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番外編 冥界の逆襲

衣装合わせ

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午後になると悪霊が増え始め、

それぞれが下界へと下りて行った。

コンテストまではチームで動くので、

向井達は安達がいるので衣装合わせの為、

冥界での待機組にシフトされた。

お昼を食べて、

チビ達は作家さん達に衣装直しと、

アクセサリーを作ってもらうと、

喜んで工房へと向かった。

「僕達のは松鬼がなおしてくれるってさ。

保管室に行こう」

アートンが言い、皆で衣装が仕舞われている部屋へ入った。

「佐久間さんのチームはSFらしくて、

小道具に雷が出る剣を持っていった」

「そんなのあるの? 」

弥生が驚いてアートンを振り返る。

「あるんだよ。昔に作った悪霊用のスタンガンみたいな剣がさ。

もう、誰も使ってなかったから忘れてたんだけど、

エナトが思い出して取られちゃった」

アートンが笑った。

「新田君達は忍者をやるらしいよ。

忍びの衣装と道具を持って移動してたから」

「へえ~」

弥生が頷いているとその横で、

「わぁ、衣装ってこんなにあったんだ」

安達が楽しそうに部屋の中に入ると声をあげた。

一部屋全てにショップの様に衣装がかけられ、

弥生も安達と話しながら選びはじめる。

「和装は隣の部屋に桐ダンスがあるけど、

今回はコスプレだからね」

アートンが言いながら、

「これなんか向井さんと千鬼に合うと思うんだよね」

とハンガーを持ってきて二人に見せた。

「ほら、昔の映画………何だっけ? 

あっ西部劇か。それにに出てた、

イーストウッドとかジェンマ? みたいでしょ」

向井と千鬼が苦笑いしながら、

鏡の前で衣装を合わせる。

「カッコイイ。保安官てこういうの着てたの? 」

安達がやってきて、鏡を見た。

「俺もよく分からないけど、

西部劇と言ったらこんな感じですよね」

向井が笑った。

「これなら直さなくても大丈夫かな」

千鬼も服を確認しながら話した。

「私はこれかな」

弥生がいくつかコーディネートしながら持ってくると、

鏡の前で洋服をあてた。

「めちゃくちゃ可愛い………」

安達が衣装を体に合わせる弥生を見て笑顔になった。

「そう? 」

弥生がテンガロンハットもかぶり安達を見た。

「どうせ結界張って周りには見えないから、

思い切って仮装しちゃおうかなと思って。

安達君もこれよ。これ」

そういって持ってきた衣装を安達に渡した。

「その額のリングにも合わせて、

ちょっと豪華なベストにして、

腰にガンベルト付けて………おっ、カッコいいじゃん」

弥生が安達の腰にホルスターを付けると、

親指をたてた。

「大きくなったわよね。とてもクールに見えるわよ。

鏡を見てごらん」

弥生はそういうと体の向きを変えた。

「ホントだ。男らしくなってきたね~」

アートンも腕組みすると、

驚くような笑顔で安達を見た。

「えっ? 男っぽくなった? 」

恥ずかしそうにそして嬉しそうに笑う安達に、

向井達も笑顔になった。

「俺達には弥生ちゃんがいるから、

黒谷君の票が入るかもな。ねぇ? 」

千鬼の言葉に向井達は声をたてて笑った。


向井達が保管室を出てくると、

ディオとセイが多目的ホールに歩いて行く姿が見えた。

「どんな特撮になるのかな? ちょっと楽しみだな」

千鬼がそんな話をしてると、

チビ達がフンフと冥王と一緒に食堂に入る姿があった。

「ん? そうか。もうおやつの時間ですね」

向井が廊下の時計を見て言った。

「ヘルプの連絡こないから、

今日はもう大丈夫かな? 

俺達も休憩しよう」

アートンもそういうと皆で食堂に向かった。

チビ達はキッズチェアーに座って、

優香が用意したホットケーキを食べていた。

「今日は豪華ですね」

向井がチビ達に声をかける。

「パパだ~」

クリームだらけの顔で笑う。

「向井さん達も食べる? 天上界の新しいフルーツ貰ったから、

ホットケーキでサンドしたの」

優香がカウンターから声をかけた。
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