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第十二部

冥界もクラフト展へ

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「でもね、民の力も侮れないわよ。

それは確か。

まあ、たった二百年しか生きてない私の言葉だけど、

ここにいる誰よりも説得力はあるでしょ」

そういってトリアは笑った。

「そうですね。

今はトリアさんの言葉を信じるとして、

今日は公園全体に結界をはったので、

負の強い人間は近づけないと思いますよ」

向井がそう言ったところで、

チビ達が戻ってきた。

「やっと来た~」

呉葉が一番に駆け寄ってくると抱きついた。

「おねだりですか? 」

「可愛いシールが欲しい」

「シール? 」

向井が聞くと、

「今ね、この子達シールにハマってるのよ。

冥界中のあちこちにシールを貼って、

室長にも怒られたのよ」

弥生が笑いながら言うと、

「チビ達にシールノートを作って、

首に下げさせてるの」

とノートを指さした。

「見る? 」

こんはそういうと、ノートを開いた。

「ペンギンでしょ。クマでしょ。ウサギでしょ」

見るとぷっくらしたものから、

3Dのキャラクター迄、

色んなシールが貼られていた。

「いっぱい集めてますね」

向井も驚くと笑顔になった。

「そういえば俺も子供の頃に、

自動車や飛行機のシールを、

机やタンスに貼って怒られた記憶があります」

「私もシール台紙に可愛いシールを集めて、

友達と交換したりしてたから、

チビ達が集めたがる気持ちは分かるのよ」

向井の話に弥生も笑った。

「そうなの? 」

トリア達が不思議そうに二人を見た。

「なんでだろうね。剥がして貼るのも、

楽しかったのかもしれませんね。

牧野君はどうでした? 」

三鬼の首から下がっている、

シールノートを見ている姿に向井が聞いた。

「俺? 俺はカードかな。

きらきら光るカードを集めてた。

じいちゃん先生のお手伝いをすると、

一つ買ってもらえるんで、

本堂の掃除をしたり、植木に水あげたりしてた」

牧野も思い出しながら笑った。

「カード? 」

三鬼が聞いた。

「そう。このくらいの大きさで、

このシールと同じきらきらしたやつなの」

牧野が指で空中に四角を書くと説明した。

「シール屋さんって参加されてるの? 」

エハが弥生の顔を見た。

「シールもあるけどマスキングやポストカード。

あと私が狙ってるのがリボン屋さん。

可愛いのがメーターで売られてるのよ」

弥生がそういって出店者一覧のSNSを見せた。

「ねっ? 」

「ほんとだ! 私もこのリボン欲しい」

トリアが画面を見ながら言った。

「トリアがリボン? 珍しい」

エハが笑った。

「失礼ね。私は今、真紀子さんに巾着習ってるのよ。

えっと、これ」

そういうとブースのテーブルから、

一つ持ってきて見せた。
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