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第2話!
六魔将会議及び顔合わせ(前編)
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「魔王様!魔王様!この後にかなり大事な予定が入ってますよ!」
「ネロ、ノックはしてくれ。」
ネロがノックもせず部屋に入ってきた。いつもノックし忘れるのだが、今回は本当に焦っているらしかった。
「それで、そのかなり大事な予定というのは?」
「んーと……六魔将会議です。今回は顔合わせも含められているみたいですけど……」
「その六魔将と言うのは何なのかな?いや、だいたい察しはつくんだけど……」
「では、ご説明します。六魔将とは、この魔界で王家直属の軍のトップにおられる方々です。その方々と、魔王様によって行われるのが六魔将会議と呼ばれるものです。基本的に、軍事的事項について会議されますが、最も重要視されるものが天使との争いについてです」
「天使……!?天使ってあのふわふわの羽根付けて天から舞い降りてくる……」
「その通りです。悪魔と天使は昔から争ってきました。十中八九人間界では天使が善、悪魔が悪と語り継がれていることだと思います。」
「確かにその通りだ。争っているというのは初めて聞いたけどね……」
「それは嘘です。本当の悪は天使なのです。」
「なぜそう言えるんだい?」
ここでネロは、驚愕の一言を口にするーー
「前回人間界を襲った悪魔の大攻勢ですが、あれは天使が仕向けたものです。新しき王であるアキト様を殺し、天使の繁栄を恒久的なものにし、悪魔を滅ぼすために。また、天使達は何度も何度も魔界を奇襲してきて、魔界の住人を殺していきます。私の両親もそのせいで………亡くなり……ました…」
「なん………だと……!?」
この言葉が嘘では無いことを彼女の顔が物語っていた。俯いているが、泣いているであろうことは分かる。相当な覚悟で自分の過去を話したのだろう。思い出したくもない過去を含め無ければ伝わらない。それも、元々人間であった自分にはなおさらである。
「ネロ、ありがとう。君は優しいね」
「え……?」
「その会議は何時から始まるのかな?」
「あ………えと………下 三目の刻からです。」
「三目だから………午後3時か………」
因みに、魔界では時間の表し方などなどが人間界と違っている。時間は一目~十二目まで、午前を「上」午後を「下」で表すのである。何とも和風な著し方ではあるが、それも風習なので仕方ないことである。
「もうすぐだね。早めに行ってようか」
「はい」
ネロに案内され、辿り着いた場所が「ネグリシュデーム」と呼ばれる場所である。人間界で言う会議所である。
「もう皆様お待ちになられているようですよ?」
「初対面というだけあってなかなか緊張するなぁ………」
「頑張ってくださいね!魔王様!」
「うん」
扉を開け、中に入る。そこはとてもシンプルな作りの空間だった。石垣のように組まれた壁、窓はステンドグラスによって造られていて、天井にかけて縮んでいっている。そして、中央には少し大きい丸テーブルが一つに椅子が7つ。そのうち6つの椅子は既に埋まっていた。
「お待たせしました。皆々様………」
僕が部屋に入ると、六魔将全員がこちらを向き、礼をした。これは、六魔将会議を始める時のしきたりなのだそうである。『気兼ねなく』、そんな思いがこの魔界にはない……そんな気持ちが湧き出てきた。
「それでは、これより六魔将会議を執り行う。一同の者、礼」
これより、六魔将会議の始まりである。
「ネロ、ノックはしてくれ。」
ネロがノックもせず部屋に入ってきた。いつもノックし忘れるのだが、今回は本当に焦っているらしかった。
「それで、そのかなり大事な予定というのは?」
「んーと……六魔将会議です。今回は顔合わせも含められているみたいですけど……」
「その六魔将と言うのは何なのかな?いや、だいたい察しはつくんだけど……」
「では、ご説明します。六魔将とは、この魔界で王家直属の軍のトップにおられる方々です。その方々と、魔王様によって行われるのが六魔将会議と呼ばれるものです。基本的に、軍事的事項について会議されますが、最も重要視されるものが天使との争いについてです」
「天使……!?天使ってあのふわふわの羽根付けて天から舞い降りてくる……」
「その通りです。悪魔と天使は昔から争ってきました。十中八九人間界では天使が善、悪魔が悪と語り継がれていることだと思います。」
「確かにその通りだ。争っているというのは初めて聞いたけどね……」
「それは嘘です。本当の悪は天使なのです。」
「なぜそう言えるんだい?」
ここでネロは、驚愕の一言を口にするーー
「前回人間界を襲った悪魔の大攻勢ですが、あれは天使が仕向けたものです。新しき王であるアキト様を殺し、天使の繁栄を恒久的なものにし、悪魔を滅ぼすために。また、天使達は何度も何度も魔界を奇襲してきて、魔界の住人を殺していきます。私の両親もそのせいで………亡くなり……ました…」
「なん………だと……!?」
この言葉が嘘では無いことを彼女の顔が物語っていた。俯いているが、泣いているであろうことは分かる。相当な覚悟で自分の過去を話したのだろう。思い出したくもない過去を含め無ければ伝わらない。それも、元々人間であった自分にはなおさらである。
「ネロ、ありがとう。君は優しいね」
「え……?」
「その会議は何時から始まるのかな?」
「あ………えと………下 三目の刻からです。」
「三目だから………午後3時か………」
因みに、魔界では時間の表し方などなどが人間界と違っている。時間は一目~十二目まで、午前を「上」午後を「下」で表すのである。何とも和風な著し方ではあるが、それも風習なので仕方ないことである。
「もうすぐだね。早めに行ってようか」
「はい」
ネロに案内され、辿り着いた場所が「ネグリシュデーム」と呼ばれる場所である。人間界で言う会議所である。
「もう皆様お待ちになられているようですよ?」
「初対面というだけあってなかなか緊張するなぁ………」
「頑張ってくださいね!魔王様!」
「うん」
扉を開け、中に入る。そこはとてもシンプルな作りの空間だった。石垣のように組まれた壁、窓はステンドグラスによって造られていて、天井にかけて縮んでいっている。そして、中央には少し大きい丸テーブルが一つに椅子が7つ。そのうち6つの椅子は既に埋まっていた。
「お待たせしました。皆々様………」
僕が部屋に入ると、六魔将全員がこちらを向き、礼をした。これは、六魔将会議を始める時のしきたりなのだそうである。『気兼ねなく』、そんな思いがこの魔界にはない……そんな気持ちが湧き出てきた。
「それでは、これより六魔将会議を執り行う。一同の者、礼」
これより、六魔将会議の始まりである。
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