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番外編

色遊び

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「きいろ~」

ハクが指をさす。

「そう。黄色ね。最近は色絵本を見てるもんね」

アンがハクを振り返った。

「こんはね~色鬼好き~」

「得意だもんね」

ティンも笑った。

「色を覚えて、体も動かせて、

冥王にもちょうどいいから、

色鬼は冥界でちょっとしたブームね」

トリアも笑った。

そのあとも色を指さしながら、

商店街まで歩いて行った。



アーケードの入り口に立つと、

「ここはこじんまりしてるけど、結構長いね」

ティンが呉葉と手を繋ぎながら店を眺めた。

「コンビニはないけど、スーパーはあるし、

殆どここで必要なものは揃うわよ」

トリアが歩きながら説明する。

「ここかな? 」

「なに? 」

向井がある店舗の前で立ち止まると、

早紀も一緒にのぞく。

「黒谷君が話していたお店です」

「こだわりのある牧野君向きではないけど、

私もこの前先生と一緒にチュニック買ったわよ。

チビ達と遊ぶにはちょうどいいのよ。

安いし、着やすいし、可愛いし? 」

トリアも店を見上げた。

店舗は二階建てで、

年齢層も幅広く並べられていた。

「ここのウェアはご家族で作られてるんですって」

「へえ~」

トリアの説明に早紀や弥生も興味を持ったようだ。

「ちょっと覗いてみる? 」

「俺も見たい」

新田とティンも頷き、店に入って行った。

「思っていたより中は広いのね」

早紀も気になるスカートを鏡の前で合わせた。

向井もハクを抱き上げ、こんと手を繋いだ。

「パパ、おリボン~」

こんに引っ張られ歩いて行くと、

ヘアアクセサリーが並べられていた。

アンと弥生もやってきてのぞく。

「あら可愛い」

「これ手作りかしら」

こんと呉葉が欲しい~と見ていると、

「それは全部私の手作りなんですよ」

とお店の娘さんがやってきて説明してくれた。

「どうりで、

こういうデザインて既製品では見られませんよね」

弥生が手に取って、チビ達の髪に当てた。

「有難うございます。

一つ一つ布を合わせて縫っているんです」

向井もこんと呉葉が真剣に選んでいる様子に笑った。

そのまま店内を見ながら、

安達とティンが楽しそうに洋服を見ている姿に、

少しホッとした表情になった。

「安達君は大分顔色もよくなってきたわね。

朝はちょっと熱っぽいかな? と思ったんだけど」

トリアが隣に立つと向井を見た。

「きちんとお薬を飲んだみたいですね」

向井も苦笑いしながら話した。

「えっ? お薬飲んでなかったの? 」

トリアがあきれ顔で驚くと、納得したように頷いた。

「それで反抗期か」

「少し前までの安達君は、

可愛い子供でしたけど、

魂が落ち着いてきて成長してきてるんですよ。

今は十三、四歳くらいなのかな。

まぁ、自分でも分かってはいるようなので、

少し釘をさしたんです」

「難しい年ごろだね」

新田もやってくると言った。

安達が三鬼とキーホルダーを見ている姿に、

三人は笑った。
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