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第十四部
チビが大好きチキン
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「結構、いろんなお店が入ってるのね。
これなら商店街まで下りなくても、
揃うんじゃないの? 」
早紀がお店を楽しそうに見て回った。
「百年以上前は、結構利用されていたんだけど、
生活が向上して、大型店舗が増えて、
更には高齢者が増えて過疎化したでしょ。
それでこういうお店は無くなったんだって。
トリアが言ってた」
エハが説明した。
「源じいより長く生きてんだもんな~
トリアって凄ぇよな」
牧野が驚くように話す。
「ふふふ、そうよね。
過疎化が進んだ一つに、
国民は知らないけど、
政府が人口調節のために、
老人に罹患しやすいウィルスに成功して、
半分を死亡させた経緯があるのよ」
「えっ? でも先生と呼ばれてる、
ジジイやババアは生きてるじゃん」
牧野がシェデムを見た。
「そりゃそうよ。
自分達にはワクチンを打ったんだもん」
皆が驚く顔でシェデムを見た。
「この計画は大災害が起こる前から、
未来の人口調節計画で研究はされてきたの。
ワクチンの安全性も何年もかけて、
作ってきたんだもの。
この時の彼らには、
国の未来は輝いて見えたでしょうね。
ただ誤算だったのが、
成功した時に起きたあの大災害よ。
でもそこからが、
大沢帝国の独裁政治の幕開けの始まりになるの」
シェデムの話に、
新田達は顔をこわばらせた。
「そんな顔しないの。
もう過去の事で、
いまさら何を言っても変えられないんだから。
冥王があとは国民が決めることだって、
言ってたでしょ」
シェデムはにっこり笑うと、
「私たちは自分達が出来る事だけやりましょう。
今は………お腹が空いたから、お昼だよね~」
そういってチビ達を見た。
お店はドラッグストア、ミニスーパー、
洋品店、ワンコインショップ、パン屋、
クリーニング店など、
十店舗ほどすべて埋まっていた。
棟は向かい合って並んでいるので、
両方に店舗があり、
中央にテーブルと椅子が並べられていた。
見るとポツポツと、
人がお昼を食べている姿があった。
「この辺りはシニアも若者も、
パートやフリーランスが多いから、
年齢層も様々だね」
ヴァンが住民を眺めながら言った。
「ボク、あれたべたい」
三鬼がティンの手を引っ張った。
「ん? どれ? 」
皆でその店の前に行くと、
「チキン南蛮? 」
ヴァンも看板を見た。
「わらわもチキンがいいぞ」
「お前らチキンばっかだな」
牧野があきれたように言うと笑った。
「ここはテイクアウト専門なんだ」
新田もメニューを見ていると、
「いらっしゃい」
中から親子とみられる男女が、
声をかけてきた。
「可愛いお客さんだ~」
店主の娘らしき人物が、
チビ達を見て笑いかけた。
「ここはチキン南蛮の専門店ですか? 」
エハが聞くと、
「そうです。私が子供の頃から好きで、
父とお店を持っちゃいました」
女性が笑った。
「こんね~チキンだいすき」
「私も大好き~」
女性はこんに笑いかけた。
「チキン南蛮中心に丼もお弁当も、
バーガーもありますよ。
チキン南蛮の甘辛もおすすめです」
メニューを指さして紹介してくれた。
「あら、本当。色々あるんですね」
シェデムも笑顔でメニューをじっと見た。
「そろそろ黒谷君達も戻ってくるし、
えっと何人だ? 十四人分か。
テイクアウトで作れますか? 」
ティンが聞くと、
「大丈夫ですよ。お時間の方は平気ですか? 」
と女性が言った。
これなら商店街まで下りなくても、
揃うんじゃないの? 」
早紀がお店を楽しそうに見て回った。
「百年以上前は、結構利用されていたんだけど、
生活が向上して、大型店舗が増えて、
更には高齢者が増えて過疎化したでしょ。
それでこういうお店は無くなったんだって。
トリアが言ってた」
エハが説明した。
「源じいより長く生きてんだもんな~
トリアって凄ぇよな」
牧野が驚くように話す。
「ふふふ、そうよね。
過疎化が進んだ一つに、
国民は知らないけど、
政府が人口調節のために、
老人に罹患しやすいウィルスに成功して、
半分を死亡させた経緯があるのよ」
「えっ? でも先生と呼ばれてる、
ジジイやババアは生きてるじゃん」
牧野がシェデムを見た。
「そりゃそうよ。
自分達にはワクチンを打ったんだもん」
皆が驚く顔でシェデムを見た。
「この計画は大災害が起こる前から、
未来の人口調節計画で研究はされてきたの。
ワクチンの安全性も何年もかけて、
作ってきたんだもの。
この時の彼らには、
国の未来は輝いて見えたでしょうね。
ただ誤算だったのが、
成功した時に起きたあの大災害よ。
でもそこからが、
大沢帝国の独裁政治の幕開けの始まりになるの」
シェデムの話に、
新田達は顔をこわばらせた。
「そんな顔しないの。
もう過去の事で、
いまさら何を言っても変えられないんだから。
冥王があとは国民が決めることだって、
言ってたでしょ」
シェデムはにっこり笑うと、
「私たちは自分達が出来る事だけやりましょう。
今は………お腹が空いたから、お昼だよね~」
そういってチビ達を見た。
お店はドラッグストア、ミニスーパー、
洋品店、ワンコインショップ、パン屋、
クリーニング店など、
十店舗ほどすべて埋まっていた。
棟は向かい合って並んでいるので、
両方に店舗があり、
中央にテーブルと椅子が並べられていた。
見るとポツポツと、
人がお昼を食べている姿があった。
「この辺りはシニアも若者も、
パートやフリーランスが多いから、
年齢層も様々だね」
ヴァンが住民を眺めながら言った。
「ボク、あれたべたい」
三鬼がティンの手を引っ張った。
「ん? どれ? 」
皆でその店の前に行くと、
「チキン南蛮? 」
ヴァンも看板を見た。
「わらわもチキンがいいぞ」
「お前らチキンばっかだな」
牧野があきれたように言うと笑った。
「ここはテイクアウト専門なんだ」
新田もメニューを見ていると、
「いらっしゃい」
中から親子とみられる男女が、
声をかけてきた。
「可愛いお客さんだ~」
店主の娘らしき人物が、
チビ達を見て笑いかけた。
「ここはチキン南蛮の専門店ですか? 」
エハが聞くと、
「そうです。私が子供の頃から好きで、
父とお店を持っちゃいました」
女性が笑った。
「こんね~チキンだいすき」
「私も大好き~」
女性はこんに笑いかけた。
「チキン南蛮中心に丼もお弁当も、
バーガーもありますよ。
チキン南蛮の甘辛もおすすめです」
メニューを指さして紹介してくれた。
「あら、本当。色々あるんですね」
シェデムも笑顔でメニューをじっと見た。
「そろそろ黒谷君達も戻ってくるし、
えっと何人だ? 十四人分か。
テイクアウトで作れますか? 」
ティンが聞くと、
「大丈夫ですよ。お時間の方は平気ですか? 」
と女性が言った。
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