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3章 領地改革と帝国の襲来

第15話 街の名前は、、、

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【クレオ視点】

街に帰りホープシティとの交易の件を話すとアリッサが不機嫌な顔をしている。

「どうしたのアリッサ?」

「クレオ様は御自身の街の名前よりも先に人様の街の名前をお決めになられるんですね」

ぷくぅと頬を膨らませている。

「えっ?誰から聞いたの?」

「シュテンから聞きました」

おいシュテン何話してるんだ。

住人も増えてきたからこの機にこの街の名前も決めようと思っていた矢先なのに。

「クレオ様、ところでこの街の住人今何人居るか把握してますか?」

「えっ各種族10人づつの100人、フルーツトレント10人、ベジタブルドリアード10人、僕の従魔が13匹、僕とアリッサたち8人、スケルトンホース1匹、馬が4頭、羊が4頭、牛が4頭、鶏が10羽、蜜蜂が数匹だね」

「完璧みたいな顔してますがスケルトンが15人増えてます。それに蜜蜂はどんどん増えて今一万匹はいると思いますよ。そもそも花から蜜を取る蜜蜂、巣を守るための兵隊蜂、子作り蜂と分かれて飛び回ってますよ。暫く離れてたから把握できてないんです。自国を放置する人に大事は成せませんよ」

アリッサに怒られてシュンとする。

「項垂れてる暇があるなら溜まりに溜まったみんなからの嘆願書に目を通してください。やることはいっぱいあるんですよ。ついてきてくれている皆の期待をくれぐれも裏切らないようにお願いしますね」

アリッサに睨まれ蛇に睨まれたカエルのようになる僕。

でもやられっぱなしは性に合わない。

去り行くアリッサを抱き止めて耳元で囁く。

「素直に寂しかったと言えば良いのに」

「クレオ様、寂しかったですよ。ですが先ずはその嘆願書を片付けてくださいね。それに私の仕事を邪魔するのなら、、、」

「わかった。わかったからその殺気を向けないで」

「ではクレオ様しっかり仕事してくださいね」

スタスタと去って行くアリッサ。

嘆願書に目を通すとしよう。

ふむふむ何々、宴の開催をしてほしい、街の名前決め、新しいスイーツの開発、って3つのうち2つが食事メインじゃねぇか。

街の名前決めからの宴の開催そこで新しいスイーツの開発とやれば3つとも達成だな。

じゃあ先ずは主要メンバーを集めて街の名前を決めるとしよう。

広間に集まった面々は顔を見合わせソワソワしている。

「街の名前を決める。どんな名前にするのかみんなで話し合いたい。何か意見はあるか?」

「殿、それでは鬼ヶ島なんてどうですか?」

いやいやシュテン鬼ヶ島なんて現実世界の某童話そのままじゃねぇか。

「シュテン、すまないが却下だ」

「なんと良い名前だと思ったのですがなぁ」

「親父殿、骸骨横丁なんてどうですか?」

なんて禍々しい名前つけてんだサモンのやつ。

「サモン、そんな禍々しい名前却下だ」

「なんと楽しそうな名前だと思ったのですが」

「御館様、ピンク街なんてどうですか?」

おいアラン、それはなんかいやらしい気がするからダメだ。

「アラナミ、却下だ」

「ええええ、妖艶で可愛いと思ったのですが」

「玲王様、それならアニマルなんてどうですかワン?」

リリさりげに自分たちが1番だって主張してるよな。

「リリ却下」

「えっそんなぁ~酷いワン」

「ではフルーツベジタブルデリシャスとかどうですかのぅ?」

フルートはどこでデリシャスなんて言葉を覚えたのか?

知らないけど言いたいことはわかる。

果物と野菜は超美味しいってことだよね。

「フルート却下」

「いいなまえだとおもったのですがのぅ」

他の皆は顔を見合わせながらうーんと頭を悩ませているみたいだ。

そこでアリッサが口を開いた。

「ここにいる皆様はクレオ様をお支えするべく集まったのですからそんな名前にしたら良いのでは例えばクレオエンペラーキングダムとか?」

「わかった皆に聞いた僕が馬鹿だったようだ」

「ならそういうクレオ様にはそれはそれは素晴らしい街の名前があるんでしょうねぇ」

アリッサの言葉に皆が頷き僕に期待の目を向ける。

「ハーモニービレッジなんてどうだ?皆が調和しあっている村って意味だが」

「何故村なんですか?街の名前でしょ。クレオ様馬鹿ですか」

「まず1つ街の規模には達していない。現時点で名前を決めるなら村が妥当だ。それに規模が大きくなるごとにビレッジの名称を変えれば良い。この場合注目すべき点はハーモニーって部分だけだ」

「ワシはクレオエンペラーキングダムを推しますぞ」

シュテンの言葉にみんながうんうん頷く。

「わかったならクレオを抜いてエンペラーキングダムにしてくれせめて」

「このクレオって付くのがこの街はクレオ様のもんだって強調されてて良いんじゃねぇか?」

ダスティル余計なこと言わないで頼むから。

満場一致でクレオエンペラーキングダムに決まりかけたところカーミラが言う。

「それだと魔王様に狙われるのではないかと思います。そこで提案なのですがデーモンエーペックスというのはどうでしょう。魔族の頂点を目指すクレオ様にピッタリではない無いですか?」

確かにカーミラのいう通りこの言葉なら魔族が頂点って言ってるだけだ魔王様にすぐ目をつけられるなんてこともないだろう。

「良いと思うデーモンエーペックス。だが長いので今は魔頂村とする」

「魔頂村良いのではないですか」

皆もうんうんと頷いてくれたので僕が宣言する。

「今日よりここは魔頂村まちょうのむらとする。では皆のもの。村の名前を祝う待望の宴だー」

今日1番の歓声が上がる。

「オオオオオオーーーーーーーーーー」

フフフ美味しい料理に美味しい飲み物に新スイーツまとめて披露してやる。
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