178 / 336
番外編 騒ぐ下界
休憩室は老人会?
しおりを挟む
冥界に戻ると、
「お帰りなさい」
セイが死神課から出てきた。
「チビ達はお昼寝してるよ。
さっき迄、おもちゃで遊んでたんだけどね」
「そうなんだ。おやつ買ってきたよ」
ティンが袋を持ち上げた。
「あっ、これブラウニー?
この前、牧野君達が食べたいって騒いでたもんね」
「そうよ。おやつにしよう」
トリアも言うと、奥からアンとフェムトンも出てきて、
皆で休憩室に向かった。
「お帰り~」
狭間が振り返ると声をかけた。
「あれ? これだけ? 」
ティンが室内を見て驚きの表情になった。
チビ達は奥のキッズスペースで、
気持ちよさそうに寝ている。
「なんか……老人会ね」
トリアが冥王、毘沙門天、源じい、究鬼、狭間を見回し笑った。
冥王達の顔が唖然となる。
「これ買ってきたんだ。オヤジ達も食べんだろ? 」
牧野の楽しそうな声に我に返ると、
冥王達がお菓子の袋を見た。
「せっかくだからアップルティーでも入れますか」
向井も笑うと、
キッチンに歩いて行った。
「老人会……ショックです」
冥王がお菓子を見つめながら言う様子に、
「私は生きていた頃は、老人会に参加してましたよ」
源じいが笑いながら話した。
「ねえ、老人会って何するの? 」
セイがソファーに座ると聞いた。
「老人が集まって趣味に興じたり、
社会奉仕したり、色んな活動をするクラブですね」
源じいが説明した。
「私は読書が趣味でしょう。
家や図書館でゆっくり好きな本を読みたいので、
たまに参加してましたね」
「へえ~」
ヴァンも不思議そうに聞いていた。
「じいちゃん先生も、
老人会でカラオケの日は参加してたよ」
牧野も言いながらお菓子を袋から出して並べた。
「人間とは面白い生き物ですね」
毘沙門天も笑うと、ブラウニーを手に取った。
「これはどれが美味しいんですか? 」
冥王が聞く。
「分かんねえよ。初めてのお店だもん。
でも、どれもお店で人気の味なんだって」
「ほ~」
究鬼も不思議そうに眺める。
向井はチビ達の分だけ、
ブラウニーを分けてカウンターに置くと、
トリアとアップルティーを持ってテーブルに来た。
「そういえば赤姫さんもいると聞きましたけど」
向井が冥王を見ると、
「真紀子さんと早紀ちゃんと工房に行きましたよ」
と言った。
「工房? 何しに行ったの? 」
トリアの言葉に冥王がふふふと意味ありげに笑った。
「なんですか? 」
向井も呆れたような顔つきで冥王を見た。
「これですよ。これ」
冥王が自分のカードデコを見せると、
「この前イベントに行った時に、
プリントシールを撮ったとかで、
自分もカードデコをしてシールを入れたいそうです。
私のを見て感心してました」
と自慢げに話した。
「なに? シールなんて撮ったの? 」
アートンが聞くと、
「楽しかったですよ。牧野君に言われて、
ちびちゃん達も一緒に、
何枚も撮ったんですよ.
私も一枚頂いたので、部屋に飾ってます」
毘沙門天が紅茶を飲みながら言った。
「皆さんも見てみます? 」
向井はそういうとキッズルームに歩いて行った。
おもちゃ入れのキャビネットの引き出しから、
シールを取り出すと戻ってきた。
「可愛く撮れてますね」
冥王が言う横で、
源じいも笑顔でシールを見る。
「懐かしいですね~」
「えっ? 源じいも撮ったことあるの? 」
牧野が驚く顔になった。
「撮りましたよ。私にだって若い頃はあったんですから」
「あっ……そうだよね」
牧野の声に向井達が笑った。
「私の時にはみんな、
美人にしたり、カッコよくしたり、
写真を加工して当時は携帯か……
それに貼ったりしてましたよ」
「へえ~」
ヴァンも昔話に頷きながら、
「向井さんや牧野君も撮ったの? 」
と聞いた。
「撮りましたよ。
俺の時にもレトロブームがあって、
生まれる前の2020年位からの流行が再燃してましたね。
プリントシールもそうですけど、
キーホルダーになった手のひらサイズのカメラが人気で、
牧野君は知らないかな? 」
「えっと、四角い小さい奴? 」
牧野が空中に指で形を描きながら、
向井を振り返った。
「お帰りなさい」
セイが死神課から出てきた。
「チビ達はお昼寝してるよ。
さっき迄、おもちゃで遊んでたんだけどね」
「そうなんだ。おやつ買ってきたよ」
ティンが袋を持ち上げた。
「あっ、これブラウニー?
この前、牧野君達が食べたいって騒いでたもんね」
「そうよ。おやつにしよう」
トリアも言うと、奥からアンとフェムトンも出てきて、
皆で休憩室に向かった。
「お帰り~」
狭間が振り返ると声をかけた。
「あれ? これだけ? 」
ティンが室内を見て驚きの表情になった。
チビ達は奥のキッズスペースで、
気持ちよさそうに寝ている。
「なんか……老人会ね」
トリアが冥王、毘沙門天、源じい、究鬼、狭間を見回し笑った。
冥王達の顔が唖然となる。
「これ買ってきたんだ。オヤジ達も食べんだろ? 」
牧野の楽しそうな声に我に返ると、
冥王達がお菓子の袋を見た。
「せっかくだからアップルティーでも入れますか」
向井も笑うと、
キッチンに歩いて行った。
「老人会……ショックです」
冥王がお菓子を見つめながら言う様子に、
「私は生きていた頃は、老人会に参加してましたよ」
源じいが笑いながら話した。
「ねえ、老人会って何するの? 」
セイがソファーに座ると聞いた。
「老人が集まって趣味に興じたり、
社会奉仕したり、色んな活動をするクラブですね」
源じいが説明した。
「私は読書が趣味でしょう。
家や図書館でゆっくり好きな本を読みたいので、
たまに参加してましたね」
「へえ~」
ヴァンも不思議そうに聞いていた。
「じいちゃん先生も、
老人会でカラオケの日は参加してたよ」
牧野も言いながらお菓子を袋から出して並べた。
「人間とは面白い生き物ですね」
毘沙門天も笑うと、ブラウニーを手に取った。
「これはどれが美味しいんですか? 」
冥王が聞く。
「分かんねえよ。初めてのお店だもん。
でも、どれもお店で人気の味なんだって」
「ほ~」
究鬼も不思議そうに眺める。
向井はチビ達の分だけ、
ブラウニーを分けてカウンターに置くと、
トリアとアップルティーを持ってテーブルに来た。
「そういえば赤姫さんもいると聞きましたけど」
向井が冥王を見ると、
「真紀子さんと早紀ちゃんと工房に行きましたよ」
と言った。
「工房? 何しに行ったの? 」
トリアの言葉に冥王がふふふと意味ありげに笑った。
「なんですか? 」
向井も呆れたような顔つきで冥王を見た。
「これですよ。これ」
冥王が自分のカードデコを見せると、
「この前イベントに行った時に、
プリントシールを撮ったとかで、
自分もカードデコをしてシールを入れたいそうです。
私のを見て感心してました」
と自慢げに話した。
「なに? シールなんて撮ったの? 」
アートンが聞くと、
「楽しかったですよ。牧野君に言われて、
ちびちゃん達も一緒に、
何枚も撮ったんですよ.
私も一枚頂いたので、部屋に飾ってます」
毘沙門天が紅茶を飲みながら言った。
「皆さんも見てみます? 」
向井はそういうとキッズルームに歩いて行った。
おもちゃ入れのキャビネットの引き出しから、
シールを取り出すと戻ってきた。
「可愛く撮れてますね」
冥王が言う横で、
源じいも笑顔でシールを見る。
「懐かしいですね~」
「えっ? 源じいも撮ったことあるの? 」
牧野が驚く顔になった。
「撮りましたよ。私にだって若い頃はあったんですから」
「あっ……そうだよね」
牧野の声に向井達が笑った。
「私の時にはみんな、
美人にしたり、カッコよくしたり、
写真を加工して当時は携帯か……
それに貼ったりしてましたよ」
「へえ~」
ヴァンも昔話に頷きながら、
「向井さんや牧野君も撮ったの? 」
と聞いた。
「撮りましたよ。
俺の時にもレトロブームがあって、
生まれる前の2020年位からの流行が再燃してましたね。
プリントシールもそうですけど、
キーホルダーになった手のひらサイズのカメラが人気で、
牧野君は知らないかな? 」
「えっと、四角い小さい奴? 」
牧野が空中に指で形を描きながら、
向井を振り返った。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
独り日和 ―春夏秋冬―
八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。
彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。
仕事を探す四十代女性。
子供を一人で育てている未亡人。
元ヤクザ。
冬とひょんなことでの出会いから、
繋がる物語です。
春夏秋冬。
数ヶ月の出会いが一生の家族になる。
そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。
*この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
我が家の家庭内順位は姫、犬、おっさんの順の様だがおかしい俺は家主だぞそんなの絶対に認めないからそんな目で俺を見るな
ミドリ
キャラ文芸
【奨励賞受賞作品です】
少し昔の下北沢を舞台に繰り広げられるおっさんが妖の闘争に巻き込まれる現代ファンタジー。
次々と増える居候におっさんの財布はいつまで耐えられるのか。
姫様に喋る犬、白蛇にイケメンまで来てしまって部屋はもうぎゅうぎゅう。
笑いあり涙ありのほのぼの時折ドキドキ溺愛ストーリー。ただのおっさん、三種の神器を手にバトルだって体に鞭打って頑張ります。
なろう・ノベプラ・カクヨムにて掲載中
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
すこやか食堂のゆかいな人々
山いい奈
ライト文芸
貧血体質で悩まされている、常盤みのり。
母親が栄養学の本を読みながらごはんを作ってくれているのを見て、みのりも興味を持った。
心を癒し、食べるもので健康になれる様な食堂を開きたい。それがみのりの目標になっていた。
短大で栄養学を学び、専門学校でお料理を学び、体調を見ながら日本料理店でのアルバイトに励み、お料理教室で技を鍛えて来た。
そしてみのりは、両親や幼なじみ、お料理教室の先生、テナントビルのオーナーの力を借りて、すこやか食堂をオープンする。
一癖も二癖もある周りの人々やお客さまに囲まれて、みのりは奮闘する。
やがて、それはみのりの家族の問題に繋がっていく。
じんわりと、だがほっこりと心暖まる物語。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる