58 / 103
番外編 西支部
どうする弁明
しおりを挟む
「さすがにAIとフェイクでは誤魔化せないと思うけど。
それともこれすら危険と感じないほどに、
この国は想像力が欠如してるのか、
洗脳されているのかしら。ねぇ? 」
トリアが言いながら向井とサンクを見た。
「俺はこの国の人間ですが、
冥界に来て三年。
この仕事をしていなかったら、
きっと生まれ変わったあとも、
多少の疑問と不満はあれど、
この魔境で普通に生活していると思いますよ」
「えっ? 」
トリアとサンクがビックリした顔で向井を見た。
「ははは。そんなに驚かなくても。
まぁ、俺はそんな人間です。
今頃山口大臣は、
政治生命を死守するのに必死でしょうね」
向井は楽しそうに笑った。
「向井君の方が鬼ね」
トリアが言いサンクもプッと吹きだした。
黒地では怪我人も運ばれ、
警察と防衛隊とで何やら揉めていた。
「私達には関係ないからね」
トリアが言ったところで、
牧野達が戻ってきた。
「今ので捨て地にも小さな負が悪霊になりかけてたから、
まとめて除去してきた」
岸本が言うと、
牧野が疲れた様子で肩で息をしていた。
「どうしたの? 」
サンクが牧野を見た。
「黒地の方を私とヴァンと一緒に除去しに行って、
あの状況だったからまともに毒を受けちゃったのよね」
「それは………ガードはどうしたんですか? 」
向井が気の毒そうな顔をした。
「ガードする間もなく襲われた。
ポプリが身代わりになって壊れた~
ヴァンがいなきゃ死んでるのに死んでたよ」
牧野が破けた巾着を見せて、
息を整えながら話した。
「こっから見てても、
黒地は空一面に悪霊の繭ができてたからね。
あれじゃ心が弱ってる人間は死ぬね」
サンクも黒地を振り返って話した。
「神の森にも入れず、黒地で発砲騒ぎ。
しかも子供を殺したって大騒ぎだからね。
ニュースで取り上げるとも思えないけど、
AIが画像を拡散させてるから、
無視もできないだろうし、
山口はさて、どうするかな」
ティンもそういうと時計を見てから、
「そろそろ正午だし、お昼でも買って帰ろうか。
ハクは大丈夫? 」
向井の腕の中で寝ている様子をのぞいた。
「龍神に体を利用されたので、
軽く暗示をかけて寝かせました。
支部に戻ったら一応、
トラントさんに見てもらいます」
「そうだね」
岸本も頷くと、
「ここ橙の捨て地には、
有名なハマチバーガーの専門店があるんだよ。
牧野の好きなタルタルがたっぷりで、
美味しいよ」
と説明した。
「タルタル~食べたい~」
「毒受けて死にそうなんじゃないの? 」
「それとこれは別。
食べたらアニメショップ行くんだろ? 」
とご機嫌になった。
「アニメって、牧野は見ないでしょ」
トリアが言うと、
「ゾンビ少年のホログラムカードが出たんだよ」
と笑顔で振り返った。
「牧野君はカード集めてるの? 」
サンクが聞く。
それともこれすら危険と感じないほどに、
この国は想像力が欠如してるのか、
洗脳されているのかしら。ねぇ? 」
トリアが言いながら向井とサンクを見た。
「俺はこの国の人間ですが、
冥界に来て三年。
この仕事をしていなかったら、
きっと生まれ変わったあとも、
多少の疑問と不満はあれど、
この魔境で普通に生活していると思いますよ」
「えっ? 」
トリアとサンクがビックリした顔で向井を見た。
「ははは。そんなに驚かなくても。
まぁ、俺はそんな人間です。
今頃山口大臣は、
政治生命を死守するのに必死でしょうね」
向井は楽しそうに笑った。
「向井君の方が鬼ね」
トリアが言いサンクもプッと吹きだした。
黒地では怪我人も運ばれ、
警察と防衛隊とで何やら揉めていた。
「私達には関係ないからね」
トリアが言ったところで、
牧野達が戻ってきた。
「今ので捨て地にも小さな負が悪霊になりかけてたから、
まとめて除去してきた」
岸本が言うと、
牧野が疲れた様子で肩で息をしていた。
「どうしたの? 」
サンクが牧野を見た。
「黒地の方を私とヴァンと一緒に除去しに行って、
あの状況だったからまともに毒を受けちゃったのよね」
「それは………ガードはどうしたんですか? 」
向井が気の毒そうな顔をした。
「ガードする間もなく襲われた。
ポプリが身代わりになって壊れた~
ヴァンがいなきゃ死んでるのに死んでたよ」
牧野が破けた巾着を見せて、
息を整えながら話した。
「こっから見てても、
黒地は空一面に悪霊の繭ができてたからね。
あれじゃ心が弱ってる人間は死ぬね」
サンクも黒地を振り返って話した。
「神の森にも入れず、黒地で発砲騒ぎ。
しかも子供を殺したって大騒ぎだからね。
ニュースで取り上げるとも思えないけど、
AIが画像を拡散させてるから、
無視もできないだろうし、
山口はさて、どうするかな」
ティンもそういうと時計を見てから、
「そろそろ正午だし、お昼でも買って帰ろうか。
ハクは大丈夫? 」
向井の腕の中で寝ている様子をのぞいた。
「龍神に体を利用されたので、
軽く暗示をかけて寝かせました。
支部に戻ったら一応、
トラントさんに見てもらいます」
「そうだね」
岸本も頷くと、
「ここ橙の捨て地には、
有名なハマチバーガーの専門店があるんだよ。
牧野の好きなタルタルがたっぷりで、
美味しいよ」
と説明した。
「タルタル~食べたい~」
「毒受けて死にそうなんじゃないの? 」
「それとこれは別。
食べたらアニメショップ行くんだろ? 」
とご機嫌になった。
「アニメって、牧野は見ないでしょ」
トリアが言うと、
「ゾンビ少年のホログラムカードが出たんだよ」
と笑顔で振り返った。
「牧野君はカード集めてるの? 」
サンクが聞く。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
妻がエロくて死にそうです
菅野鵜野
大衆娯楽
うだつの上がらないサラリーマンの士郎。だが、一つだけ自慢がある。
美しい妻、美佐子だ。同じ会社の上司にして、できる女で、日本人離れしたプロポーションを持つ。
こんな素敵な人が自分のようなフツーの男を選んだのには訳がある。
それは……
限度を知らない性欲モンスターを妻に持つ男の日常
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
親戚のおじさんに犯された!嫌がる私の姿を見ながら胸を揉み・・・
マッキーの世界
大衆娯楽
親戚のおじさんの家に住み、大学に通うことになった。
「おじさん、卒業するまで、どうぞよろしくお願いします」
「ああ、たっぷりとかわいがってあげるよ・・・」
「・・・?は、はい」
いやらしく私の目を見ながらニヤつく・・・
その夜。
女の子にされちゃう!?「……男の子やめる?」彼女は優しく撫でた。
広田こお
恋愛
少子解消のため日本は一夫多妻制に。が、若い女性が足りない……。独身男は女性化だ!
待て?僕、結婚相手いないけど、女の子にさせられてしまうの?
「安心して、いい夫なら離婚しないで、あ・げ・る。女の子になるのはイヤでしょ?」
国の決めた結婚相手となんとか結婚して女性化はなんとか免れた。どうなる僕の結婚生活。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる