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最終章 第二幕
第21話 人魔戦争(エルフェアリーナ王国編)
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北門を守るエイミー女王陛下の前衛はオークとエルフとの間に産まれた魔素に耐性のあるダークエルフの部隊長リーフの率いる精鋭ダクルフとその兄で魔頂村から援軍に駆けつけたオークのダスティル率いるオーク騎馬兵の精鋭単槍匹馬が左右に展開し、後衛にはオークと交わり耐性を得たエルフのリンが率いるエルフ弓兵隊の精鋭が展開した。
「リンちゃんが参戦してくれるなんてね。ラスがずっと文句言ってたわね。クスクス」
「おじいちゃんは心配性なんですよ。私は魔素に耐性がありますからそうじゃなければこんな危ない場所にクレオ様が援軍に派遣しませんよ」
「確かにそうね。思えば、レオンダイトには、ダークエルフという宝物を貰い。その息子のクレオちゃんからはオークとエルフの邂逅という宝物を貰ったわね。私も久々に聖剣グングニルを奮って暴れるとしましょうか」
「久々ゆえ我の扱い方を忘れてはありませぬでしょうな」
「まぁ失礼しちゃうわね。大丈夫よ。普段から鍛錬は欠かしてないもの」
「我以外でですかな」
「もう。煩いわね。拗ねないの。可愛い顔が台無しよ」
「むぅ」
「安心してください。陛下の御身はダクルフが御守りいたします」
「頼りにしているわよリーフちゃん」
「はっ、お任せを」
「エイミー女王陛下、左右は我らオーク騎兵が務めよう」
「ダスティル、この度の援軍ありがとうございます。頼りにさせてもらいますね」
「クレオ様に恥をかかせるわけには参りませんからな。必ずや敵軍を駆逐してくれよう。お前ら槍にクレオ様から頂いた魔素を砕く粉は塗ったか」
「勿論だダスティル団長。俺たちオーク騎兵の強さ見せつけてやろうぜ」
「ランス副団長に続け~オオオオオオ」
「無茶しないでねダスティル」
「リン、お前もな。本当は前線に出てほしく無いが言って聞くような俺の妻では無いからな」
「えぇ、みんなで生きて、魔頂村に帰り子供達に自慢してやりましょう」
「そうよ。父だけじゃなくて母も強しってね」
「ナチュラ副団長、違いないわね」
混成とは思えないほどエルフとオークとダークエルフの連携と士気は高かった。対するモルドレッド率いる本隊の全ては暗黒兵。自身も100の眼を持つ怪物となり魂を喰らう異形の姿となっていた。
「ケッケッケッケ。魔王様に刃向かうエルフ共を奴隷にして魔王様に捧げ、もっともっと魔素をこの身に宿すのだ。全軍すすめぇーーーーーーーー」
「モルドレッド様のために」
進軍を開始したランスホース帝国軍を迎え撃つ前衛はダークエルフたちだ。
「来るぞ、防御陣形にて展開せよ。慌てず受け止めて確実に数を減らすのだ」
「モルドレッド様のために」
「助けてやることはできない。すまない。これで解放になれば良いが」
リーフたちもダスティルから渡された魔素を浄化するという粉を武器に塗っていた。それに刺された暗黒兵たちが浄化されるが魂はモルドレッドの元に戻り喰われる。そしてそれを吐き出すとまた暗黒兵が産まれた。
「そんな、これじゃあ。どうやって数を減らせば良いの」
「ケッケッケッケ。対魔素があれどもこの俺の新しき力の前では無力よ。圧倒的兵力の前にひれ伏すが良いエルフ共」
オークの精鋭騎兵を率いるダスティルが狼狽えるリーフを叱責する。
「狼狽えるな。暗黒兵を斬りその魂がモルドレッドの元に戻るのなら本隊を叩けば良いだけだ。心配するなこの兄が本隊を引き受けてやる。行くぞお前らオーク騎兵が通った道は」
「血塗れ」
「そうだ、行くぞ」
「オオオオオオ」
「兄上、お気をつけください」
「あぁ、リーフ。兄妹として共に戦うのだ。露払いは兄に任せよ」
オーク騎兵の通り道を邪魔する暗黒兵が蹂躙される。
「所詮は考えることを奪われたデク人形だ。踏み潰してしまえ」
その魂は天へと帰ることなくモルドレッドの元に集まり喰われるとまた暗黒兵として産み出される。
「ケッケッケッケ。ムダムダムダ。この俺のこの能力がある限り此奴らは闇に囚われた俺の奴隷よ。考えることができないデク人形はちと心に刺さったからよ。ククク。これならどうだ」
新たに産み出された3人は暗黒に包まれているが明らかに他の暗黒兵と何かが違う。
「アレもデク人形と変わらん。行くぜ」
ランスの突撃を器用に避けた新たに産み出された暗黒兵は唖然とするランスに一太刀を浴びせようとした。
「うお。危ねぇ」
「何だ。あの動きは。他の暗黒兵と明らかに違う」
「ケッケッケッケ。驚いたかい。多くの暗黒兵は一般兵士と農民共だ。避けるなんてせずに突撃するしかできない能無しよ。でもなぁ。将軍とか指揮官クラスだと違うんだなぁコレが。もっと早くに気づいておくべきだった。その点に関しては、クソ親父の側近だったモルガンに感謝だな。アイツのおかげで知った俺は暗黒将軍としてアイツが殺した3人を新たに暗黒将軍として産み出してやったのさ。行けトリスタン、パロミデス、ボールス」
「モルドレッド様のために」
モルドレッドの解説を聞き暗黒将軍を見ていたオーク騎兵の目の色が変わったのだった。
「リンちゃんが参戦してくれるなんてね。ラスがずっと文句言ってたわね。クスクス」
「おじいちゃんは心配性なんですよ。私は魔素に耐性がありますからそうじゃなければこんな危ない場所にクレオ様が援軍に派遣しませんよ」
「確かにそうね。思えば、レオンダイトには、ダークエルフという宝物を貰い。その息子のクレオちゃんからはオークとエルフの邂逅という宝物を貰ったわね。私も久々に聖剣グングニルを奮って暴れるとしましょうか」
「久々ゆえ我の扱い方を忘れてはありませぬでしょうな」
「まぁ失礼しちゃうわね。大丈夫よ。普段から鍛錬は欠かしてないもの」
「我以外でですかな」
「もう。煩いわね。拗ねないの。可愛い顔が台無しよ」
「むぅ」
「安心してください。陛下の御身はダクルフが御守りいたします」
「頼りにしているわよリーフちゃん」
「はっ、お任せを」
「エイミー女王陛下、左右は我らオーク騎兵が務めよう」
「ダスティル、この度の援軍ありがとうございます。頼りにさせてもらいますね」
「クレオ様に恥をかかせるわけには参りませんからな。必ずや敵軍を駆逐してくれよう。お前ら槍にクレオ様から頂いた魔素を砕く粉は塗ったか」
「勿論だダスティル団長。俺たちオーク騎兵の強さ見せつけてやろうぜ」
「ランス副団長に続け~オオオオオオ」
「無茶しないでねダスティル」
「リン、お前もな。本当は前線に出てほしく無いが言って聞くような俺の妻では無いからな」
「えぇ、みんなで生きて、魔頂村に帰り子供達に自慢してやりましょう」
「そうよ。父だけじゃなくて母も強しってね」
「ナチュラ副団長、違いないわね」
混成とは思えないほどエルフとオークとダークエルフの連携と士気は高かった。対するモルドレッド率いる本隊の全ては暗黒兵。自身も100の眼を持つ怪物となり魂を喰らう異形の姿となっていた。
「ケッケッケッケ。魔王様に刃向かうエルフ共を奴隷にして魔王様に捧げ、もっともっと魔素をこの身に宿すのだ。全軍すすめぇーーーーーーーー」
「モルドレッド様のために」
進軍を開始したランスホース帝国軍を迎え撃つ前衛はダークエルフたちだ。
「来るぞ、防御陣形にて展開せよ。慌てず受け止めて確実に数を減らすのだ」
「モルドレッド様のために」
「助けてやることはできない。すまない。これで解放になれば良いが」
リーフたちもダスティルから渡された魔素を浄化するという粉を武器に塗っていた。それに刺された暗黒兵たちが浄化されるが魂はモルドレッドの元に戻り喰われる。そしてそれを吐き出すとまた暗黒兵が産まれた。
「そんな、これじゃあ。どうやって数を減らせば良いの」
「ケッケッケッケ。対魔素があれどもこの俺の新しき力の前では無力よ。圧倒的兵力の前にひれ伏すが良いエルフ共」
オークの精鋭騎兵を率いるダスティルが狼狽えるリーフを叱責する。
「狼狽えるな。暗黒兵を斬りその魂がモルドレッドの元に戻るのなら本隊を叩けば良いだけだ。心配するなこの兄が本隊を引き受けてやる。行くぞお前らオーク騎兵が通った道は」
「血塗れ」
「そうだ、行くぞ」
「オオオオオオ」
「兄上、お気をつけください」
「あぁ、リーフ。兄妹として共に戦うのだ。露払いは兄に任せよ」
オーク騎兵の通り道を邪魔する暗黒兵が蹂躙される。
「所詮は考えることを奪われたデク人形だ。踏み潰してしまえ」
その魂は天へと帰ることなくモルドレッドの元に集まり喰われるとまた暗黒兵として産み出される。
「ケッケッケッケ。ムダムダムダ。この俺のこの能力がある限り此奴らは闇に囚われた俺の奴隷よ。考えることができないデク人形はちと心に刺さったからよ。ククク。これならどうだ」
新たに産み出された3人は暗黒に包まれているが明らかに他の暗黒兵と何かが違う。
「アレもデク人形と変わらん。行くぜ」
ランスの突撃を器用に避けた新たに産み出された暗黒兵は唖然とするランスに一太刀を浴びせようとした。
「うお。危ねぇ」
「何だ。あの動きは。他の暗黒兵と明らかに違う」
「ケッケッケッケ。驚いたかい。多くの暗黒兵は一般兵士と農民共だ。避けるなんてせずに突撃するしかできない能無しよ。でもなぁ。将軍とか指揮官クラスだと違うんだなぁコレが。もっと早くに気づいておくべきだった。その点に関しては、クソ親父の側近だったモルガンに感謝だな。アイツのおかげで知った俺は暗黒将軍としてアイツが殺した3人を新たに暗黒将軍として産み出してやったのさ。行けトリスタン、パロミデス、ボールス」
「モルドレッド様のために」
モルドレッドの解説を聞き暗黒将軍を見ていたオーク騎兵の目の色が変わったのだった。
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