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番外編 冥界

悪霊退治を終えて

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向井達が冥界に戻ると、

休憩室から賑やかな声が聞こえてきた。

「牧野君だね」

エハが笑うと、

「もう、みんな戻ってきてますよ」

セイが出てきて言った。

「魔境なのに、簡単に除去できたの? 」

トリアが驚く。

「なんかね~ハイパー弥生に変身したって、

エナト達が話してたよ」

「そうなんですか? 」

向井も驚くと笑った。

「それは面白い話がきけそう」

新田もトリアと顔を見合わせ笑った。

「佐久間さん達が北支部で、

高級肉と野菜を大量にもらったんだって。

向井さん達が帰ってきたら、

焼き肉にするって用意してるよ」

セイも楽しそうに話すと、

「美味しいお肉いいね~

食べよ食べよ」

ディッセも笑顔になると、

皆で休憩室に向かった。


休憩室に入ると、

「お帰り~」

皆で鞠突きをしている姿が飛び込んできた。

見ると端のフロアでチビ達がついている。

「鞠なんて珍しい~どうしたの? 」

トリアが言うと、

「真紀子さん達が買ってきたんですよ」

冥王がわらべ歌を歌いながら、

鞠をつく様子を見ながら言った。

「今日は商店街でのお仕事だったのよ。

そこにね、鞠工房さんがあって、

綺麗な手毬を見つけたの」

そういって真紀子が手のひらサイズの、

工芸品の鞠の飾り物を見せてくれた。

「可愛い~」

エハとトリアがじっと見つめた。

「一つ一つ手作りなんですって。

で、休憩室に飾ろうと思って買ったの。

その時に作家さんが、

最近の子は鞠突きしないからって、

子供が遊ぶための天然ゴムの鞠を、

置くようになったら、

これが売れるんですって。

だから買ってきた」

真紀子が夢中になって遊ぶ、

チビ達を見て笑顔になった。

「鞠をつくのはこんと三鬼が得意みたいですね」

向井も呉葉が苦労する姿に笑いながら見た。


「もっと優しく突かなきゃ」

アンが言うと、

「やさしくすると、

ボールがつけない! 」

呉葉の苛立つ様子に大人達が苦笑する。

「遊びは得意なはずなんだけど、

鞠突きは難しいみたい」

早紀もやってくると笑った。

「それでも大分進歩してますね。

前だったら癇癪おこして、

途中で止めてたでしょ」

向井が一生懸命な呉葉に驚きながら眺めていた。

「まぁ、ハクがいるからさ。

お姉ちゃんでいたいから、

忍耐力を付けてる途中なんだよ」

オクトも笑いながら近づいてきた。

「いい事じゃん。

で、ハクは突けてるの? 」

カトルセが聞く。

「突くのは無理だけど、

両手で下に落として、

一回転してボールを受け取れるんだよ」

「えっ? そのほうが凄くない? 」

「凄いよ。だから他の三人は、

それも練習してんの」

オクトが笑いながらトリアを見た。

「呉葉と牧野は似てるよね。

ボール相手にも力いっぱいだから、

体力に振り回されてる? 」

トリアが言い、皆で笑った。

その声に気が付いたのだろう。

チビ達が向井を見て走ってきた。
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