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番外編 西支部
見守る時間
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そんな向井の姿を見て、
「向井君は絵は下手ですけど、
シーリングスタンプはセンスがいいですね」
冥王が言った。
「冥王に言われたくないですね」
向井がチラッと見ながら睨んだ。
「青田さんと森村さんは控えめな感じで、
色彩も柔らかくて可愛らしいですね」
向井が褒めると二人は嬉しそうに笑った。
「私達はギャラリーに飾ってもらおうと思って、
絵画みたいに作ったら、
中にいれた写真が少し目立たなくなっちゃいました」
「でも綺麗~」
シェデムも青田に貰ったプラパンのお花を並べて、
見比べて言った。
「これってセンスよね」
「シェデムのもきらきらして可愛いよ」
「そう? 」
安達と話しながらシェデムはパーツを選んだ。
早紀とゼスは今日買ってきた、
デコパーツ福袋を広げて楽しそうだ。
「こんなに入ってるんだ。
クッキー、お花、風船? ストーンもある」
ゼスが手に取って笑顔で並べていた。
「デコって面白いでしょう? 」
「なんだか、幼稚園のカリキュラムみたいです。
チビ達が夢中になるのが分かりますね。
大人も夢中だ」
村本に声をかけられ、
向井はみんなの姿を見ながら笑顔になった。
向井達が休憩室に戻ると、
図書室のハンモックでお昼寝していた虎獅狼達も、
楽しそうにケーキの箱を見ていた。
チビ達も目が覚めたようで、
騒いでいる。
「あっ、戻ってきた~
ケーキカットしたから、
食べ比べしたい人は早めにね」
トリアが言い、
弥生とアン、真紀子は紅茶を用意していた。
虎獅狼達がいるのでミルクティーにしたようだ。
チビ達もマシュマロを乗せてもらい、
嬉しそうに飲んでいる。
「俺は四種食べ比べするぞ! 」
牧野がソファーに飛び乗った。
「ぼんは元気だね~」
源じいが笑った。
「私もこれは食べ損ねているので、
食べ比べしますよ」
冥王も足早にやってくるとソファーに座った。
「まだある~? 」
おやつの時間なので、
大工衆や研究室からも鬼が流れてきた。
「今ならまだ選べるよ」
新田が言うのを聞いて、
慌てて部屋に入ってきた。
向井が空いている席に着くと、
「下界もこの景色を常に手本とすれば、
負に覆われることも少ないんでしょうね」
横に座る源じいがホッホッと笑った。
人が生きていれば避けられない死。
善人も悪人もこれだけは等しく訪れる。
ここにいるものだって不死身ではない。
それでも自分達の存在意義の中で、
見返りなどないのに、
この国を見守り、
悪霊と戦い、人間を守る為に努力している。
だからこそ、こんなささやかな時間を、
向井は守りたいと思っていた。
自分も生きている時、
こうやって守られていたんだと思うと、
人は常に感謝する気持ちを忘れてはいけないのだと、
死んで痛感した。
人を殺すのも人なら、国を殺すのもまた人。
これからもゴースト人間として、
悪霊退治をしようではないか。
この行く末を見守る時間は、
俺にはまだあるのだから。
向井は室内を見回し笑顔になった。
「向井君は絵は下手ですけど、
シーリングスタンプはセンスがいいですね」
冥王が言った。
「冥王に言われたくないですね」
向井がチラッと見ながら睨んだ。
「青田さんと森村さんは控えめな感じで、
色彩も柔らかくて可愛らしいですね」
向井が褒めると二人は嬉しそうに笑った。
「私達はギャラリーに飾ってもらおうと思って、
絵画みたいに作ったら、
中にいれた写真が少し目立たなくなっちゃいました」
「でも綺麗~」
シェデムも青田に貰ったプラパンのお花を並べて、
見比べて言った。
「これってセンスよね」
「シェデムのもきらきらして可愛いよ」
「そう? 」
安達と話しながらシェデムはパーツを選んだ。
早紀とゼスは今日買ってきた、
デコパーツ福袋を広げて楽しそうだ。
「こんなに入ってるんだ。
クッキー、お花、風船? ストーンもある」
ゼスが手に取って笑顔で並べていた。
「デコって面白いでしょう? 」
「なんだか、幼稚園のカリキュラムみたいです。
チビ達が夢中になるのが分かりますね。
大人も夢中だ」
村本に声をかけられ、
向井はみんなの姿を見ながら笑顔になった。
向井達が休憩室に戻ると、
図書室のハンモックでお昼寝していた虎獅狼達も、
楽しそうにケーキの箱を見ていた。
チビ達も目が覚めたようで、
騒いでいる。
「あっ、戻ってきた~
ケーキカットしたから、
食べ比べしたい人は早めにね」
トリアが言い、
弥生とアン、真紀子は紅茶を用意していた。
虎獅狼達がいるのでミルクティーにしたようだ。
チビ達もマシュマロを乗せてもらい、
嬉しそうに飲んでいる。
「俺は四種食べ比べするぞ! 」
牧野がソファーに飛び乗った。
「ぼんは元気だね~」
源じいが笑った。
「私もこれは食べ損ねているので、
食べ比べしますよ」
冥王も足早にやってくるとソファーに座った。
「まだある~? 」
おやつの時間なので、
大工衆や研究室からも鬼が流れてきた。
「今ならまだ選べるよ」
新田が言うのを聞いて、
慌てて部屋に入ってきた。
向井が空いている席に着くと、
「下界もこの景色を常に手本とすれば、
負に覆われることも少ないんでしょうね」
横に座る源じいがホッホッと笑った。
人が生きていれば避けられない死。
善人も悪人もこれだけは等しく訪れる。
ここにいるものだって不死身ではない。
それでも自分達の存在意義の中で、
見返りなどないのに、
この国を見守り、
悪霊と戦い、人間を守る為に努力している。
だからこそ、こんなささやかな時間を、
向井は守りたいと思っていた。
自分も生きている時、
こうやって守られていたんだと思うと、
人は常に感謝する気持ちを忘れてはいけないのだと、
死んで痛感した。
人を殺すのも人なら、国を殺すのもまた人。
これからもゴースト人間として、
悪霊退治をしようではないか。
この行く末を見守る時間は、
俺にはまだあるのだから。
向井は室内を見回し笑顔になった。
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