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第十二部

安達のお手伝い

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「ねえ、消えた人たちってどこに行ったの? 」

真紀子が聞くと、

「さぁ? 冥界にも上がってこないから、

そのものが消滅してるのか。

神の所業だから私にも分からない。

冥王にも話したんだけど、

ほら、あの通りの神様でしょ。

のらりくらりと。

別段問題もないから、私たちは今まで通りに、

悪霊退治すればいいと思う」

エハが肩をすくめた。

「そうですね。この国は人口も減少しているので、

捨て地も場所によっては過疎化してたので、

悪霊の餌食になっているんだと思います」

「でもさ、問題ある人を神が判断して消してくれるなら、

なんで中央に結界をはってくれなかったんだろう」

向井の話にヴァンが不思議そうに言った。

「なんででしょうね。

神も国民を試してるのかもしれませんね」

向井はそういうと、

「ここが他の捨て地と同じ状態になるには、

時間がかかるでしょうから、

定期的に様子を見に来た方がいいですね」

青さが少し戻ってきた空を見上げた。


向井達はちょうどランチという事もあり、

人気のローストビーフ丼を、

テイクアウトで持ち帰り、

その足で坂下の店へと向かった。

外観は今の所、

直さなくても問題ないだろうという事で、

内装を重点的に直しているようだが、

バリアフリーにするので、

入り口ドアを変更する予定らしい。

外壁には、

「改装中の為、暫くの間休業します」

の張り紙がされていた。

向井達は裏に回り中に入った。

「あっ、向井~」

安達が嬉しそうに走ってきた。

「壁紙を全て張り替えたんですね。

印象が変わりましたね」

「ほんと」

エハも驚いたように室内を見た。

「ミニチュアを見ても感じたけど、

安達君は建築に向いてるかもしれないね」

新田も安達を見て褒めた。

「壁紙は俺も手伝って一緒に貼ったんだ。

妖鬼にも褒められた。

すっごく嬉しい」

「頑張ったんですね」

向井も笑顔になると、

「お昼まだでしょ。

買ってきたんで一緒に食べましょう」

向井が丼が入った袋を持ち上げた。

「妖鬼~向井がお昼買って来てくれたよ~」

安達が店舗の方へ走って行った。

それと入れ違いに坂下が、

洗面所から出てきた。

「賑やかだと思ったら向井さん達が来てたんだ」

「あれ? サニタリーもやっぱ変更するの? 」

ヴァンが聞くと、

「ちょっと前まで、

源じいとティン君とフェムトンさんが、

ちびちゃんたち連れてきてたんですよ」

坂下が話した。

「えっ? 」

向井達が驚いていると、

「それでね。ちびちゃんたちもお泊りしたいそうで、

洗面所とお風呂が小さいって、

妖鬼さんに文句を言ったんです」

坂下が笑いながら話していると、

妖鬼と大工衆が安達と一緒に部屋に入ってきた。
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