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第五部
冥王にお願い
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「なに? 」
牧野と新田が同時に聞く。
「琥珀糖ですよ。安達君の大好きなお菓子なんで、
仕事帰りに買ってきたんです」
向井の説明に二人も気になったのか、
急ぐようにテーブルに向かった。
「ほんとだ。スゲエ~何これ? 宝石みたいじゃん」
牧野も一つ手に取ると、チビ達と一緒に透かして驚いた。
「シャリシャリでジュワ~として、美味しいんだよ」
安達が嬉しそうに口に入れて微笑んだ。
「今日もにぎやかですね」
冥王とシェデムが部屋に入ってきた。
「冥王。いつ戻られたんですか? 」
向井は驚くと、立ち上がって近づいた。
「たった今、戻りました」
チビ達はおかしに夢中で、
冥王が入ってきても気づく様子がない。
牧野と安達も琥珀糖を並べて楽しそうだ。
新田とオクトですら美味しそうに食べている。
真紀子はそんな様子を笑いながら見ていた。
「私が戻ってきたというのに無視ですか。
寂しいですね~」
冥王が口をへの字に曲げていると、
トリアがやってきてマントを掴んだ。
「な、なんですか」
驚く冥王を引っ張って部屋を出て行く。
「あっ、向井君もシェデムもちょっと来て」
入り口から顔を覗かすと、
チョイチョイと指で来るように合図した。
ミヒカさんの事かな?
向井は首をかしげると、
怪訝そうな顔をするシェデムと部屋を出ていった。
冥王室に入ると、
「冥王にちょっと頼みごとがあるんだけど」
トリアの真剣な姿に、
「変な事じゃなければいいですよ。何でしょう」
ちょっと訝し気な顔をした。
「さっき向井君と、
虎獅狼達を守っていたという、
優しいお姫様に会ってきたの」
「ああ、水光姫ですね。で、どうでしたか? 」
「それが不浄の地にいるからか、
赤姫が浄化しても回復が遅いのよ」
「………まあ、そうでしょうね」
頷く冥王を見ながら、向井が話の続きを始めた。
「そこでトリアさんと赤姫さんに言われて、
霊玉で聊かでも浄化できないかと試みたんですが、
僅かに効果はあったものの、
復活させるまでには至らなくて」
「霊玉で………上手いことを考えましたね」
冥王が感嘆するように頷いた。
「それでね。
影鰐があるから問題ないとは思うけど、
吉沢が全国の地域神の場所を、
調査していることもあるし、
もし今あの不浄の地に何かしかけられたら、
ミヒカは持たないのよ」
「………」
トリアの説明に冥王も黙ったまま考え込んだ。
「で、何か案でも? 」
「冥王は嫌がるかもしれないけど、
天上界にあげてもらう事はできないかな? と」
「えっ? 」
冥王が目を見開き、
向井とシェデムも驚きの顔でトリアを見た。
牧野と新田が同時に聞く。
「琥珀糖ですよ。安達君の大好きなお菓子なんで、
仕事帰りに買ってきたんです」
向井の説明に二人も気になったのか、
急ぐようにテーブルに向かった。
「ほんとだ。スゲエ~何これ? 宝石みたいじゃん」
牧野も一つ手に取ると、チビ達と一緒に透かして驚いた。
「シャリシャリでジュワ~として、美味しいんだよ」
安達が嬉しそうに口に入れて微笑んだ。
「今日もにぎやかですね」
冥王とシェデムが部屋に入ってきた。
「冥王。いつ戻られたんですか? 」
向井は驚くと、立ち上がって近づいた。
「たった今、戻りました」
チビ達はおかしに夢中で、
冥王が入ってきても気づく様子がない。
牧野と安達も琥珀糖を並べて楽しそうだ。
新田とオクトですら美味しそうに食べている。
真紀子はそんな様子を笑いながら見ていた。
「私が戻ってきたというのに無視ですか。
寂しいですね~」
冥王が口をへの字に曲げていると、
トリアがやってきてマントを掴んだ。
「な、なんですか」
驚く冥王を引っ張って部屋を出て行く。
「あっ、向井君もシェデムもちょっと来て」
入り口から顔を覗かすと、
チョイチョイと指で来るように合図した。
ミヒカさんの事かな?
向井は首をかしげると、
怪訝そうな顔をするシェデムと部屋を出ていった。
冥王室に入ると、
「冥王にちょっと頼みごとがあるんだけど」
トリアの真剣な姿に、
「変な事じゃなければいいですよ。何でしょう」
ちょっと訝し気な顔をした。
「さっき向井君と、
虎獅狼達を守っていたという、
優しいお姫様に会ってきたの」
「ああ、水光姫ですね。で、どうでしたか? 」
「それが不浄の地にいるからか、
赤姫が浄化しても回復が遅いのよ」
「………まあ、そうでしょうね」
頷く冥王を見ながら、向井が話の続きを始めた。
「そこでトリアさんと赤姫さんに言われて、
霊玉で聊かでも浄化できないかと試みたんですが、
僅かに効果はあったものの、
復活させるまでには至らなくて」
「霊玉で………上手いことを考えましたね」
冥王が感嘆するように頷いた。
「それでね。
影鰐があるから問題ないとは思うけど、
吉沢が全国の地域神の場所を、
調査していることもあるし、
もし今あの不浄の地に何かしかけられたら、
ミヒカは持たないのよ」
「………」
トリアの説明に冥王も黙ったまま考え込んだ。
「で、何か案でも? 」
「冥王は嫌がるかもしれないけど、
天上界にあげてもらう事はできないかな? と」
「えっ? 」
冥王が目を見開き、
向井とシェデムも驚きの顔でトリアを見た。
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