上 下
76 / 99
3章 ヒートマウンテンを攻略せよ!

皆と共に村に戻る

しおりを挟む
 女神の力で止まっていた時が動き出す。

「では、トモよ。エイン砦の防衛とエインヘリヤル城の混乱の収束、大義であった。貴殿の仲間の魔族に関しては、このエインヘリヤルに入ることを許可する。この来客許可証を受け取るが良い」

「感謝致します」

「うむ。では、戻るが良い」

「はっ」

 俺は元ルカの部屋に戻るとルナとリーシアとステラに次のことを話す。

「あっトモ君、お帰り。昨日の続きする?」

「お前、男の時と変わりすぎだろ」

「だって仕方ないじゃないか。あんなに女の子がキモチイイなんて知らなかったんだからさ」

「取り敢えず、お前は事故死で処理してくれるらしい。メイメイに感謝しろよ。お前の亡骸を食べたってことで押し通したんだからな」

「ありがとう。甥たちのことごめんね。こんなに肌触りが良くて気持ち良いのに、虐待して」

「クゥーン」

「良かったな。今のお前は、俺の女だから許すってさ」

「あの頭、齧られてるんだけど。本当に許してくれてるの?」

「あぁ。それは、甘噛みだ。本気ならバリバリ砕かれてるから。我慢しろ」

「すごく痛いんだけど」

「お前の甥たちがメイメイにしたのは、こんなもんじゃねぇよ。傷だらけでグッタリしてたんだからな。それぐらい我慢しろ」

「いや、そんな突き放すなんて、酷くないかな?」

「はぁ。メイメイ、それぐらいにしておいてやれ。今のコイツは女だ。本当に血が出るぞ」

「クゥーン」

「やっと離してくれたよ。ねぇリーちゃん、頭何ともなってないかな?」

「大丈夫ですわよ。それにメイメイと仲良くなるためにはルーちゃんの罪を清算しておかないとダメなんですのよ」

「うん。死ぬかと思ったけどね」

「まぁ、取り敢えず城でやることはもう済んだし、アムール老がいるなら安心だしな。野営地でナイアとペコラ、エイン砦でミミッキュとキラリを拾って村に帰るぞ」

「はい。トモカズ様」

「トモ様の村に教会はありますか?」

 リーシアは二つ返事で了承し、ステラはというと、教会があるかないかなんでこと聞いてきた。

「そういや無かった気がするな」

「では、村の皆様にも女神様の教えを広めなければなりませんね」

「勝手にしてくれ」

「僕は、本当にトモ君の村に付いて行って良いの?」

「ここに残りたいならそれでも良いぞ」

「違うよ馬鹿!僕の気も知らないで。ステラさんは聖女。リーちゃんは将軍の孫娘。僕には何も無いんだよ?」

「はぁ。んなこと気にしてんのかよ。肩書きなんて興味ねぇよ。それにお前はもう俺の女だろ?それとも俺の女を辞めたいのか?」

「辞めたいわけないじゃないか!」

「だったらもう良いだろ。いちいち、んなこと気にすんな。その紋様を刻んじまった以上、最後まで責任とってやっからよ」

「キュン♡もう、トモ君、カッコよすぎだよ~」

 ルナは、最初の方こそトモ様なんて呼んでたが君呼びに落ち着いたようだ。

「ほら、行くぞ」

 メイメイに乗って、野営地へと戻り、ナイアとペコラに来客許可証を渡す。

「御主人様、良くぞ御無事で、安堵致しました。あれ、そちらのお嬢さんは、どちら様でしょうか?」

「僕ちゃん、ひょっとして、また?」

「いや、俺を性欲の塊みたいな目で見るなよ」

「トモカズ様に、3人がかりで勝てませんでしたのよ。リーシア様・ペコラ様」

「ホント、絶倫だよね。こんな強い人間の雄がいるとか聞いたことないんだけど」

「そうでしたか。では、いつか5人がかりで勝負を挑みましょう」

 5人同時とか最高じゃないか。

「僕は、ルナ。ナイアさんとペコラさんには、城で御迷惑をおかけしました」

「これは、丁寧な挨拶、痛み入ります。こちらこそ、話が脱線して申し訳ありませんでした。ですが、御迷惑をおかけされた覚えはありませんが」

「うんうん。ルナちゃんに迷惑をかけられたことなんて」

「王様の隣にいた大臣が僕だとしてもですか?」

 ルナの言葉を聞いて、固まるナイアとペコラ。

「あー。成程、それで、頭からメイメイちゃんの涎の匂いがしてたのか。噛まれちゃったわけだ」

「当然です!この男は、それだけのことをしたんですから!って、御主人様、一体どういうことでしょうか?」

「まぁ、何だ。ステラの奴がやらかしてな。俺の性液を男だったコイツの尻に入れたら女になった」

「話を聞いてもよくわからないんだけど」

「これです」

 ペコラの言葉にステラが取り出したものから飛び出した白濁液を浴びたナイアとペコラはその匂いを嗅いで。

「これは御主人様の?このオモチャから出た?」

「これは、僕ちゃんの味だね。しかし、興味深いオモチャだね」

「私が開発したんです。いつでもどこでもトモ様を感じられるように」

「成程、理解できました。要はステラのせいで、このクズも御主人様の女になったと」

「僕がクズなのは認めるよ。リーちゃんにも酷いことしたし、クマちゃんにも酷いことしようとしたしね。だけど、これだけは嘘じゃない。トモ君の事が好き。一生償うからどうか側にいることを許してください」

「まぁ、仕方ないよナイアちゃん。これが刻まれた時点で、僕ちゃん無しでは生きていけないようなもんだし」

「はぁ。わかりました。それに身も心も入れ替えたのは本当のようですし、渋々ながらも歓迎しますよルナ」

「良かったね。ルナちゃん」

「はい」

「話がまとまったならエイン砦にミミッキュとキラリ迎えに行くぞ」

 エイン砦に着くと外で布陣していたポールさんが出迎えてくれた。

「トモ殿、良くぞ無事で戻られた。して、王都は?」

「陛下も皆も正気を取り戻しました。ポールさんの方こそ、ゴブリンは?」

「それは朗報だな。こちらは、大丈夫だ。どうやらキラリ殿を警戒して、ゴブリンたちも引き上げた」

「それはよかったです。では、お貸ししていたミミッキュとキラリを返してもらいますね」

「あぁ。本当に今回は助かった。いつでも訪ねてきてくれ、トモ殿なら大歓迎だ」

「ありがとうございます。それでは、お世話になりました。帰るぞミミッキュにキラリ」

「うち、もうダーリンと離れないっちゃ」

「コンコーン」

「2人とも寂しい思いさせてすまなかったな」

 こうして、皆を連れて村へと戻るのだった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

精霊のジレンマ

さんが
ファンタジー
普通の社会人だったはずだが、気が付けば異世界にいた。アシスという精霊と魔法が存在する世界。しかし異世界転移した、瞬間に消滅しそうになる。存在を否定されるかのように。 そこに精霊が自らを犠牲にして、主人公の命を助ける。居ても居なくても変わらない、誰も覚えてもいない存在。でも、何故か精霊達が助けてくれる。 自分の存在とは何なんだ? 主人公と精霊達や仲間達との旅で、この世界の隠された秘密が解き明かされていく。 小説家になろうでも投稿しています。また閑話も投稿していますので興味ある方は、そちらも宜しくお願いします。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。

町島航太
ファンタジー
 かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。  しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。  失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。  だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。

フォーリーブス ~ヴォーカル四人組の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
デュエットシンガーとしてデビューしたウォーレン兄妹は、歌唱力は十分なのに鳴かず飛ばずでプロデューサーからもそろそろ見切りをつけられ始めている。そんな中、所属する音楽事務所MLSが主催する音楽フェスティバルで初めて出会ったブレディ兄妹が二人の突破口となるか?兄妹のデュエットシンガーがさらに二人の男女を加えて四人グループを結成し、奇跡の巻き返しが成るか?ウォーレン兄妹とブレディ兄妹の恋愛は如何に? == 異世界物ですが魔物もエルフも出て来ません。直接では無いのですけれど、ちょっと残酷場面もうかがわせるようなシーンもあります。 == ◇ 毎週金曜日に投稿予定です。 ◇

最強魔王の学園無双 ~世界を平定したチート魔王は学園で無双し花嫁を探す。側近・貴族・勇者? まとめて余のハーレムに加えてやろう~

猪木洋平@【コミカライズ連載中】
ファンタジー
 主人公ディノス・レアルノートは魔王だ。  その絶大なる力で人族を撃破し、世界を平定した。  そして、1年後……。 「クハハ! 愚民どもは、幸せを満喫しているようだな。大変結構!」 「ディノス陛下。陛下も、そろそろ跡継ぎをつくられてはいかがでしょうか? 平和を勝ち取った今こそ、その好機かと愚行致しますが」 「クハハ! それも悪くはないな。しかし、余はそういうことに疎くてな……。強さに重きを置いていたせいだろうが……」 「ああ、確かに……。ディノス陛下は、そういう話が一切ありませんもんね。俗に言う、陰キャぼっちというやつでしょうか……」 「な、なにぃ!? 陰キャぼっちだと! 余は断じて陰キャぼっちなどではない! リア充だ!」  そんなこんなで、身分を隠して学園に通うことになった魔王様。  抜群の戦闘能力を持つ最強魔王様だが、年齢は16歳。  学園に通うことがおかしいというほどではない。  はたして、彼は真実の愛を見つけて花嫁を得ることができるのか?  無自覚セクハラ三昧が、今始まる!!!

異世界の権力者  〜休職中に異世界転生したら聖騎士団長という権力者になって働きすぎてしまった結果、世界統一をしてしまった話〜

rui ji roku
ファンタジー
⭐︎⭐︎⭐︎ できる限り毎日7:00〜8:00に1話投稿予定 ⭐︎⭐︎⭐︎                          仮想敵国Xが日本に侵略してきて死んでしまった休職中の俺が 異世界転生したら聖騎士団長という権力者になって 休みたいのに休めず働き過ぎた結果 逆に侵略する立場になってしまった話 日本に住む陽キャ「太陽」と陰キャ「満月」の双子が 仮想敵国Xの突然の侵略で命を落とし、 世界の権力者を恨みながら異世界転生をする。 双子はそれぞれ聖霊を召喚する最強の聖騎士団長と 悪魔を召喚する最強の中央帝国皇帝のトップになります。 それぞれがチート級の能力を持ちながらも 聖霊や悪魔に振り回されながら国を大きくしていくストーリー。 陰キャの満月は部下に恵まれ、支えられながら聖騎士国を拡大する。 陽キャの太陽は独裁者になり、1人孤軍奮闘して中央帝国を拡大する。 様々な陰謀に巻き込まれながらも主人公最強として敵の野望を打ち砕く 波瀾万丈な物語です。 戦争中の両国はそれぞれ2人を中心に劇的な変化を遂げ、 お互いに知らぬまま侵略者として相まみえることになる。

転移想像 ~理想郷を再現するために頑張ります~

すなる
ファンタジー
ゼネコン勤務のサラリーマンが祖父の遺品を整理している中で突如異世界に転移してしまう。 若き日の祖父が言い残した言葉に導かれ、未知の世界で奮闘する物語。 魔法が存在する異世界で常識にとらわれず想像力を武器に無双する。 人間はもちろん、獣人や亜人、エルフ、神、魔族など10以上の種族と魔物も存在する世界で 出会った仲間達とともにどんな種族でも平和に暮らせる街づくりを目指し奮闘する。 その中で図らずも世界の真実を解き明かしていく。

【完結】ここって天国?いいえBLの世界に転生しました

三園 七詩
恋愛
麻衣子はBL大好きの腐りかけのオタク、ある日道路を渡っていた綺麗な猫が車に引かれそうになっているのを助けるために命を落とした。 助けたその猫はなんと神様で麻衣子を望む異世界へと転生してくれると言う…チートでも溺愛でも悪役令嬢でも望むままに…しかし麻衣子にはどれもピンと来ない…どうせならBLの世界でじっくりと生でそれを拝みたい… 神様はそんな麻衣子の願いを叶えてBLの世界へと転生させてくれた! しかもその世界は生前、麻衣子が買ったばかりのゲームの世界にそっくりだった! 攻略対象の兄と弟を持ち、王子の婚約者のマリーとして生まれ変わった。 ゲームの世界なら王子と兄、弟やヒロイン(男)がイチャイチャするはずなのになんかおかしい… 知らず知らずのうちに攻略対象達を虜にしていくマリーだがこの世界はBLと疑わないマリーはそんな思いは露知らず… 注)BLとありますが、BL展開はほぼありません。

処理中です...