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2章 ゴブリン共の脅威から防衛せよ!

唐突の女神

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 俺が今後の提案を王様に話そうとして、俯いていた顔を上げるとあの時と同じ用に、皆んなの時間だけが止まっていて、戸惑っていると唐突に女神の声が聞こえてきた。

「もしもーし、転生者の方~聞こえますか~。例の如く、時間が無いので、聞こえてたら返事してくださーい」

「あっはい」

「繋がってるみたいで、良かった~。ゴブリンから王都を守ってくださりありがとうございます」

 えっ?

 王都をゴブリンから守った?

 いや、今から守るところなんだけど何言ってるんだろう。

「混乱してるのも無理はありませんが私の声が聞こえるということは、魔王の力が少し弱まったということですから間違いありません。それに贈り物も上手に使ってくれたみたいで、良かったです」

「贈り物って、ステラのことですか?」

「えっ?勇者パーティの聖女がどうかしましたか?」

 ん?

 ステラから聞いた話だとエイン砦に向かうように言ったのは、女神様だって言ってたよな?

 それを御存じないということは、やっぱりそういうことだよな。

 怪しいとは思ってたんだ。

 ステラがエイン砦にいる時に都合良くゴブリンが襲いかかった。

 タイミングが良すぎる。

 つまり、敵の策略だったわけだ。

 でも確認はしておくべきだよな。

「ステラから女神様の天啓を受け、ゴブリンが襲うエイン砦を救援せよと言われたとお聞きしたのですが、ひょっとして身に覚えありませんか?」

「何で、私がそんな危ないことを聖女に命じるんですか!?勇者パーティーは、ただでさえあの幼馴染の女に狙われて、大変なことになっているんですから!」

 勇者パーティーが闇堕ちした勇者の幼馴染に狙われている?

 そういう大事なことはもっと早く教えといてくれよ。

 ほんと駄目な女神だな。

 勇者パーティーで、女はステラだけで、他の2人は、後衛職の魔法使いの爺さんと前衛の戦士のおっさんだ。

 名前は確か。

 魔法使いの爺さんがウィザードで、戦士のオッサンがウォリアー。

 由来は、確か魔法使いと戦士を英語にしただけの安直な感じだったはずだ。

 勇者のブレイブ、回復魔法と聖魔法のスペシャリストである聖女のステラ、属性魔法のスペシャリストのウィザードに、タンクのウォリアーとバランスの良いチーム編成なんだよな確か。

「狙われてるって、どういうことですか?」

「正確には、無事が確認できたのが聖女だけなんですけどね。まぁ、私が間違えて渡してしまった力を使ってるんですからその紋様が刻まれて、無事が確認できたんですけどね。はぁ。他の2人はどうなっているんでしょうか」

「あっ、そのことで言いたいことがあったんだ」

「何でしょうか?」

「男を女にできるとか前もって言っといてくれるかな?アンタを信仰してる聖女がルカっていうエインヘリヤル王国のクソ大臣であり宰相に使って、可愛い小動物になっちまったんだが」

「そんな、それが本当なら。まさか、元男は要らないからって放逐してませんよね?」

「んなことできるわけねぇだろ。カワウソみたいに可愛い寝顔で、チンポを頬張る姿なんて、必死でモグモグしてて、可愛すぎんだから」

「良かった。放逐されていたら世界が終わってました。それにしても惚気ですか?時間がないって言ってる私に惚気自慢ですか?」

「世界が終わるって何だよ。そんな危ないスキル渡すなよ!惚気だよ。悪いかよ。俺もあんなクソメガネのことで惚気るとかどうかしてると思うよ。後、何で、前もってそういう大事なこと言ってくれなかったのかなって」

「はぁ。私自身もそんなことになるなんて、思ってもみなかったんですよ。確かに伝承の中に存在してる一節に、男を女に変え、この国を危機から救った人物が登場します。ですが、それは今より数千年も前の話であり、誕生してから25年の私には何のことかさっぱりわからないんですよ」

 ん?

 誕生してから25年?

「というか女神って、歳取るの!?」

「それは失礼じゃ無いですか?神様だってちゃんと歳を取りますし、代替わりもあるんです。私は引き継いで間もない神様なんです。うっぐっ。魔王め再び力を増してきたようですね。うぐぐ。もう時間がありません。勇者トモ。次なら目的地は、雪原地帯、スノーフィールド。その地で、虐げられる獣人の国、ビーストタウンの解放を」

 スノーフィールド、雪原の殺戮者、スノーフォックスたちが幅を効かせる台地で、この地方を治めているのは、ライオウと呼ばれる強欲と暴食を兼ね備える獅子王だ。

 ダクドラには中ボスが1人とボスが4人とラスボスという構成で、合計で戦うボスは6人しかいない。

 本来は魔法城の魔王の玉座の前を守るリザードマンのガイル。

 魔王のいる地方と王都エインヘリヤルのある地方を唯一繋ぐ洞窟に罠を張って、根城としているゴブリンのリード。

 雪原にあるビーストタウンを根城とし、住民を強欲と暴力で支配する獅子の獣人であるライオウ。

 そして、ボスの中で紅一点、火山地方に居を構えるラミアの名前なんだったかな?

 えーっと。

 異名は覚えてるんだよ。

 そうこのボスだけ、なんと戦わずにクリアできるんだよ。

 そこからRTA走者が付けた異名がラミムシ。

 無視できるボスでラミアだからラミムシ。

 そして、戦わずにクリアできるということは無視されやすい存在で、まぁ簡単に言うと影が薄いんだ。

 名前は、そうだった。

 ラミアのビビアンだ。

 ふぅ、思い出してスッキリした。

 じゃなくて、要は次はビーストタウンを防衛しろってことか。

 いや、向こうの本拠地だから防衛じゃないよな?

 ということは侵攻しろってこと!?

 マジか。

 村と王都を守る戦力も必要だろうし、どうしようか?

 取り敢えず、ゴブリンのリードは今回は退けたって事で、クリアかな。

 親父もこのことは聞いてるだろうし、帰って相談だな。
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