132 / 226
番外編 龍神向井
賑やかな食卓
しおりを挟む
「じいじ~」
「いない~」
呉葉と三鬼が起き上がって、
キョロキョロとあたりを見回した。
「じいじはここにいるよ。
目、覚めたか? 」
アートンは笑うと、
早紀と一緒にキッズルームに歩いて行った。
「おトイレは? 」
「いく」
こんが目をこすりながら言うと、
立ち上がるチビを連れて二人が部屋を出て行く。
それと入れ替わりで、
今度は虎獅狼達が休憩室に入ってきた。
「あら、珍しい。今日は犬の姿? 」
洋服を着たまま犬になっている虎獅狼に、
真紀子が声をかけた。
「たまには本来の姿に戻らんと、
忘れてしまうからな」
虎獅狼は笑うと、
人間の姿に戻った。
「夕食はここで食べると向井に言われたぞ」
クロが聞くと、
「今日は黒谷君からのお惣菜があるので、
ここで食べましょうということになったの。
虎獅狼達も紅茶飲む? 」
「悪いわね」
千乃もソファーに座ると弥生を見た。
「夕飯前だけど、シュークリームもあるからどうぞ」
弥生が箱を差し出すのをハクとクロウがじっと見る。
「君達はダメ。もう食べたでしょ。
お夕飯食べられなくなるからね。
あっ、そうだ。ジュース飲む? 」
抱っこしていたティンが下すと、
冷蔵庫まで連れて行った。
「ボク、リンゴ」
ハクが手を伸ばす。
「クロウはどうする? 」
「ブドウ」
「じゃあ、向こうで飲もう」
ティンが二人と一緒にテーブルに行くと、
キッズチェアーに座らせ、
ジュースを渡した。
「もうここって、保育所ね」
真紀子が嬉しそうに飲むチビを見て微笑んだ。
「ガキが五人もいりゃ、そうだろ」
牧野の言葉に、みんなの視線が集まった。
「なんだよ。俺はチビとは違うぞ」
皆の笑い声を聞きながら、
「はい、紅茶をどうぞ」
弥生がカップを運んできた。
「すまんな」
虎獅狼達が飲み始めると、
「なにのんでるの~」
こんの声が聞こえてきた。
「もう一組がトイレから戻ってきた」
坂下は笑うと、
「ジュース飲む? 」
と声をかけた。
「のむ~」
三人が走ってきたので、
「何がいい? 」
と聞く。
「わらわはモモ~」
「ボク、いちごミルク」
「こんは………バナナ」
坂下はそれぞれ冷蔵庫から出すと、
三人を連れてキッズチェアーに座らせた。
「おなかすいたぞ」
呉葉がジュースを飲みながら言っていると、
配膳ロボットと一緒に向井達がやってきた。
「お夕飯が出来ましたよ」
「ほら、ご飯だってよかったじゃない」
早紀がワゴンを引くセーズ達を見た。
「これだけ人数がいると、
ちょっとの量じゃ足りないから大変ですよね」
どこからともなくやってくる者達を見ながら、
向井もテーブルを拭くと、
大皿を次々と置いていった。
「今日は何~? 」
牧野も楽しそうに皿を並べる。
「一口サイズのチキンチーズカツは、
ライスコロッケとおむすび。
照り焼きチキンはサンドイッチと炒飯。
サラダチキンはチーズとトマトのサラダとパスタ。
あと、あぶり焼きチキンのバーガーと、
チキンと野菜のスープもあるから。
欲しい人はカウンターに取りに来てください」
「はぁ~疲れた」
セーズとドセが大きくため息をつく。
「ご苦労様でした」
向井がスツールに腰かける二人に、
ビールジョッキを持ってくると手渡した。
「どうぞ。咽乾いたでしょう」
「あ~嬉しい。有難う」
「冷たい~」
セーズとドセがキッチンで飲んでいると、
他の者達もビールサーバーめがけてやってきた。
「いない~」
呉葉と三鬼が起き上がって、
キョロキョロとあたりを見回した。
「じいじはここにいるよ。
目、覚めたか? 」
アートンは笑うと、
早紀と一緒にキッズルームに歩いて行った。
「おトイレは? 」
「いく」
こんが目をこすりながら言うと、
立ち上がるチビを連れて二人が部屋を出て行く。
それと入れ替わりで、
今度は虎獅狼達が休憩室に入ってきた。
「あら、珍しい。今日は犬の姿? 」
洋服を着たまま犬になっている虎獅狼に、
真紀子が声をかけた。
「たまには本来の姿に戻らんと、
忘れてしまうからな」
虎獅狼は笑うと、
人間の姿に戻った。
「夕食はここで食べると向井に言われたぞ」
クロが聞くと、
「今日は黒谷君からのお惣菜があるので、
ここで食べましょうということになったの。
虎獅狼達も紅茶飲む? 」
「悪いわね」
千乃もソファーに座ると弥生を見た。
「夕飯前だけど、シュークリームもあるからどうぞ」
弥生が箱を差し出すのをハクとクロウがじっと見る。
「君達はダメ。もう食べたでしょ。
お夕飯食べられなくなるからね。
あっ、そうだ。ジュース飲む? 」
抱っこしていたティンが下すと、
冷蔵庫まで連れて行った。
「ボク、リンゴ」
ハクが手を伸ばす。
「クロウはどうする? 」
「ブドウ」
「じゃあ、向こうで飲もう」
ティンが二人と一緒にテーブルに行くと、
キッズチェアーに座らせ、
ジュースを渡した。
「もうここって、保育所ね」
真紀子が嬉しそうに飲むチビを見て微笑んだ。
「ガキが五人もいりゃ、そうだろ」
牧野の言葉に、みんなの視線が集まった。
「なんだよ。俺はチビとは違うぞ」
皆の笑い声を聞きながら、
「はい、紅茶をどうぞ」
弥生がカップを運んできた。
「すまんな」
虎獅狼達が飲み始めると、
