『アンダーワールド』冥王VS人間~魑魅魍魎の戦が今始まる~

八雲翔

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第十五部

子供服を買いに

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「いらっしゃい」

四十代位の店主の女性が、

笑顔で向井に声をかけた。

「ここに可愛い子供服のお店があるって聞いて、

来たんですけど」

「有難うございます」

店主がやってくるのと同時に、

「じゃあ、私達もここで失礼するわね。

新作出来たら取り置きお願い」

「分かった」

女性二人は向井達に頭を下げると、

店を出て行った。

入り口で、

「いい男~うちの旦那が彼なら自慢できるのに~」

「あなた、自分を見てから言いなさいよ」

二人は向井を見ながらこそこそ話すと、

歩きだした。

「向井さんはモテモテだね~」

キャトルはそういうと坂下と一緒に店に入った。

「お子さんのお洋服をお探しですか? 」

「はい。三歳児の男の子なんですけど」

「だと、この辺りが三歳児のコーナーになります。

体の成長もありますけど、

平均の大きさで作っていますので」

「平均より少し小さいと思うんですけど」

「でしたら………この辺りですね」

向井は見ながら坂下達を呼んだ。

「ハクにはどれが合うと思う? 」

「ん………」

「これなんか似合うんじゃないの? 」

「ハクは色白だしね」

三人が選んでいるのを見て、

「ご友人ですか? 」

店主が聞いた。

「いや~兄貴に付き合って買いに来たんですよ」

キャトルが言うのを、

「御兄弟ですか。いいですね」

店主は笑顔になると、

「うちは全て三人で手作りしてるんです。

お子さんが着るものなので、

機能性も耐久性も考えた生地を選んでますので、

安心して着せていただけると思いますよ。

略一点ものと思っていただいても構いません。

お値段もリーズナブルなものからあるので、

ゆっくりご覧になってくださいね」

と説明すると、

新たな客が入ってくるのを見て、

その場を離れた。

坂下がハンガーを動かしながら、

「ねえ、これなんか四人でお揃いになるよ」

パッチワークのウェアを見て言った。

「あっ、ホントだ。可愛いね」

キャトルもウェアを見ながら、

「子供ってこんなに小さいのを着てるんだな」

と驚きながら笑った。

「せっかくだからお揃いでこのパッチワークも、

買って行きましょうか」

向井はサイズを確認すると、

ハクのウェアの他にも、

お揃いのウェアも手に取った。

「昨日戻らなかったので、

恐らくお冠でしょうからね」

向井は笑うとレジに向かった。



支部に戻る前に、

中央へのお土産とお昼にキャトルが薦める、

濃厚パスタを人数分購入して戻った。

入り口を入ったところで、

賑やかな声が聞こえてきた。

「楽しそうだね」

キャトルは笑顔になると休憩室に向かった。

「あっ、お帰りなさい」

安達が振り返った。

どうやらアニメを見ていたようだ。

ハクも夢中になって画面に張り付いている。

「いい匂い~」

安達が言うと、向井達が持ってる袋を見た。

「お昼も買ってきたから、食べてから帰りましょう」

向井が言い、

「ハク、お洋服を買ってきましたよ。

靴は中央に戻ってから用意するので、

とりあえずお着替えしましょう」

とハクを呼んだ。
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