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最終章 第二幕
第27話 人魔戦争(枝垂桜海洋国家編)
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第二陣の猪族も枝垂桜海洋国家へ降伏したことを聞き、怒り散らすキャットジー。
「にゃにゃにゃ!?エレファントムだけでなくボアールまで討ち死にしたにゃと!?そして象族に続き猪族まで降伏。全く獣人族の風上にもおけん奴らにゃ。ホースメン、ドッグレイ、お前たちの第三陣で次こそ人間共に思い知らせてやるのにゃ」
「任されたヒヒーン」
「破滅へのカウントダウンワン」
相変わらずにゃという語尾のせいで怒っているのだがそんなに怖くもない。ホースメンとドッグレイ率いる第三陣の突撃を受け止めるのは、徳川、北条、今川である。またお得意の獣人族による降伏した獣人族への怒号が飛び交った。
「情けない奴らヒヒーン。大将が負け、仇を打とうともせず降るなんて本当に情けない奴らヒヒーン」
「そんな情けない奴らに最後のチャンスをあげるワン。今そこにいる人間共に反旗を翻し、こっちに戻ってくるならキャットジーに許しを乞うてやるワン」
ザワザワと悩み出す面々に織田が言う。
「笑止、お前たち獣人至上主義が裏切りを許すはずなど無かろう。コイツらは孤立となり俺を頼ったのだ。俺は一度攻めてきたコイツらでも喜んで迎え入れよう。だが貴様らは裏切り者を許しはしない。ワシの家族に暴言を吐きそちらこそタダで帰れると思わんことだ。狸よ犬と馬を蹴散らして参れ」
「ハハァ」
「今戻ってこなかったことを後悔させてやるヒヒーン」
「ワンワン。今から貴様らを引き裂くのが楽しみワン」
馬族と犬族による突撃が開始される迎え撃つ徳川。
「綱康、義真、頼りにしておるぞ」
織田より枝垂桜海洋国家の東国を任されている徳川には2人の優秀な臣下が居た。どちらも元は織田の敵対勢力だったが降った者たちで、名を北条綱康、今川義真という。
「大殿に刃向かい許してくださった恩を返す時、殿のため精一杯働かせてもらいますぞ」
「さて。弓取と言われた力見せつけるとしますかね」
今川は弓兵隊を指揮し矢の雨を降らせる。北条は、堅牢な歩兵隊で攻め寄せる犬族と馬族を防いだ。
「この程度の矢なんて効かないヒヒーン」
「ジグザグ走行で避けるワン」
「義真、形無しであるな」
「殿、あれで良いのです」
「よくはないぞ。ワシの負担が増えるであろうが」
北条の堅牢な歩兵隊に阻まれて進軍できない犬族と馬族がどんどんそこに集まる。
「今だ、後方めがけて火を射かけよ」
火矢により、後方の森林地帯から火が燃え広がりつっかえてそれ以上進めない後方にいた犬族と馬族に火が業火となり襲いかかる。
アツイアツイと獣人たちを覆う毛にも燃え広がりどんどんと焼け焦げる。
「こんがり焼けましたってか」
「えぇ、殿、馬肉は美味しいと聞きます」
「いや、俺はレア派だ」
「じゃあ、ワシが全部食っちゃおうかなぁ」
「良いですねぇ。では殿は抜きで綱康殿と美味しくいただくとしましょう。命ある者等しく食さねばなりませんから」
焼け焦げた死体の肉を食い始める所業に他の犬族と馬族が恐怖に駆られる。
「意外と犬の肉も何というか食べられますねぇ」
「うむ。ワシは肉なら何でも良いぞ。人肉以外ならな」
「ワシは鯛の天ぷらで十分じゃ」
「殿は本当に鯛が好きですなぁ」
「大河好きですなぁ」
「大河?鯛が釣れるのは海であろう」
「大きい河で海なのでは?」
「それはちと違うであろう」
「そうですか?」
「そうじゃ」
それを見つめるホースメンとドッグレイは、馬族と犬族に命令する。
「ワシらの同胞を平然と食う姿を見せられて恐怖に怯えるだけかヒヒーン」
「仇を取ってやれワン」
その言葉を受け、突撃を開始するがいつの間に仕掛けたのかわからない火罠トラップを踏みどんどんと焼けていく犬族と馬族。
「うーんじっとしているだけで肉食い放題とは最高じゃ」
「えぇ。何の策もなく敵のど真ん中で食べるわけないじゃないですか」
「コイツらが味方で良かった」
「何か言いましたかな殿」
「いんやなんにも」
「うわすってますが」
「何でもないと申しておるであろうが」
「まぁ、良いでしょう」
同胞を喰われて怒りが頂点に達したホースメンとドッグレイがとうとう我慢できず突撃を開始する。
「はーい、敵大将が釣れました」
「モグモグ。モグモグ。モグモグ」
「ええい何言ってるかわからぬわ。食い終わってから話せ」
「モグモグ。モグモグ。ゲップ。殿、あの2人ワシと義真で討ち取らせてもらいますぞ」
「うむ。頼んだ(俺何にもしてなくない。まぁ部下が優秀で助かるのだが)」
「よくも我が同胞たちを、許さないヒヒーン」
「怒りに身を任せて突撃とはこれが貴方方を誘き出す策とも知らず御苦労なことです」
「同胞たちの無念晴らさせてもらうワン」
だがホースメンもドッグレイもその場から動けなかった。
「どうしました?気付きました?」
「この2人の肉の味はどうであろうな」
2人ともトラバサミにみっちりと足を取られて動けなくなっていた。恐怖の顔を浮かべたまま近づいてくる2人の顔を見ていた。
「一応、大殿から聞けって言われてるから聞くぞ」
「死にたくないヒヒーン。降伏するヒヒーン」
「俺も喰われるなんてごめんワン。降伏するワン」
「よーしよし、戦力増強っと」
「これでうちの殿が一番の戦果となりましょう。なんたって敵の将軍クラスを2人降伏なのですから」
犬族と馬族は2人の降伏を聞き次々と降伏したのであった。
「にゃにゃにゃ!?エレファントムだけでなくボアールまで討ち死にしたにゃと!?そして象族に続き猪族まで降伏。全く獣人族の風上にもおけん奴らにゃ。ホースメン、ドッグレイ、お前たちの第三陣で次こそ人間共に思い知らせてやるのにゃ」
「任されたヒヒーン」
「破滅へのカウントダウンワン」
相変わらずにゃという語尾のせいで怒っているのだがそんなに怖くもない。ホースメンとドッグレイ率いる第三陣の突撃を受け止めるのは、徳川、北条、今川である。またお得意の獣人族による降伏した獣人族への怒号が飛び交った。
「情けない奴らヒヒーン。大将が負け、仇を打とうともせず降るなんて本当に情けない奴らヒヒーン」
「そんな情けない奴らに最後のチャンスをあげるワン。今そこにいる人間共に反旗を翻し、こっちに戻ってくるならキャットジーに許しを乞うてやるワン」
ザワザワと悩み出す面々に織田が言う。
「笑止、お前たち獣人至上主義が裏切りを許すはずなど無かろう。コイツらは孤立となり俺を頼ったのだ。俺は一度攻めてきたコイツらでも喜んで迎え入れよう。だが貴様らは裏切り者を許しはしない。ワシの家族に暴言を吐きそちらこそタダで帰れると思わんことだ。狸よ犬と馬を蹴散らして参れ」
「ハハァ」
「今戻ってこなかったことを後悔させてやるヒヒーン」
「ワンワン。今から貴様らを引き裂くのが楽しみワン」
馬族と犬族による突撃が開始される迎え撃つ徳川。
「綱康、義真、頼りにしておるぞ」
織田より枝垂桜海洋国家の東国を任されている徳川には2人の優秀な臣下が居た。どちらも元は織田の敵対勢力だったが降った者たちで、名を北条綱康、今川義真という。
「大殿に刃向かい許してくださった恩を返す時、殿のため精一杯働かせてもらいますぞ」
「さて。弓取と言われた力見せつけるとしますかね」
今川は弓兵隊を指揮し矢の雨を降らせる。北条は、堅牢な歩兵隊で攻め寄せる犬族と馬族を防いだ。
「この程度の矢なんて効かないヒヒーン」
「ジグザグ走行で避けるワン」
「義真、形無しであるな」
「殿、あれで良いのです」
「よくはないぞ。ワシの負担が増えるであろうが」
北条の堅牢な歩兵隊に阻まれて進軍できない犬族と馬族がどんどんそこに集まる。
「今だ、後方めがけて火を射かけよ」
火矢により、後方の森林地帯から火が燃え広がりつっかえてそれ以上進めない後方にいた犬族と馬族に火が業火となり襲いかかる。
アツイアツイと獣人たちを覆う毛にも燃え広がりどんどんと焼け焦げる。
「こんがり焼けましたってか」
「えぇ、殿、馬肉は美味しいと聞きます」
「いや、俺はレア派だ」
「じゃあ、ワシが全部食っちゃおうかなぁ」
「良いですねぇ。では殿は抜きで綱康殿と美味しくいただくとしましょう。命ある者等しく食さねばなりませんから」
焼け焦げた死体の肉を食い始める所業に他の犬族と馬族が恐怖に駆られる。
「意外と犬の肉も何というか食べられますねぇ」
「うむ。ワシは肉なら何でも良いぞ。人肉以外ならな」
「ワシは鯛の天ぷらで十分じゃ」
「殿は本当に鯛が好きですなぁ」
「大河好きですなぁ」
「大河?鯛が釣れるのは海であろう」
「大きい河で海なのでは?」
「それはちと違うであろう」
「そうですか?」
「そうじゃ」
それを見つめるホースメンとドッグレイは、馬族と犬族に命令する。
「ワシらの同胞を平然と食う姿を見せられて恐怖に怯えるだけかヒヒーン」
「仇を取ってやれワン」
その言葉を受け、突撃を開始するがいつの間に仕掛けたのかわからない火罠トラップを踏みどんどんと焼けていく犬族と馬族。
「うーんじっとしているだけで肉食い放題とは最高じゃ」
「えぇ。何の策もなく敵のど真ん中で食べるわけないじゃないですか」
「コイツらが味方で良かった」
「何か言いましたかな殿」
「いんやなんにも」
「うわすってますが」
「何でもないと申しておるであろうが」
「まぁ、良いでしょう」
同胞を喰われて怒りが頂点に達したホースメンとドッグレイがとうとう我慢できず突撃を開始する。
「はーい、敵大将が釣れました」
「モグモグ。モグモグ。モグモグ」
「ええい何言ってるかわからぬわ。食い終わってから話せ」
「モグモグ。モグモグ。ゲップ。殿、あの2人ワシと義真で討ち取らせてもらいますぞ」
「うむ。頼んだ(俺何にもしてなくない。まぁ部下が優秀で助かるのだが)」
「よくも我が同胞たちを、許さないヒヒーン」
「怒りに身を任せて突撃とはこれが貴方方を誘き出す策とも知らず御苦労なことです」
「同胞たちの無念晴らさせてもらうワン」
だがホースメンもドッグレイもその場から動けなかった。
「どうしました?気付きました?」
「この2人の肉の味はどうであろうな」
2人ともトラバサミにみっちりと足を取られて動けなくなっていた。恐怖の顔を浮かべたまま近づいてくる2人の顔を見ていた。
「一応、大殿から聞けって言われてるから聞くぞ」
「死にたくないヒヒーン。降伏するヒヒーン」
「俺も喰われるなんてごめんワン。降伏するワン」
「よーしよし、戦力増強っと」
「これでうちの殿が一番の戦果となりましょう。なんたって敵の将軍クラスを2人降伏なのですから」
犬族と馬族は2人の降伏を聞き次々と降伏したのであった。
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