『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十二部

冥界で縄跳び

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冥界に戻ると、

式神課のカウンターからフェムトンがやってきた。

「おや? セイはどこですか? 」

冥王が聞くと、

「今、みんなで多目的ホールで大縄跳びをしてますよ」

フェムトンが笑いながら言った。

「セイの逆襲なんです」

「逆襲? 」

向井が聞くと、

「見てみるとわかりますよ」

フェムトンに言われ、三人は気になり、

その足でホールに向かった。

見るとチビ達が大繩に挑戦していた。

「ほお~セイは縄跳びは得意のようですね」

冥王も大繩を簡単に飛んで抜けていくセイの姿に、

ふふふと笑いながら見ていた。

「チビ達にはまだ難しいかな? 」

手こずる三人の姿にアートンが苦笑いした。

「リズムだよ。カウント取って、

1、2、3で飛んでみな」

牧野がそういいながら、手本を見せていた。

ディッセとカトルセがゆっくり大繩を回し、

チビ達にカウントを取らせる。

「い~ち、に~、さん」

こんが縄を飛ばずに抜けて行った。

「おっ、凄いじゃん」

新田が笑うと、

「チビ達に大繩はまだ難しいよ。

ゆっくりロープを下で揺らして、

それを飛ばせてみたら? 」

と提案した。

「そうだな」

ディッセ達も言うと、

ロープをゆっくり下で揺らした。

「飛んでティン君の所に行ってごらん」

新田が言い、1、2、3とカウントを取らせて、

飛ばせる。

「とべた~」

こんは一番に縄を飛ぶと、

嬉しそうにぴょんぴょん跳ねた。

続いて呉葉も飛び、

「できた~」

二人が飛び跳ねた。

「みつき~」

二人が呼ぶが、怖いのかロープに近づくと、

逃げて戻ってくる。

「ふむ。三鬼は鬼の子とは思えない鈍さですね~」

冥王もフッと息を漏らして笑った。

すると牧野が三鬼を肩車にし、

「一緒に飛ぶぞ~」

とぴょんとロープをとんだ。

三鬼の喜ぶ姿に、

「こんも~」

「わらわも~」

と牧野に飛びつき、

「仕方ねえなぁ~」

と順番に肩車をすると縄を飛び越えた。

そんなはしゃぐ姿を見ていると、

「むかい~」

呉葉が気づき駆け寄ってきた。

「どこにいってたんだ? 」

「ちょっとお仕事です」

向井が屈んで笑う。

「いい匂いがする~」

牧野達も近づいてくると、

向井達が手にする袋を覗き込んだ。

「おっ、ケーキじゃん。

これはめったに食べられない奴だぞ」

牧野がチビ達に言い、

「おやつに食べようぜ~」

と休憩室に冥王とチビと歩き出した。

ディッセ達もロープを片付け、

一緒に移動する。

その姿を見て、

「もしかして、

寿尊さんのことを牧野君は知らないの? 」

アートンが歩きながら向井に聞いた。

「寿尊さんからも言わないでほしいと言われたので、

黙ってるんです」

「ん~そうか。話さないほうがいいこともあるもんな」

向井の話にアートンも頷くと、

休憩室に向かった。
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①「アンダーワールド」番外編になります。アンダーワールド~番外編~――――――――②短編の新連載です。独り日和

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