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番外編 北支部

天上界の赤いお土産

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冥界に戻る前に冥王が向井を見ると、

「そういえば、

ハクが言っていた赤い食べ物は分かりましたか? 」

と聞いた。

「分かりましたよ。これです」

そういって袋の果実を見せた。

冥王と安達が袋を覗いてから向井を見た。

「恐らくハクには、

ここの景色が見えたんだと思います」

「あぁ、そういう事でしたか。

あの子には他の子達にはない力がありますからね」

冥王も納得したように頷いた。

「では、早く帰ってハクの喜ぶ顔を見ましょうか」

三人は笑うと冥界に戻って行った。



死神課の前を通ると、

「パパ~」

ハクが飛びついてきた。

あとからトリアと弥生が三鬼達と歩いてきた。

「ハクが赤い食べ物が来るって、

ずっと言ってたから、

気になっちゃって」

トリアが笑うと話した。

向井がハクを抱き上げると、

袋をトリアと弥生に渡した。

「お土産です。ハクには予知能力があるんですね」

向井は笑うと、中を見るように言った。

「赤い果物とケーキとジャムが入ってます」

「まぁ、美味しそう~」

「おやつに食べよう」

弥生とトリアが言うと、中身をチビ達に見せた。

「食べたい~」

チビ達が飛び上がって喜んでいると、

セイがカウンターの奥から出てきた。

「なに~そんなに美味しそうなの? 」

「やっと帰ってきた~」

牧野も妖鬼と一緒に歩いてきた。

「悪霊退治はどうしました? 」

冥王が牧野を見た。

「俺様だぞ。ちゃんと綺麗にしてきたよ」

「何が俺様だよ。

手前だけ片付けて帰って来たくせに」

あとから来たオクトが頭をはたいた。

「なんと、それでは手抜きハンターではないですか」

冥王の驚く顔に、

「危険な場所だけは全て綺麗にさせたから、

まぁそれで大目に見たんだけどね」

オクトは笑うと牧野を見た。

「では、皆でおやつにしましょうか」

不貞腐れる牧野に向井は笑うと、

休憩室に向かった。


ハクはお皿に乗せられたケーキにニコニコしていた。

「赤~」

「ホント、赤い食べ物ね」

弥生も笑うとお皿をテーブルに並べた。

「それ、何~? 」

向井がジャムを入れてドリンクを作っていると、

こんがキッチンに飛んできた。

「ん? ジャムを入れた飲むヨーグルトです。

このケーキに合うんですよ」

説明する向井を見上げて、こんが抱きついた。

「パパは一人だから大変よね」

張り付くこんにトリアが笑うと、

出来上がったドリンクをトレイに乗せた。

「あのね、ノート作ったの」

「じゃあ、あとで見せてもらおう」

向井は笑うとこんと一緒にテーブルに歩いて行った。

チビ達はきらきらした顔でケーキを見ると、

嬉しそうに食べ始めた。

「美味~」

呉葉が笑顔になった。

「果実は優香ちゃんが新作のケーキにしてくれるって。

サロンにも配るから、

既に河原と山川がキッチンで騒いでる」

シェデムが話しながら部屋に入ってきた。

「そうだわ。疲れてるところ悪いけど、

少し休憩したら西支部に行ってもらえる? 」

シェデムは向井の横に来ると言った。

「問題が起こりましたか? 

まぁ、北があの状態だったので、

西でも何か動きはあるかな? とは思っていたんですけど」

「そうなのよ。今、坂下君とヴァン、エハ、新田君、真紀子さんは、

式神課の仕事で手が離せないし、

岸本君が向井さんに来て欲しいって」

「分かりました」

向井が返事をすると、

「私もケーキ貰おう」

シェデムはキッチンからお皿を持ってきて、

ソファーに座った。
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