「なにのんでるの~」
こんの声が聞こえてきた。
「もう一組がトイレから戻ってきた」
坂下は笑うと、
「ジュース飲む? 」
と声をかけた。
「のむ~」
三人が走ってきたので、
「何がいい? 」
と聞く。
「わらわはモモ~」
「ボク、いちごミルク」
「こんは………バナナ」
坂下はそれぞれ冷蔵庫から出すと、
三人を連れてキッズチェアーに座らせた。
「おなかすいたぞ」
呉葉がジュースを飲みながら言っていると、
配膳ロボットと一緒に向井達がやってきた。
「お夕飯が出来ましたよ」
「ほら、ご飯だってよかったじゃない」
早紀がワゴンを引くセーズ達を見た。
「これだけ人数がいると、
ちょっとの量じゃ足りないから大変ですよね」
どこからともなくやってくる者達を見ながら、
向井もテーブルを拭くと、
大皿を次々と置いていった。
「今日は何~? 」
牧野も楽しそうに皿を並べる。
「一口サイズのチキンチーズカツは、
ライスコロッケとおむすび。
照り焼きチキンはサンドイッチと炒飯。
サラダチキンはチーズとトマトのサラダとパスタ。
あと、あぶり焼きチキンのバーガーと、
チキンと野菜のスープもあるから。
欲しい人はカウンターに取りに来てください」
「はぁ~疲れた」
セーズとドセが大きくため息をつく。
「ご苦労様でした」
向井がスツールに腰かける二人に、
ビールジョッキを持ってくると手渡した。
「どうぞ。咽乾いたでしょう」
「あ~嬉しい。有難う」
「冷たい~」
セーズとドセがキッチンで飲んでいると、
他の者達もビールサーバーめがけてやってきた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
独り日和 ―春夏秋冬―
八雲翔
ライト文芸
主人公は櫻野冬という老女。
彼を取り巻く人と犬と猫の日常を書いたストーリーです。
仕事を探す四十代女性。
子供を一人で育てている未亡人。
元ヤクザ。
冬とひょんなことでの出会いから、
繋がる物語です。
春夏秋冬。
数ヶ月の出会いが一生の家族になる。
そんな冬と彼女を取り巻く人たちを見守ってください。
*この物語はフィクションです。
実在の人物や団体、地名などとは一切関係ありません。
八雲翔
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
やさしいキスの見つけ方
神室さち
恋愛
諸々の事情から、天涯孤独の高校一年生、完璧な優等生である渡辺夏清(わたなべかすみ)は日々の糧を得るために年齢を偽って某所風俗店でバイトをしながら暮らしていた。
そこへ、現れたのは、天敵に近い存在の数学教師にしてクラス担任、井名里礼良(いなりあきら)。
辞めろ辞めないの押し問答の末に、井名里が持ち出した賭けとは?果たして夏清は平穏な日常を取り戻すことができるのか!?
何て言ってても、どこかにある幸せの結末を求めて突っ走ります。
こちらは2001年初出の自サイトに掲載していた小説です。完結済み。サイト閉鎖に伴い移行。若干の加筆修正は入りますがほぼそのままにしようと思っています。20年近く前に書いた作品なのでいろいろ文明の利器が古かったり常識が若干、今と異なったりしています。
20年くらい前の女子高生はこんな感じだったのかー くらいの視点で見ていただければ幸いです。今はこんなの通用しない! と思われる点も多々あるとは思いますが、大筋の変更はしない予定です。
フィクションなので。
多少不愉快な表現等ありますが、ネタバレになる事前の注意は行いません。この表現ついていけない…と思ったらそっとタグを閉じていただけると幸いです。
当時、だいぶ未来の話として書いていた部分がすでに現代なんで…そのあたりはもしかしたら現代に即した感じになるかもしれない。
サンタの村に招かれて勇気をもらうお話
Akitoです。
ライト文芸
「どうすれば友達ができるでしょうか……?」
12月23日の放課後、日直として学級日誌を書いていた山梨あかりはサンタへの切なる願いを無意識に日誌へ書きとめてしまう。
直後、チャイムの音が鳴り、我に返ったあかりは急いで日誌を書き直し日直の役目を終える。
日誌を提出して自宅へと帰ったあかりは、ベッドの上にプレゼントの箱が置かれていることに気がついて……。
◇◇◇
友達のいない寂しい学生生活を送る女子高生の山梨あかりが、クリスマスの日にサンタクロースの村に招待され、勇気を受け取る物語です。
クリスマスの暇つぶしにでもどうぞ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
〈社会人百合〉アキとハル
みなはらつかさ
恋愛
女の子拾いました――。
ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?
主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。
しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……?
絵:Novel AI
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる