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2章 幼年期〜魔族教育
第5話 楽しい裁縫の時間
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【クレオ視点】
アーロン叔父様による世界情勢の講義が終わり、本日よりバルバラ叔母様から人形作りを教わる。
今回は材料をバルバラ叔母様が準備してくれた。
現実世界と同じように大型の布を人の形にして綿を詰めて縫い合わせる。
犬の遊び道具などを裁縫で手作りしていた僕には簡単だがアリッサとクレハとリンダは早々にリタイアしてしまい3人揃って飽きたのか「身体を動かしてくる」と外に出て行った。
初めてだと難しいもんね仕方ない(笑)
バルバラ叔母様は今は先生として普通に話す。
「あらクレオちゃん、初めてにしては上手ね」
「バルバラ叔母様の教え方が上手だからですよ」
「もーう、褒めてるのに謙遜なんかしちゃって」
そんなやりとりをしているとバルバラ叔母様の周りをまるで寄り添うように漂うたくさんの青白い丸い光が見える。
それはしきりにバルバラ叔母様の作ったたくさんの人形に入ろうと試みては失敗している。
なるほど魂だ。
亡くなってもバルバラ叔母様を護ろうとしているのだろう。
現実世界で魂入れと呼ばれる位牌に魂を入れる方法がある。
それを人形でできないだろうか?
大切にされた人形には魂が宿ると聞いたことがある。
それは人形が空っぽであり魂を入れる器となりやすいからだ。
ものは試しだ。
「インプットソウル」
僕はそう言い青白く漂っていた丸い光を人形に入れて行った。
すると人形たちが動き出しバルバラ叔母様の周りに集まる。
びっくりしたバルバラ叔母様だったが「またご主人様と一緒なの~」「嬉しいの~」「自由自在に動かせるの~」などの声を聞き理解したのか涙を流している。
それをみた人形たちがバルバラ叔母様を囲んで「泣かないで~」「また会えたの~」「話せるの~」「これからもずっと一緒なの~」と口々に言っている。
バルバラ叔母様は人形たちを撫でながら言う。
「クレオちゃん、ありがとね。この子達はね戦で亡くなった私の従魔たちなの。もう2度と会えないと思っていたからこうしてまた会えて本当に嬉しい。それにしてもまさか魂となって私の周りを漂っていたこの子達に人形を入れ物にして命を与えるなんてとんでもない魔法ね。何か御礼をしないとね。もう人形作りに関しては何も教えることは無さそうだし」
僕はそれを聞き待ってましたとばかりに王都から野菜に果物に魚と塩や胡椒などの調味料一式を取り寄せてもらう。
「それぐらいお安い御用だけど、どうしてそんなものが欲しいの」
バルバラ叔母様が首を傾げて尋ねてきたので僕は答えた。
「従魔のリリとミミに美味しいご飯を作って与えたいからです」
2人きりなのでリリとミミのことをペットではなく従魔だと言うとバルバラ叔母様は知ってたよという顔をしている。
「クレオちゃんは従魔をとても大事にしてるのね。分かったわ。アーロンに頼んで至急用意させるわね」
「ありがとうバルバラ叔母様」
僕はそう言うとリリやミミが遊べる道具を縫い始めた。
リリには大好物の骨の形をした物でミミには大好物のニンジンの形をした物だ。
「不思議な形の人形なのね」
バルバラ叔母様が覗き込み言った。
「あっこれは人形ではなくてぬいぐるみという従魔たちの遊び道具です」
僕が答えるとバルバラ叔母様は興味深そうに尋ねる。
「それってどうやって使うの?」
「放り投げて取って来させてきちんと持って帰ってきたら褒めてあげるんです。適度なスキンシップにもなりますし運動不足の解消にもなるんですよ」
僕の答えにバルバラ叔母様は感心したような感じで言う。
「クレオちゃんは私たちが知らない従魔との触れ合い方を知っているのね。私の従魔例えばスパイダーたちが遊べるような道具も作れたりするのかしら?」
「そうですね~スパイダーは動くものを好むので、魂の入った人形たちに協力してもらうことで楽しく一緒に遊ぶと思いますよ。それか羽のある蝶のような人形を作ってバルバラ叔母様が動かしてあげても喜ぶかもしれませんね」
「そうなのね。クレオちゃんが一体どこでそんな情報を仕入れてくるのか不思議だわ~」
そんなやりとりをしながら僕は骨とニンジンのぬいぐるみを完成させた。
最初に作った人形にはイチマツと名前を付けた。
現実世界で慣れ親しんだ市松人形からそのまま名前を貰った。
心無しか名前を与えたら喜んでいる気がするうん気がするだけだ動き出すはずがない。
バルバラ叔母様から人形の作り方に関して「教えることはほとんどなかったわね。後は己で腕を磨きなさい」とお墨付きを貰ったので2ヶ月もかからないうちに明日から従魔の扱い方について教えてもらえるらしい。
明日からも楽しみだ。
最後になったがバルバラ叔母様にも鑑定を使ってみた。
名前:バルバラ・ツェペリ・ヴラッド
種族:吸血鬼
武器系統:刀剣系-長柄系-近接系-連結系-遠隔系-投擲系-格闘系-
魔法適正:火S水-雷S風-土S闇S光-特殊-
スキル:眷属契約、血の契約、血の盃、火魔法、雷魔法、土魔法、闇魔法、従魔達人、人形傀儡
バルバラ叔母様は糸で人形を操り戦うので武器系統は全滅、魔法に関しては火と雷と土と闇が使える。
完全な後衛型で従魔に接近戦を任せ、魔法や人形での遠距離攻撃主体という感じだろう。
アーロン叔父様による世界情勢の講義が終わり、本日よりバルバラ叔母様から人形作りを教わる。
今回は材料をバルバラ叔母様が準備してくれた。
現実世界と同じように大型の布を人の形にして綿を詰めて縫い合わせる。
犬の遊び道具などを裁縫で手作りしていた僕には簡単だがアリッサとクレハとリンダは早々にリタイアしてしまい3人揃って飽きたのか「身体を動かしてくる」と外に出て行った。
初めてだと難しいもんね仕方ない(笑)
バルバラ叔母様は今は先生として普通に話す。
「あらクレオちゃん、初めてにしては上手ね」
「バルバラ叔母様の教え方が上手だからですよ」
「もーう、褒めてるのに謙遜なんかしちゃって」
そんなやりとりをしているとバルバラ叔母様の周りをまるで寄り添うように漂うたくさんの青白い丸い光が見える。
それはしきりにバルバラ叔母様の作ったたくさんの人形に入ろうと試みては失敗している。
なるほど魂だ。
亡くなってもバルバラ叔母様を護ろうとしているのだろう。
現実世界で魂入れと呼ばれる位牌に魂を入れる方法がある。
それを人形でできないだろうか?
大切にされた人形には魂が宿ると聞いたことがある。
それは人形が空っぽであり魂を入れる器となりやすいからだ。
ものは試しだ。
「インプットソウル」
僕はそう言い青白く漂っていた丸い光を人形に入れて行った。
すると人形たちが動き出しバルバラ叔母様の周りに集まる。
びっくりしたバルバラ叔母様だったが「またご主人様と一緒なの~」「嬉しいの~」「自由自在に動かせるの~」などの声を聞き理解したのか涙を流している。
それをみた人形たちがバルバラ叔母様を囲んで「泣かないで~」「また会えたの~」「話せるの~」「これからもずっと一緒なの~」と口々に言っている。
バルバラ叔母様は人形たちを撫でながら言う。
「クレオちゃん、ありがとね。この子達はね戦で亡くなった私の従魔たちなの。もう2度と会えないと思っていたからこうしてまた会えて本当に嬉しい。それにしてもまさか魂となって私の周りを漂っていたこの子達に人形を入れ物にして命を与えるなんてとんでもない魔法ね。何か御礼をしないとね。もう人形作りに関しては何も教えることは無さそうだし」
僕はそれを聞き待ってましたとばかりに王都から野菜に果物に魚と塩や胡椒などの調味料一式を取り寄せてもらう。
「それぐらいお安い御用だけど、どうしてそんなものが欲しいの」
バルバラ叔母様が首を傾げて尋ねてきたので僕は答えた。
「従魔のリリとミミに美味しいご飯を作って与えたいからです」
2人きりなのでリリとミミのことをペットではなく従魔だと言うとバルバラ叔母様は知ってたよという顔をしている。
「クレオちゃんは従魔をとても大事にしてるのね。分かったわ。アーロンに頼んで至急用意させるわね」
「ありがとうバルバラ叔母様」
僕はそう言うとリリやミミが遊べる道具を縫い始めた。
リリには大好物の骨の形をした物でミミには大好物のニンジンの形をした物だ。
「不思議な形の人形なのね」
バルバラ叔母様が覗き込み言った。
「あっこれは人形ではなくてぬいぐるみという従魔たちの遊び道具です」
僕が答えるとバルバラ叔母様は興味深そうに尋ねる。
「それってどうやって使うの?」
「放り投げて取って来させてきちんと持って帰ってきたら褒めてあげるんです。適度なスキンシップにもなりますし運動不足の解消にもなるんですよ」
僕の答えにバルバラ叔母様は感心したような感じで言う。
「クレオちゃんは私たちが知らない従魔との触れ合い方を知っているのね。私の従魔例えばスパイダーたちが遊べるような道具も作れたりするのかしら?」
「そうですね~スパイダーは動くものを好むので、魂の入った人形たちに協力してもらうことで楽しく一緒に遊ぶと思いますよ。それか羽のある蝶のような人形を作ってバルバラ叔母様が動かしてあげても喜ぶかもしれませんね」
「そうなのね。クレオちゃんが一体どこでそんな情報を仕入れてくるのか不思議だわ~」
そんなやりとりをしながら僕は骨とニンジンのぬいぐるみを完成させた。
最初に作った人形にはイチマツと名前を付けた。
現実世界で慣れ親しんだ市松人形からそのまま名前を貰った。
心無しか名前を与えたら喜んでいる気がするうん気がするだけだ動き出すはずがない。
バルバラ叔母様から人形の作り方に関して「教えることはほとんどなかったわね。後は己で腕を磨きなさい」とお墨付きを貰ったので2ヶ月もかからないうちに明日から従魔の扱い方について教えてもらえるらしい。
明日からも楽しみだ。
最後になったがバルバラ叔母様にも鑑定を使ってみた。
名前:バルバラ・ツェペリ・ヴラッド
種族:吸血鬼
武器系統:刀剣系-長柄系-近接系-連結系-遠隔系-投擲系-格闘系-
魔法適正:火S水-雷S風-土S闇S光-特殊-
スキル:眷属契約、血の契約、血の盃、火魔法、雷魔法、土魔法、闇魔法、従魔達人、人形傀儡
バルバラ叔母様は糸で人形を操り戦うので武器系統は全滅、魔法に関しては火と雷と土と闇が使える。
完全な後衛型で従魔に接近戦を任せ、魔法や人形での遠距離攻撃主体という感じだろう。
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