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第六部

生意気なチビ

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「え~と呉葉がペンギンのカップで、

こんはクマさんだっけ」

そういってそれぞれのカップに入れて、

その上に生クリームを少し乗せた。

「僕は自分で運んだんだよ」

三鬼の一言に、

二人は振り返って三鬼を見ると、

「わらわも運べるぞ」

「こんも~」

トリアは心配そうに笑うと、

二人にそれを手渡してから、

「ゆっくりね」

と声をかけた。

大人達は笑っていたが、

内心ひやひやしながら見ていた。

二人がテーブルにカップを置くのを見て、

ホッと息をつくと、

「こぼさず運べて偉かったね~」

と大人達に褒められ得意げに席に着いた。

トリアが妖鬼のショコラを入れていると、

「トリア、零れてる零れてる」

妖鬼が慌ててペーパータオルでカウンターを拭いた。

「あっ!! 」

こん達の姿を追っていたので、

自分の手元がおろそかになってしまった。

「トリアが零しておる」

「大きいのにダメね~」

呉葉とこんが大人の口真似をする姿に、

大人達はプッと吹き出した。

「あ~生意気」

トリアはそういいながら、

新たにショコラティーをカップに注いだ。

そんなのんびりした時間の中、

アラートが鳴った。

「はあ~今日はもう鳴らないと思ってたのに………」

牧野がため息ついて飲み干すと、

他のメンバーも立ち上がった。

「みんながいなくなると、

静かで寂しいですね~」

冥王はショコラを飲み終えると、

「疲れた~少しお休みします」

とソファーに寝転がった。

「部屋で寝たら? 」

早紀がマグカップを洗いながら声をかけると、

「みんなが帰ってきたら、

一緒に夕飯食べます」

とウトウト寝始めた。

「冥王寝ちゃった」

チビ達が楽しそうに冥王の顔を、

ぺたぺた触っている所に、

オクトと新田が入ってきた。

「チビどもいるか? ご飯の用意が出来たってさ」

オクトがそういうと声をかけた。

「ご飯食べたら、お風呂入って、寝んねだって」

新田が言うと、

「今日は新田とお風呂がいい~」

チビ達が飛びついてきた。

「俺と~? どうしようかなぁ~」

新田が考えるふりをする。

「いいでしょ~」

「だったら、早くご飯食べておいで」

笑いながらチビを追い出し、

「じゃあ、夕飯後は新田君にバトンタッチね」

オクトも笑顔でチビの後を追っていった。

「チビもいい男が好きってことか」

早紀がいい妖鬼も笑った。

「新田君もここでしか飲めないショコラティー飲む? 」

早紀の言葉に近づくと、

カウンターで飲む妖鬼のカップを見て、

「いい香り~飲む! 」

と隣のスツールに座った。

「あれ? 冥王寝てるんだ」

「自分の部屋で寝ればいいのに、

皆が戻るの待ってるんだって」

三人は気持ちよさそうに眠る冥王を、

笑顔で見ていた。
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