161 / 220
最終章 第二幕
第10話 人魔戦争(ドラグーン飛空挺団編)
しおりを挟む
ドラグーン飛空挺団と魔王国の戦いは、膠着状態に入り1年を迎えようとしていた。魔王国の全世界同時侵攻に対し、迎え撃っていたドラグーン飛空挺団は、この期間、敵の援軍もこちらの援軍もないことをデュラハムは安心と心配の入り混じった感情を抱いていた。それはどの国も滅んでいないことの確認でもあり、同時にどの国も戦が終わっていないことの確認でもあったからだ。現在ドラグーン飛空挺団が防衛をしている地は、高い山々に囲まれている聖龍の谷と違い滝や川、森などの自然が豊かな地である。この自然を傷つけず、敵を倒していた。
「開戦して1年か。向こうにも援軍はないがこちらにも援軍は無い。どうなっているのかわからぬが崩れればそこから崩されるだろう。何としても耐えねばならぬ」
「何を悩んでおられるのです」
「ドラミスト。なんとか耐えている状況に少し辟易してしまってな」
「では、思い切って」
その時、血相を変えた竜騎士が入ってきた。
「デュラハム様、邪竜族です。敵に邪竜族の援軍が現れました」
「なんだと!?ということはドラグラム王は、負けたのか」
「デュラハム様の提案を聞き入れなかった時点で父上の運命は決まっていたのでしょう。姉上や母上は」
「それが、邪竜族の奴隷として連れられているどころか皆、邪竜族の子供を戦場に産み落としておられます」
「まずいかもしれません。お前たちもこうしてやるという脅しです。聖龍の士気が下がるかも」
「なんということをすぐにお助けせねば」
「なりませぬ。邪竜族に犯された聖龍は邪竜に変化するのです。それが戻ることは2度とありません。姉上や母上のことを思うのであれば、これ以上苦しまぬように命を断つべきです」
「しかし、それではあまりにも」
「躊躇いは、まだ無事なここにいる私たちをも巻き込むことになります。父上や母上、姉上もいない以上、ここにいる私たちが聖龍族の最後の生き残りなのです。デュラハム様、御決断を」
「わかった。全軍に通達せよ。邪竜族を迎え撃て。悪魔から救ってやるのだ」
「はっ」
そう、聖龍の谷を攻略して、ドラムスを気絶させた邪竜族の男は1年かけて、聖龍共を邪竜に染め上げていった。初めは意味がわからなかったがドラグラムの妻だった者や娘の姿が邪竜に変わったあたりから理解したこの男は徹底的に聖龍共を凌辱し、邪竜を産み落としさせ続けた。この結果、どんどん聖龍が邪竜に変わったどころか従順になり、可愛くなってくる。この邪竜族の男はドラグラムの妻と娘を自分専用にした。そう邪竜族になったあたりから2人を優しく愛してやった。そうすることで身も心も依存させたのだ。この邪竜族の男の名をドラブラと言い。ドラムスの兄に当たる。本来次の丞相になるはずだったのだが新魔王に丞相に任命されたのは妹のドラムスだった。そいつは女だとアンドレに言うとそれがどうしたと言われ、屈辱を味わったドラブラは、聖龍の谷を滅ぼした後、聖龍の谷で邪竜国家を建国した。勿論魔王国の属国としてだ。それゆえアンドレも罰を与えることはしなかった。いやコマとして使い潰してやろうと苦戦しているドラグーン飛空挺団戦への援軍に向かわせたのだ。
「このような敵に苦戦するとはアンドレの10神将孟徳大したことはないな」
「くっ」
「ならばお前なら簡単にできると言うのだな」
「策もなくどうすると言うのだ」
「まぁ見ていろ」
ドラブラはそう言うと2人の女から新たな邪竜族を産まれさせていた。そしてすぐに次の子を仕込む。
「聖龍がこんなに邪竜と相性が良いとは思わなかった。ククク。僅か1年で邪竜族の数は6倍ぞ。2ヶ月で産み落としてくれるからな」
「あぁん。もっともっとドラブラ様の子を私に」
「母様ばかりずるい。どうか私に」
「ハハハ。愛い奴らめ。安心しろ2人とも抱いてやる」
「あぁん、嬉しい」
「ドラブラ様~ん」
その数がいきなり現れた。しかも空中戦だ。しかも戦場でもどんどん次の邪竜族が産まれる。しかも成長した状態でだ。士気が下がり、あぁはなりたくないと逃げようとする聖龍たちにドラミストが一喝した。
「逃げることは許しません。かつての同族のあのような姿を見て、怯えるのも無理はないでしょう。ですが私たちが逃げてもあの膨れ上がった邪竜族から逃げることなどできません。そう戦い勝つことしか生き残る道はないのです。我らが主人を信じて、敵を撃破するのです」
怯えていた聖龍たちも気合を入れて、邪竜族に攻撃を開始しようとしたその時。大きな空を飛ぶバトルシップが現れた。
「デュラハムの兄ちゃん、すまねぇな。遅れちまってよ。クラフト共和国のガンテツ様が援軍に来てやったぜ。お前らありったけの龍槍をぶちかましてやれぇい」
「ガンテツのおっさん、助かったぜ」
グラフト共和国のバトルシップから繰り出される龍槍により、邪竜たちに甚大な被害が出たのだった。
「おいおい、ふざけやがって、そいつらは俺の邪竜国家の家臣達だぞ。まぁ減らされても増やせば良いだけだからなんの問題もねぇけどよ」
また新たに産まれ出る邪竜族にイタチごっこの様相となるかに思われた。
「開戦して1年か。向こうにも援軍はないがこちらにも援軍は無い。どうなっているのかわからぬが崩れればそこから崩されるだろう。何としても耐えねばならぬ」
「何を悩んでおられるのです」
「ドラミスト。なんとか耐えている状況に少し辟易してしまってな」
「では、思い切って」
その時、血相を変えた竜騎士が入ってきた。
「デュラハム様、邪竜族です。敵に邪竜族の援軍が現れました」
「なんだと!?ということはドラグラム王は、負けたのか」
「デュラハム様の提案を聞き入れなかった時点で父上の運命は決まっていたのでしょう。姉上や母上は」
「それが、邪竜族の奴隷として連れられているどころか皆、邪竜族の子供を戦場に産み落としておられます」
「まずいかもしれません。お前たちもこうしてやるという脅しです。聖龍の士気が下がるかも」
「なんということをすぐにお助けせねば」
「なりませぬ。邪竜族に犯された聖龍は邪竜に変化するのです。それが戻ることは2度とありません。姉上や母上のことを思うのであれば、これ以上苦しまぬように命を断つべきです」
「しかし、それではあまりにも」
「躊躇いは、まだ無事なここにいる私たちをも巻き込むことになります。父上や母上、姉上もいない以上、ここにいる私たちが聖龍族の最後の生き残りなのです。デュラハム様、御決断を」
「わかった。全軍に通達せよ。邪竜族を迎え撃て。悪魔から救ってやるのだ」
「はっ」
そう、聖龍の谷を攻略して、ドラムスを気絶させた邪竜族の男は1年かけて、聖龍共を邪竜に染め上げていった。初めは意味がわからなかったがドラグラムの妻だった者や娘の姿が邪竜に変わったあたりから理解したこの男は徹底的に聖龍共を凌辱し、邪竜を産み落としさせ続けた。この結果、どんどん聖龍が邪竜に変わったどころか従順になり、可愛くなってくる。この邪竜族の男はドラグラムの妻と娘を自分専用にした。そう邪竜族になったあたりから2人を優しく愛してやった。そうすることで身も心も依存させたのだ。この邪竜族の男の名をドラブラと言い。ドラムスの兄に当たる。本来次の丞相になるはずだったのだが新魔王に丞相に任命されたのは妹のドラムスだった。そいつは女だとアンドレに言うとそれがどうしたと言われ、屈辱を味わったドラブラは、聖龍の谷を滅ぼした後、聖龍の谷で邪竜国家を建国した。勿論魔王国の属国としてだ。それゆえアンドレも罰を与えることはしなかった。いやコマとして使い潰してやろうと苦戦しているドラグーン飛空挺団戦への援軍に向かわせたのだ。
「このような敵に苦戦するとはアンドレの10神将孟徳大したことはないな」
「くっ」
「ならばお前なら簡単にできると言うのだな」
「策もなくどうすると言うのだ」
「まぁ見ていろ」
ドラブラはそう言うと2人の女から新たな邪竜族を産まれさせていた。そしてすぐに次の子を仕込む。
「聖龍がこんなに邪竜と相性が良いとは思わなかった。ククク。僅か1年で邪竜族の数は6倍ぞ。2ヶ月で産み落としてくれるからな」
「あぁん。もっともっとドラブラ様の子を私に」
「母様ばかりずるい。どうか私に」
「ハハハ。愛い奴らめ。安心しろ2人とも抱いてやる」
「あぁん、嬉しい」
「ドラブラ様~ん」
その数がいきなり現れた。しかも空中戦だ。しかも戦場でもどんどん次の邪竜族が産まれる。しかも成長した状態でだ。士気が下がり、あぁはなりたくないと逃げようとする聖龍たちにドラミストが一喝した。
「逃げることは許しません。かつての同族のあのような姿を見て、怯えるのも無理はないでしょう。ですが私たちが逃げてもあの膨れ上がった邪竜族から逃げることなどできません。そう戦い勝つことしか生き残る道はないのです。我らが主人を信じて、敵を撃破するのです」
怯えていた聖龍たちも気合を入れて、邪竜族に攻撃を開始しようとしたその時。大きな空を飛ぶバトルシップが現れた。
「デュラハムの兄ちゃん、すまねぇな。遅れちまってよ。クラフト共和国のガンテツ様が援軍に来てやったぜ。お前らありったけの龍槍をぶちかましてやれぇい」
「ガンテツのおっさん、助かったぜ」
グラフト共和国のバトルシップから繰り出される龍槍により、邪竜たちに甚大な被害が出たのだった。
「おいおい、ふざけやがって、そいつらは俺の邪竜国家の家臣達だぞ。まぁ減らされても増やせば良いだけだからなんの問題もねぇけどよ」
また新たに産まれ出る邪竜族にイタチごっこの様相となるかに思われた。
0
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
転生したらやられ役の悪役貴族だったので、死なないように頑張っていたらなぜかモテました
平山和人
ファンタジー
事故で死んだはずの俺は、生前やりこんでいたゲーム『エリシオンサーガ』の世界に転生していた。
しかし、転生先は不細工、クズ、無能、と負の三拍子が揃った悪役貴族、ゲルドフ・インペラートルであり、このままでは破滅は避けられない。
だが、前世の記憶とゲームの知識を活かせば、俺は『エリシオンサーガ』の世界で成り上がることができる! そう考えた俺は早速行動を開始する。
まずは強くなるために魔物を倒しまくってレベルを上げまくる。そうしていたら痩せたイケメンになり、なぜか美少女からモテまくることに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる