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番外編 冥界の逆襲

張り切るコンテスト

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翌日より二週間。

それぞれが映像コンテストに向け、

鉢合わせしないよう区分けされての悪霊退治となった。

食堂で珈琲を飲みながら、

「このチームはいい人材が揃ってるから、

僕も監督として撮るの楽しみなんだよね」

アートンが言った。

「で、内容は決まったの? 」

弥生がクッキーをつまみながら聞く。

「それなんだけどさ。弥生ちゃんライフル得意だろ。

だから安達君とコンビで闘う戦隊ものにしようと思って」

「戦隊もの? 」

アートンの話に安達の顔が輝いた。

「そう。安達君の秘密兵器を、

コンテストで初めて披露させるの。

牧野君も驚くよ~」

嬉しそうに笑う安達の姿に、

向井達も笑顔になる。

「で、俺達は? 」

千鬼がクッキーを手にアートンを見た。

「戦隊ものだから四人で一つの必殺技も入れて、

向井さんと千鬼はガード役? 

背後で派手なアクションで動いて、

悪霊バンバンやっつけてもらいたいんだよ」

「派手にバンバンですか」

向井がハハハと小さく笑う。

「衣装はどうする? 」

「保管庫に西部劇の衣装があるだろ。

ハロウィンのコスプレ用。

向井さんと千鬼は保安官の衣装があるから、

それを少し手直しして、

弥生ちゃんと安達君はウェスタンスタイル。

このあと衣装合わせしよう。

弥生ちゃんはどうせなら魔法少女みたいに、

西部劇のミニスカートとブーツでライフルって、

可愛くてかっこいいしどう? 」

「ミニか~たまにはこの美脚を出しましょうか? 」

アートンの話に弥生はみんなの顔を見ながら笑った。

そんな話をしていると、

「随分余裕じゃん」

牧野が早紀達メンバーとテーブルに近づいてきた。

「もう、決まったの? 」

トリアが聞く。

「大方ね。そっちは監督は誰? 」

「私がやる事になった。

皆で撮影した動画を見たら、

私が一番まともに撮れてた」

早紀が笑いながらアートンを見た。

「なに? みんな動画は苦手? 」

千鬼が牧野達を見回した。

「動いてるのってムズいんだよ。

どっちにしたって、俺は勇者だから監督やんないし」

牧野はそういうと、クッキーを見つけ一枚手に取った。

「あんたに監督は期待してないからいいんだけど。

せっかく鬼雪君がいるから、

トリアさんとコンビで可愛いハンターと、

牧野とディッセさんの凸凹コンビで作ってもいいかなと思ってさ」

早紀も笑うと椅子に座った。

「ちょっとそれは面白そうですね」

向井も期待するように言った。

「あっそうだ。

多目的小ホールは少しの間は使えないからね」

「あぁ、チビ達が撮影するからですよね」

トリアが思い出したように言うのをみて、

向井も頷いた。

「あいつらは特撮だよ。

絶対負けらんねぇ」

牧野はそういうと、

「皆も珈琲飲むだろ? 」

とカウンターの方に走って行った。

その後姿に、

「チビ相手に大人気ないだろ? 」

ディッセが笑う。

「チビというより冥王に負けるのが嫌なんでしょうね」

「あぁ~そうか」

向井の話に鬼雪も納得したように頷き、

トリア達も笑った。
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