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第十四部

もんじゃ焼きパーティー

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「これってどうやって焼くの? 」

エハがボールに具材を混ぜながら、

向井を見た。

すると、

「俺様に貸してみな」

と牧野が腕まくりをし、

器用に作り始めた。

ヴァンもティンもエハも初めてなので、

真剣に見ていると、

「これぐしゃぐしゃに混ぜちゃうの? 」

ヴァンが不思議そうにのぞいた。

「そう、もうこれくらいで食べられるぞ。

いいか、これをこのへらでこうやって、

うまくはがして食べるの。

このおこげが美味しいんだよ~」

牧野がお手本を見せるようにして、

はがしを口に入れた。

「へえ~」

驚く三人の横で、

「わらわも食べたい~」

「こんも~」

「僕も~」

チビ達が牧野を見る。

「はいはい。食べたかったら、

座ってください」

シェデムが言い、

チビ達を座らせた。

「牧野君が焼いたのは明太チーズだから………

少し味を薄めにして、

豚肉にしようか」

向井はそういうともう一つのホットプレートに、

具材を入れて作り始めた。

「これだけの人数だからね~

調理場からありったけの材料持ってきたから、

セーズが怒ってるかもね」

ディッセも笑うとはがしで食べ始めた。

「美味しい~」

エハも恐る恐る口に入れると、

笑顔になった。

大人達が食べているのを見て、

「まだ~? 」

「もう出来るわよ」

トリアもチビを見て笑った。

「はい、出来ました」

向井はそういうと、

チビ達のお皿にそれぞれ乗せた。

「熱いからフーフーしてね」

早紀が言うと、

「美味じゃ」

呉葉が笑い、こんと三鬼も美味しそうに食べ始めた。

「じゃあ、俺達も食べちゃいましょう。

具材は後、カレーと焼きそばがありますから、

好きなのを焼いてください」

向井が言う前にすでに、

みんな次のもんじゃを焼いて食べていた。

「楽しいね」

安達も向井の横に来て笑うと、

一緒に食べ始めた。

「こういうのって久しぶりだな~」

黒谷が言った。

「親が生きてた子供の頃は、

こうやって食べた記憶はあるんだけど、

施設出されて、生きるのに必死だったからな」

「じゃあ、今は幸せだね。俺と一緒」

安達が笑顔で黒谷を見た。

「そうだな。高田さんと知り合って、

時々ご飯を食べたり、飲んだり、

困ったときはお世話になってさ。

高田さんと出会ってなかったら、

向井さんとも出会ってないだろ? 」

黒谷が笑って向井を見た。

「向井さんがいなかったら、

坂下君とも知り合えなかったし、

シェデムさんやディッセさんと、

仕事をすることもなくてさ。

俺にとって向井さんは救世主なんだよ」

「そういったら、冥界もそうだよ。

こうやってみんなで楽しい事するようになったのも、

向井さん達が冥界に来てからだもん。

今から二年? 三年前? その時に、

向井さん、新田君、牧野君、安達君が来て、

色んなことをするようになったんだよ」

ヴァンが黒谷を見て話した。

「確かにそれまでは仕事だけで、

何もやってなかったから、

今みたいに賑やかな感じはなかったもんな」

ディッセが向井を見た。

「だったら、牧野君と安達君のお陰ですね。

二人がいると明るくしてくれるでしょう。

そしてチビちゃんたちもね」

向井がフーフーしながら、

夢中になっているチビ達を見ながら笑った。

「これからもこうやって、

たまには冥王のお守りから解放されましょう」

「それいいね~」

向井の提案にアートンも頷くと、みんなで笑った。
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