすべて処分したし、
調べようにももう何の文献も出てこないはず」
トリアはそういうと、
「まずは昔の生贄の白骨状態と、
生贄を解放させないとね。
監禁されて二日は経つから」
山奥の洋館風の家は、
もう何十年も人が寄り付かない場所に建っていた。
周りは木々で囲まれ、
災害対策室の為に使われているが、
二つ、三つ挟んで所有者を入れているので、
本来の保有が誰なのか知るものはいない。
私有地とされている事もあり、
奥に入り込むものもおらず、
ここに家がある事すら、
誰も知らないのかもしれなかった。
ここは後から地下が作られ、
佐々木も犯罪に使用していた場所でもある。
三日前――――――――
十人ほどの男女が黒塗りのワゴン車で連れてこられ、
そのまま地下室の部屋に閉じ込められた。
中には子供もおり、
一体何が起こったのか分からないまま、
彼らは不安で体を丸め座り込んでいた。
部屋は広く、トイレも完備されている。
非常食が置かれており、
その量はひと月分はありそうだ。
こんな時こそ落ち着かなくては………
状況を判断しろ。
水沢春奈は目を閉じた。
あの記者会見の後、
いきなり麻酔薬を打たれ、
気が付いた時には車の中で、
拘束された状態で揺られていた。
この場所に連れてこられた時、
彼女には見覚えのある顔があった。
そう。あれは特殊災害対策室の人間だ。
顔を隠すことなく、
部屋に閉じ込めたというのは………
ここから出られないことを意味する。
一体どういう………?
水沢はじっと動かず、室内を見回した。
一応、食料と水を口にしているが、
誰もが憔悴しきっている。
どうすれば………
このニュースどこでもやらないだろ?
監視ドローンも飛んでたのにさ。
警察が来て、色々聞かれたけど、
犯人も何もあの死体見ればわかるだろ。
誰も殺しちゃいないって。
警察としては犯人を捕まえたいみたいだけどね」
監視ドローンが飛んでいたのに、
その映像を流さないという事は、
犯人説をでっちあげたいのかもしれないな。
フェイクニュースにされたとしても、
これだけの話題性ある話だ。
世界中で拡散されたら面白いだろうなと、
にやりと笑った。
そんな記者の姿を遠くで見ていたトリアは、
「あれは邪魔だな~」
と口をへの字に曲げた。
「別に記事にされても問題ないでしょ」
向井が言うと、
「ああいう、元々事件記者上がりの、
ゴシップライターは色々つつくから面倒なのよ」
トリアが男をじっと見た。
「いざとなれば記憶操作させてもらうけど、
冥界でもむやみに人の記憶をいじることは、
禁止されてるからね」
「確かに周りの人を巻き込みますから、
かえってこっちの仕事が増えますね」
向井も納得するように頷いた。
「まあいいや。とりあえず、
極秘文書はすべて処分したし、
調べようにももう何の文献も出てこないはず」
トリアはそういうと、
「まずは昔の生贄の白骨状態と、
生贄を解放させないとね。
監禁されて二日は経つから」
山奥の洋館風の家は、
もう何十年も人が寄り付かない場所に建っていた。
周りは木々で囲まれ、
災害対策室の為に使われているが、
二つ、三つ挟んで所有者を入れているので、
本来の保有が誰なのか知るものはいない。
私有地とされている事もあり、
奥に入り込むものもおらず、
ここに家がある事すら、
誰も知らないのかもしれなかった。
ここは後から地下が作られ、
佐々木も犯罪に使用していた場所でもある。
三日前――――――――
十人ほどの男女が黒塗りのワゴン車で連れてこられ、
そのまま地下室の部屋に閉じ込められた。
中には子供もおり、
一体何が起こったのか分からないまま、
彼らは不安で体を丸め座り込んでいた。
部屋は広く、トイレも完備されている。
非常食が置かれており、
その量はひと月分はありそうだ。
こんな時こそ落ち着かなくては………
状況を判断しろ。
水沢春奈は目を閉じた。
あの記者会見の後、
いきなり麻酔薬を打たれ、
気が付いた時には車の中で、
拘束された状態で揺られていた。
この場所に連れてこられた時、
彼女には見覚えのある顔があった。
そう。あれは特殊災害対策室の人間だ。
顔を隠すことなく、
部屋に閉じ込めたというのは………
ここから出られないことを意味する。
一体どういう………?
水沢はじっと動かず、室内を見回した。
一応、食料と水を口にしているが、
誰もが憔悴しきっている。
どうすれば………
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