69 / 253
番外編 西支部
シーリングスタンプのご褒美
しおりを挟む
「そういえば………
こんが大嫌いな人参が食べられるようになって、
パパからもらったって見せに来てた」
河原も思い出すように笑った。
「なるほど。そうやって克服させてたんですね」
冥王が頷いた。
「このくらいのご褒美で克服できるなら、
大した苦手ではないんですよ」
向井も笑った。
「でも、このクリームソーダ―とか、
コーヒーフロートってどうやって作ったの? 」
シェデムが手に取って眺めた。
シーリングスタンプからはみ出るように、
クリームソーダ―が乗って、
クリームもストローも付いている。
「このアイデア面白いですよね」
葛城は笑顔になると向井を見た。
「これはシーリングスタンプの上に、
ワイヤーでグラス作って、
中身はシーリングワックスです。
で、クリームはホイップデコを乗せました」
「これ欲しい~デコに貼りたい」
安達が向井を見上げおねだりした。
「どうしようかな~」
安達のしょんぼりする顔に向井は笑うと、
「好きなのをどうぞ」
「え~私も欲しい」
早紀達も向井を見て言うので、
「こんなものでよければいいですよ」
と笑ってケースを渡した。
「シーリングスタンプって楽しいですよね。
本来の目的とは違いますけど」
向井は真剣に選ぶみんなの姿に、
葛城と笑った。
次の日、
下界では昨日の事でまだ騒ぎは収まっていなかった。
恐らく海外でトピックとしてあがったのも、
理由かもしれない。
悪霊は昨夜退治しただけあって、
そこまで膨れ上がっていなかったので、
向井達はデコパーツ専門店へと出かけて行った。
出掛けに河原たち派遣霊からも、
幾つか欲しいというデコパーツを頼まれ、
冥王もあれやこれやと騒いでいた。
「随分頼まれたね」
新田がタブレットを見ながら笑った。
仕事がなかったのでティンも加わり、
チビはみんなでお出かけ~と喜んで歩いていた。
黄色の捨て地は商店街が充実していて、
その先にデコパーツ屋さんがあった。
「コロッケ~」
ハクが向井の顔を見上げて言った。
「あっ」
トリア達もまずいという顔で笑った。
「なんじゃ? 」
呉葉がお店を見る。
「おいしいの~」
ハクがニコニコして話す。
「こんしらない」
「ハクだけずるい」
チビ達がぶーぶー言い出した。
「子供に内緒は難しいですね」
向井が笑っていると、
「どういう事? 」
弥生も不思議そうに振り返った。
「実はね………」
早紀がハクのお泊りセットを買いに行った時のことを話した。
「あぁ~なるほど。
じゃあ、帰りに買って帰ろうか」
アンが笑いながらお店を見た。
「この先にはおこわ専門店があるし、
デコパーツ屋さんの帰りに、
コロッケと一緒に買っていこう」
トリアはチビ達を見ながら言った。
「やくそく
むくれる呉葉に笑うと、
「約束ね」
と歩き出した。
こんが大嫌いな人参が食べられるようになって、
パパからもらったって見せに来てた」
河原も思い出すように笑った。
「なるほど。そうやって克服させてたんですね」
冥王が頷いた。
「このくらいのご褒美で克服できるなら、
大した苦手ではないんですよ」
向井も笑った。
「でも、このクリームソーダ―とか、
コーヒーフロートってどうやって作ったの? 」
シェデムが手に取って眺めた。
シーリングスタンプからはみ出るように、
クリームソーダ―が乗って、
クリームもストローも付いている。
「このアイデア面白いですよね」
葛城は笑顔になると向井を見た。
「これはシーリングスタンプの上に、
ワイヤーでグラス作って、
中身はシーリングワックスです。
で、クリームはホイップデコを乗せました」
「これ欲しい~デコに貼りたい」
安達が向井を見上げおねだりした。
「どうしようかな~」
安達のしょんぼりする顔に向井は笑うと、
「好きなのをどうぞ」
「え~私も欲しい」
早紀達も向井を見て言うので、
「こんなものでよければいいですよ」
と笑ってケースを渡した。
「シーリングスタンプって楽しいですよね。
本来の目的とは違いますけど」
向井は真剣に選ぶみんなの姿に、
葛城と笑った。
次の日、
下界では昨日の事でまだ騒ぎは収まっていなかった。
恐らく海外でトピックとしてあがったのも、
理由かもしれない。
悪霊は昨夜退治しただけあって、
そこまで膨れ上がっていなかったので、
向井達はデコパーツ専門店へと出かけて行った。
出掛けに河原たち派遣霊からも、
幾つか欲しいというデコパーツを頼まれ、
冥王もあれやこれやと騒いでいた。
「随分頼まれたね」
新田がタブレットを見ながら笑った。
仕事がなかったのでティンも加わり、
チビはみんなでお出かけ~と喜んで歩いていた。
黄色の捨て地は商店街が充実していて、
その先にデコパーツ屋さんがあった。
「コロッケ~」
ハクが向井の顔を見上げて言った。
「あっ」
トリア達もまずいという顔で笑った。
「なんじゃ? 」
呉葉がお店を見る。
「おいしいの~」
ハクがニコニコして話す。
「こんしらない」
「ハクだけずるい」
チビ達がぶーぶー言い出した。
「子供に内緒は難しいですね」
向井が笑っていると、
「どういう事? 」
弥生も不思議そうに振り返った。
「実はね………」
早紀がハクのお泊りセットを買いに行った時のことを話した。
「あぁ~なるほど。
じゃあ、帰りに買って帰ろうか」
アンが笑いながらお店を見た。
「この先にはおこわ専門店があるし、
デコパーツ屋さんの帰りに、
コロッケと一緒に買っていこう」
トリアはチビ達を見ながら言った。
「やくそく
むくれる呉葉に笑うと、
「約束ね」
と歩き出した。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる