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最終章 第二幕
第17話 人魔戦争(エルフェアリーナ王国編)
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南門が破られるかに思えたその時ワイバーン共に突き刺さる槍の嵐。それにより次々とワイバーン共が落ちて動かなくなる。
「間に合ってよかったです」
「モネ、」
「叔父様、御無事で何よりです。ここからは私も祖国のためお力をお貸しいたしますわね。ロンゴミニアト、槍の嵐となり貫け」
ウルゼはロンゴミニアトに跨ってやってきたモネにただただ驚愕するだけだった。
「モネ様は、聖剣使いが荒いですな」
「もーう、私のこと認めたんでしょ。だったらとっととこの戦況を打開するの」
「うむ。了解した」
聖剣は使う物により反対の性別となるゆえ現在のロンゴミニアトに宿るフェアリーエンジェルは女性ではなく男性だ。飛んでいくロンゴミニアトが分身して、ワイバーン共に突き刺さる。それは、的確に急所を捉えていた。だがワイバーン共もやられるままではない。旋回行動をとり槍を避け得意顔になる1匹のワイバーンの背に交わしたはずの槍が刺さる。それも的確に急所を貫く形で。
「槍には追尾できないとでも思ったのか龍もどき」
「ギョェーーーー」
バタバタとやられるワイバーンを見て、恐怖を感じたワイバーンは逃げ始めるがその差を容赦なくロンゴミニアトが貫いていく。
「ロンゴミニアト、御苦労様」
「フン。あの程度造作もないことだ」
「もーう、褒められたらありがとうでしょ。ツンツンしないの」
「えぇいやめぬか小娘」
「それにワイバーンのお肉って超美味しいんだよ。クレオ様に届けて、調理してもらわなきゃ」
「えぇい、やめんか小娘。よだれがかかっておるではないか」
「南門の修復を急げ。お前たち」
その言葉を聞き、グィネヴィア隊にいたスケルトンたちが機敏に動き始める。そうサモンがモネと共に来たのだ。
「無事かウルゼ」
「兄上、婿殿の元からこちらへいらしていたのですか?」
「うむ。親父殿に頼まれてな」
「それではクレオ様が」
「安心せよ。あの場にはシュテン殿が居られる。そう簡単に親父殿に手を出せる輩はおらんよ」
「そうですか(いやいや婿殿は何を考えておられるのだ。魔頂村の兵数の半数を各国へ救援に派遣するなど)」
「おい、そこ骨を痛めておるようだな。こっちヘ来い治療してやろう」
その言葉を聞き、嬉しそうにサモンの元に駆け寄るスケルトンたち。
「よく、やってくれたな。元王国兵たちよ。貴殿らをこのような姿にした俺のことを恨んでいるものもいるだろうが許せ」
「アンブロシウス様を恨むものなどおりませぬ。それに我らは王国兵としての誇りを持ったまま亡くなりこうしてスケルトンとなりましたが変わらず意思を持てているのです感謝こそあれ恨むことなどありません」
「そうか、貴殿らの忠節に感謝する。これからもウルゼを支えてやってくれ」
「それは一体」
「もう、俺に紐付けされることはない。好きなところに行ってもお前たちの意識はそのままということだ。だが、月に一度はメンテナンスに俺の元へ訪れるのだ。後、親父殿から渡されたミミ殿のミルクも1週間に一度忘れずに飲むのだぞ」
「はい。アンブロシウス様、感謝いたします」
「良いのだ。これが俺にできるお前たちをスケルトンに変えてしまった罪滅ぼしなのだから」
「いえ、この姿になったからわかったこともあります。魔族であれいい奴はいると。クレオ様みたいな。そうだろオメェら」
「あぁ、違いねぇ」
「あの方のおかげで魔頂村での生活は楽しかった」
「それに懐かしい御方とも再会できたしな」
「感謝こそあれ恨んだことなどねぇよ」
「お前たち、では南門の修復が終わり次第俺は親父殿の元に帰る。ウルゼ、こいつらのことも頼んだぞ」
「兄上、了解いたしました。兄上も月に一度は尋ねに来てくだされ」
「うむ。この戦が終わり平和となったら善処しよう」
モネとサモンによりワイバーンは駆逐され、壊された南門もサモンにより修復されることとなる。その時にはラモラックも終わりの時を迎えていた。
「(何故だ。何故。人間如きに我が暗黒軍団がやられるのだ。ワイバーンもあのでたらめなハーフサキュバスにやられ、もう少しで壊せたはずの南門はあの頭に王冠を被りマントを羽織ったスケルトンに修復された。アーサーとランスロットにも間近に迫られた)冗談じゃねぇ」
「じ ょ う だ ん な ん か じ ゃ ね ぇ よ」
「お前、串刺しにされてまだ生きてやがったのか。せめてお前だけでも道連れに」
「させん」
「させるか」
ガウェインのか細い声が不思議とアーサーとランスロットに聞こえていた。そして、2人による連携により、腕を切り落とされるラモラック。どさりと落ちるガウェイン。
「グァぁぁダァダァゴォぁぉぁぉ」
「お い お い お れ は け が に ん だ ぜ。も っ と て い ね い に」
「うるせぇ。もうしゃべんじゃねぇよ」
「お い あ ー さ ー な に な い て ん だ よ」
「ないてねぇよ。もうちょっと我慢してくれ。すぐ片付けるからよ」
「あ ぁ」
「ゆるざねぇぞぉぉぉぉぉ。よくも俺の腕を腕を。殺してやる。殺してやる」
「まるで小物のセリフだな」
「違いねぇ。ランスロット、決めるぞ」
「あぁ」
ランスロットとアーサーによる聖剣による一撃がラモラックを切り裂いた。
「ガァダァガァガァガァがぃぁぉぉぉお(何故だ。何故。身体が再生しない。まさかこれも聖剣の力だと言うのか?憎い憎いぞガウェイン、アーサー、ランスロット)」
ラモラックは人とは思えない咆哮を上げながら絶命したのだった。こうして、一年に及ぶ南門の攻防が終わりを迎えた。
「間に合ってよかったです」
「モネ、」
「叔父様、御無事で何よりです。ここからは私も祖国のためお力をお貸しいたしますわね。ロンゴミニアト、槍の嵐となり貫け」
ウルゼはロンゴミニアトに跨ってやってきたモネにただただ驚愕するだけだった。
「モネ様は、聖剣使いが荒いですな」
「もーう、私のこと認めたんでしょ。だったらとっととこの戦況を打開するの」
「うむ。了解した」
聖剣は使う物により反対の性別となるゆえ現在のロンゴミニアトに宿るフェアリーエンジェルは女性ではなく男性だ。飛んでいくロンゴミニアトが分身して、ワイバーン共に突き刺さる。それは、的確に急所を捉えていた。だがワイバーン共もやられるままではない。旋回行動をとり槍を避け得意顔になる1匹のワイバーンの背に交わしたはずの槍が刺さる。それも的確に急所を貫く形で。
「槍には追尾できないとでも思ったのか龍もどき」
「ギョェーーーー」
バタバタとやられるワイバーンを見て、恐怖を感じたワイバーンは逃げ始めるがその差を容赦なくロンゴミニアトが貫いていく。
「ロンゴミニアト、御苦労様」
「フン。あの程度造作もないことだ」
「もーう、褒められたらありがとうでしょ。ツンツンしないの」
「えぇいやめぬか小娘」
「それにワイバーンのお肉って超美味しいんだよ。クレオ様に届けて、調理してもらわなきゃ」
「えぇい、やめんか小娘。よだれがかかっておるではないか」
「南門の修復を急げ。お前たち」
その言葉を聞き、グィネヴィア隊にいたスケルトンたちが機敏に動き始める。そうサモンがモネと共に来たのだ。
「無事かウルゼ」
「兄上、婿殿の元からこちらへいらしていたのですか?」
「うむ。親父殿に頼まれてな」
「それではクレオ様が」
「安心せよ。あの場にはシュテン殿が居られる。そう簡単に親父殿に手を出せる輩はおらんよ」
「そうですか(いやいや婿殿は何を考えておられるのだ。魔頂村の兵数の半数を各国へ救援に派遣するなど)」
「おい、そこ骨を痛めておるようだな。こっちヘ来い治療してやろう」
その言葉を聞き、嬉しそうにサモンの元に駆け寄るスケルトンたち。
「よく、やってくれたな。元王国兵たちよ。貴殿らをこのような姿にした俺のことを恨んでいるものもいるだろうが許せ」
「アンブロシウス様を恨むものなどおりませぬ。それに我らは王国兵としての誇りを持ったまま亡くなりこうしてスケルトンとなりましたが変わらず意思を持てているのです感謝こそあれ恨むことなどありません」
「そうか、貴殿らの忠節に感謝する。これからもウルゼを支えてやってくれ」
「それは一体」
「もう、俺に紐付けされることはない。好きなところに行ってもお前たちの意識はそのままということだ。だが、月に一度はメンテナンスに俺の元へ訪れるのだ。後、親父殿から渡されたミミ殿のミルクも1週間に一度忘れずに飲むのだぞ」
「はい。アンブロシウス様、感謝いたします」
「良いのだ。これが俺にできるお前たちをスケルトンに変えてしまった罪滅ぼしなのだから」
「いえ、この姿になったからわかったこともあります。魔族であれいい奴はいると。クレオ様みたいな。そうだろオメェら」
「あぁ、違いねぇ」
「あの方のおかげで魔頂村での生活は楽しかった」
「それに懐かしい御方とも再会できたしな」
「感謝こそあれ恨んだことなどねぇよ」
「お前たち、では南門の修復が終わり次第俺は親父殿の元に帰る。ウルゼ、こいつらのことも頼んだぞ」
「兄上、了解いたしました。兄上も月に一度は尋ねに来てくだされ」
「うむ。この戦が終わり平和となったら善処しよう」
モネとサモンによりワイバーンは駆逐され、壊された南門もサモンにより修復されることとなる。その時にはラモラックも終わりの時を迎えていた。
「(何故だ。何故。人間如きに我が暗黒軍団がやられるのだ。ワイバーンもあのでたらめなハーフサキュバスにやられ、もう少しで壊せたはずの南門はあの頭に王冠を被りマントを羽織ったスケルトンに修復された。アーサーとランスロットにも間近に迫られた)冗談じゃねぇ」
「じ ょ う だ ん な ん か じ ゃ ね ぇ よ」
「お前、串刺しにされてまだ生きてやがったのか。せめてお前だけでも道連れに」
「させん」
「させるか」
ガウェインのか細い声が不思議とアーサーとランスロットに聞こえていた。そして、2人による連携により、腕を切り落とされるラモラック。どさりと落ちるガウェイン。
「グァぁぁダァダァゴォぁぉぁぉ」
「お い お い お れ は け が に ん だ ぜ。も っ と て い ね い に」
「うるせぇ。もうしゃべんじゃねぇよ」
「お い あ ー さ ー な に な い て ん だ よ」
「ないてねぇよ。もうちょっと我慢してくれ。すぐ片付けるからよ」
「あ ぁ」
「ゆるざねぇぞぉぉぉぉぉ。よくも俺の腕を腕を。殺してやる。殺してやる」
「まるで小物のセリフだな」
「違いねぇ。ランスロット、決めるぞ」
「あぁ」
ランスロットとアーサーによる聖剣による一撃がラモラックを切り裂いた。
「ガァダァガァガァガァがぃぁぉぉぉお(何故だ。何故。身体が再生しない。まさかこれも聖剣の力だと言うのか?憎い憎いぞガウェイン、アーサー、ランスロット)」
ラモラックは人とは思えない咆哮を上げながら絶命したのだった。こうして、一年に及ぶ南門の攻防が終わりを迎えた。
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