『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十六部

新しいおもちゃ

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「嬉しいです。有難うございます」

作家も笑顔になった。

「これね~つながってうごくの~」

三鬼が磁石の恐竜と新幹線を繫げて、

動かした。

「本当ですね」

毘沙門天と楽しそうに、

連結させて遊ぶ三鬼に向井も笑った。

「ハクはどれが欲しいの? 」

向井が聞くと、

「うごくきょーりゅー~」

「あぁ~」

ハクが三鬼の恐竜を、

借りて遊んでいたので、

自分のものが欲しいのだろう。

「あの、以前こちらで購入した、

動く恐竜はありますか? 」

「ありますよ」

作家が横のテーブルに置いてある恐竜を、

見せてくれた。

「あっ」

ハクが嬉しそうに並ぶ恐竜を見つめた。

向井は抱っこすると、

「どれが欲しい? 」

と聞いた。

「む~」

ハクが真剣な顔で悩む様子に、

向井と作家が笑った。

「これ~」

「ハクは翼竜が好きなんですね」

翼竜が並ぶ中からプテラノドンを選ぶと、

ニコニコ笑った。

ハクの笑顔は周りを明るくしてくれる。

作家も穏やかな笑顔でハクを見ると、

「じゃあ、これを箱に詰めますね」

とプテラノドンを手に取った。

「こっちは決めたかな? 」

三鬼と毘沙門天が遊ぶ姿に、

向井が聞いた。

「これとこれがほしい」

三鬼が恐竜と消防車を繫げて言った。

「これは連結して遊ぶからね~」

毘沙門天もいい、

「だったら、ハクにも二つ選んでもらって、

二人で仲良く遊べるかな? 」

と向井がハクを下ろした。

ハクが三鬼の横に行くと、

手に取って動かしながら飛行機と恐竜を選んだ。

「この子は翼が好きなんですかね」

毘沙門天がハクの選んだものを見て笑った。

二人は作家が箱に詰める様子を真剣に見つめると、

おもちゃを受け取り嬉しそうに抱えた。

「今度はマキちゃん達の所に行きましょう」

向井が声をかけると、

三鬼とハクは作家に手を振り、

牧野達のいる店へ向かった。



「やっと来た~」

牧野が文句を言った。

「すいませんね。で、決まりましたか? 」

向井が三鬼の手を引いて近づくと、

「ほお~これか~カッコいいね~」

ハクを抱っこした毘沙門天ものぞいた。

「オヤジも買う? 」

「買ってくれるの? 」

「向井パパがね」

牧野が笑った。

「もう一人のオヤジもこれが欲しいって言うし、

色違いにしたら? 」

「ええ~お揃いですか? 」

毘沙門天が渋い顔をした。

「安達君はどれにしたんですか? 」

「俺は猫~」

「猫ですか」

毘沙門天が悩んでみていると、

「じいじはこれ~」

ハクが翼を広げたドラゴンを指さした。

「ふむ、やはりハクは、

翼が好きなんですね。

では私はこれにしましょう」

「お父さんの分までとは聞いていませんでしたけどね」

向井は笑いながらお会計をお願いすると、

「こんなに買ってもらって、

今日は幸先いいな~」

と作家が嬉しそうに話した。

「お兄さんたちイケメンぞろいだから、

付けて歩いてくれるだけで宣伝になります」

一つ一つ梱包しながら、

「これは君達にね、プレゼント」

と三鬼とハクにプラ板の恐竜バッジを見せた。

「どれがいい? 一つずつ選んでいいよ」

「いいの? 」

二人の嬉しそうな表情に、

「パパがいっぱい買ってくれたからね」

と向井を見て笑った。

「有難うございます」

三鬼とハクの真剣な顔に、

向井達が笑った。

牧野が購入したものを受け取ると、

中央のステージでライブが始まった。
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