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番外編
安達の反抗期?
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「それを決めるのは炎帝様です。
あのお薬は発作を止めて、
体を楽にしてくれるものなので、
俺も炎帝様に言われて一粒頂きました」
「! 」
安達が顔をあげた。
「俺の中にもね。妖怪や神様が住んでいるでしょう。
体に負担がかかるようなら、
お薬を飲まなくてはならなくなるかもしれません」
「向井も倒れちゃうの? 」
安達は驚くと心配そうに見た。
向井は微笑むと、
「大丈夫です。
安達君との違いはね。
俺は丈夫だという事です。
安達君は体が弱いですよね。
それは誰のせいでもないです。
安達君が生きている時に、
炎帝様のようなお医者様に出会えれば、
きっと今頃元気に暮らせていたと思いますよ」
と言って黙り込む安達を見た。
「………」
「もし俺が倒れて、
それがお薬を飲まなかったせいだとしたら、
安達君はどう思いますか? 」
「えっ、ダメだよ。飲まなきゃ! 」
真剣に言う姿に向井が笑った。
「だったら俺も同じです。
皆、安達君が元気になって喜んでるのに、
薬を我慢することで倒れたら悲しみますよ」
「………」
下を向く安達に、
「バナナジュース入れたから飲みましょう。
身だしなみを整えてね。
ちびちゃん達に笑われますよ」
と向井はいい、
慌ててブラシをする様子に笑った。
洗面所を出て向井がソファーに座ると、
「安達君、なんかあった? 」
ティンが聞いた。
「ちょっとした反抗期かな」
ジュースを飲みながら話す。
「うそ、ヤダ、安達君が大人になっちゃう」
「ええ~可愛くなくなっちゃうの? 寂しいな~」
早紀と新田が顔を見合わせて悲しそうな顔をした。
「安達君にも色々悩みが出てきたってことね」
トリアも笑うと向井を見た。
「安達君、朝はサンドイッチだよ」
洗面所から出てきた安達に、
黒谷が声をかけた。
「安達君の好きなコーンマヨに、
チキンとタマゴ」
安達の顔が笑顔になると、
いつものように向井の横に座った。
その様子に大人達も笑うと、
「そうだ。牧野君はお昼に戻ってくるってさ」
セーズがジュースを飲みながら言った。
「えっ? なんで? 」
アンが聞くと、
「お昼食べた後にお煎餅屋さんに行くからって」
とセーズが笑った。
「牧野いないの? 」
安達は今気づいたのか、慌てて室内を見回した。
「ちょっと西の方で悪霊が大きくなったんだって。
朝から連れて行かれたのよ。
安達君、よく寝てたから気づかなかったのね」
弥生の話に、
「うん。気持ちよかったから」
と笑顔でサンドイッチを食べた。
「おっ、綺麗に食べましたね」
向井がジュースを飲むチビに立ち上がると、
皿を片付け、ナプキンで手と口を拭くように渡した。
綺麗に拭き終わると、
「弥生ちゃん~こういうふうにして~」
こんが着せ替えマグネットを持ってきた。
見ると着せ替えのウィッグが、
三つ編みドーナツのヘアースタイルになっている。
「わらわも~でな~おリボン付けるの」
弥生は笑うと、
「じゃあ、先にお着替えしないと」
と早紀と一緒にサンルームの方に連れて行った。
あのお薬は発作を止めて、
体を楽にしてくれるものなので、
俺も炎帝様に言われて一粒頂きました」
「! 」
安達が顔をあげた。
「俺の中にもね。妖怪や神様が住んでいるでしょう。
体に負担がかかるようなら、
お薬を飲まなくてはならなくなるかもしれません」
「向井も倒れちゃうの? 」
安達は驚くと心配そうに見た。
向井は微笑むと、
「大丈夫です。
安達君との違いはね。
俺は丈夫だという事です。
安達君は体が弱いですよね。
それは誰のせいでもないです。
安達君が生きている時に、
炎帝様のようなお医者様に出会えれば、
きっと今頃元気に暮らせていたと思いますよ」
と言って黙り込む安達を見た。
「………」
「もし俺が倒れて、
それがお薬を飲まなかったせいだとしたら、
安達君はどう思いますか? 」
「えっ、ダメだよ。飲まなきゃ! 」
真剣に言う姿に向井が笑った。
「だったら俺も同じです。
皆、安達君が元気になって喜んでるのに、
薬を我慢することで倒れたら悲しみますよ」
「………」
下を向く安達に、
「バナナジュース入れたから飲みましょう。
身だしなみを整えてね。
ちびちゃん達に笑われますよ」
と向井はいい、
慌ててブラシをする様子に笑った。
洗面所を出て向井がソファーに座ると、
「安達君、なんかあった? 」
ティンが聞いた。
「ちょっとした反抗期かな」
ジュースを飲みながら話す。
「うそ、ヤダ、安達君が大人になっちゃう」
「ええ~可愛くなくなっちゃうの? 寂しいな~」
早紀と新田が顔を見合わせて悲しそうな顔をした。
「安達君にも色々悩みが出てきたってことね」
トリアも笑うと向井を見た。
「安達君、朝はサンドイッチだよ」
洗面所から出てきた安達に、
黒谷が声をかけた。
「安達君の好きなコーンマヨに、
チキンとタマゴ」
安達の顔が笑顔になると、
いつものように向井の横に座った。
その様子に大人達も笑うと、
「そうだ。牧野君はお昼に戻ってくるってさ」
セーズがジュースを飲みながら言った。
「えっ? なんで? 」
アンが聞くと、
「お昼食べた後にお煎餅屋さんに行くからって」
とセーズが笑った。
「牧野いないの? 」
安達は今気づいたのか、慌てて室内を見回した。
「ちょっと西の方で悪霊が大きくなったんだって。
朝から連れて行かれたのよ。
安達君、よく寝てたから気づかなかったのね」
弥生の話に、
「うん。気持ちよかったから」
と笑顔でサンドイッチを食べた。
「おっ、綺麗に食べましたね」
向井がジュースを飲むチビに立ち上がると、
皿を片付け、ナプキンで手と口を拭くように渡した。
綺麗に拭き終わると、
「弥生ちゃん~こういうふうにして~」
こんが着せ替えマグネットを持ってきた。
見ると着せ替えのウィッグが、
三つ編みドーナツのヘアースタイルになっている。
「わらわも~でな~おリボン付けるの」
弥生は笑うと、
「じゃあ、先にお着替えしないと」
と早紀と一緒にサンルームの方に連れて行った。
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