『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十三部

大好きワッフル

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「ほら、特別室が無くなっただろ。

それで子供霊の施設通路をそこに移動させたの。

今までは向井さん達の個室の、

廊下から移動してたでしょ。

冥王が完全に隔離させた方が、

カウンセリングルームもあるからいいだろうって」

「確かにそうかもしれませんね」

向井も頷いた。

「それで通路の場所が空いたから、

そこに医務室と研究室を、

昨日から移動させてるんだよ」

「じゃあ、休憩室の後ろが、

全部空くじゃない」

シェデムがサラダを食べながら言う。

「だからそこを休憩室と繫げて、

広いサンルームにしようって話さ」

「それは凄いですね~」

源じいも楽しそうに言った。

「だろう? それでね、冥王が北川さん達と、

あるものを作りたいって言いだして、

それも同時進行で進めてるんだよ。

出来たらチビだけじゃなくて、

牧野も大喜びするよ」

「俺も楽しみなの」

安達の嬉しそうな顔に、

向井達も気になり、

出来上がるのが待ち遠しくなってきた。

「それで明日から休憩室も少し模様替えするから、

暫くは奥の多目的ホールか、

別の部屋にいてもらうことになるからね。

出来上がったら少し賑やかな、

休憩室になっちゃうかもしれないけどね」

妖鬼はそれだけ言うと、

みんなを見てニヤリと笑った。


食事を終えて店を出たあと、

「牧野君が怒ってるでしょうから、

ワッフルを買ってから帰りましょうか。

この近くに、

安達君お薦めのお店があるんですよね」

向井が安達を見て言った。

「そう。すっごく美味しいの」

「ぼくもだいすき」

「わらわもすきじゃ」

「こんも~」

チビ達も安達を見ると一緒に笑った。

「では、みんなで買いに行きましょう。

私も楽しみです」

源じいも笑顔になると、

安達達と一緒に歩き出した。


「ここはベルギーワッフルの専門店なんです」

店に着くと向井が説明した。

「坂下さんに連れてきてもらって、

それ以来安達君がハマってるワッフルです」

「へえ~俺初めて」

向井の説明に新田が店の看板を見つめた。

「時々買って帰ってくるんですけど、

うちは人数が多いですからね。

タイミングが悪いと食べ損ねちゃうんですよ」

向井は笑うと店に入った。

お客が数人いたが、

既に注文を終え、会計をしていたので、

ゆったりワッフルを選ぶことができた。

「これ~」

こんが源じいの手を引いて、

ショーケースを見た。

「ほお~苺ですか」

「すごくおいしいの」

三鬼も笑顔で言う。

「では、私もそれにしましょうかね」

源じいもワッフルを見ながら話した。

「安達君はチョコレートですか? 」

向井が聞くと、

「うん。あとキャラメル」

「源じいもリエージュワッフルでいいですか? 

こっちにもありますけど」

「どれどれ」

源じいがやってくると、

新田達が見ているワッフルを覗いた。
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