33 / 220
1章 転生と吸血鬼を取り巻く情勢
幕間 ミルルのやらかしと動物たち
しおりを挟む
【セイント視点】
「おいミルル、詳細情報ってスキル何だったっけ?」
我は唐突に隣にいたミルルに尋ねる。
「この前異世界転生を果たした子供に授けたスキルですわ」
ミルルが返す。
「それってどんなスキルなんだ」
我は次は効果について尋ねる。
「目で見たものが何かわかるスキルですわ」
ミルルが返す。
「なぁそれって言いにくいし別に鑑定で良くないか」
我がそういうとミルルは顔をみるみる青ざめる。
「やってしまいましたのですわ~確かに鑑定の方が完全な上位互換なのですわ」
我はそう聞くと幸いまだ産まれた直後なので詳細情報というスキルを消し去り鑑定を付与する。
「おっちょこちょいなミルルの代わりに我がやっておいたからもう心配するな。ハッハッハッ。でも後でクレオに伝えておいてくれよな」
ミルルの表情がみるみる元に戻る。
「ありがとうございますですわ。私のミスですからクレオには後でスキルの変更をしたことを伝えに行きますわ」
最近呼ばれもしないのにクレオに会いに行ってるのをみているに異界からの客人である彼のことを珍しく気に入っているのだろう。
「あっ次に行ったときに命に限りあるものだけを神は等しく愛すのだとかいうセイント教を崇めているリグレスト聖教国に関して創造主はまったく関係ないのでクレオに気にせず潰して構わないと伝えておいてくれアレはどちらかと言うと悪しき宗教の一つ邪教だからな」
ミルルは、目を丸くしながら呟く。
「セイント様を崇めている人が減れば貴方様のお力が弱くなりませんか?」
我はミルルの言葉を聞くと笑いながら述べた。
「あれは勝手に我を崇めているだけの輩で我が加護の祝福を渡しておらぬゆえ心配せずとも構わぬ」
ミルルは目を丸くして呟く。
「創造主を崇めるセイント教、国の名前はリグレスト聖教国。加護も与えていないのにこの名前にするなんてある意味凄いですわね」
「それにな奴らはヴァンパイアハンターなんてものを抱えて不死者を殺し回ってんだ。クレオも遠くない未来で接触し襲われる可能性があるだろ。前もって教えといてやるのもこの世界に転生させちまった神としてのアフターケアってやつだろ」
我はいつにもなく真剣な口調で言った。
「確かにそうですわね」
ミルルも頷き返した。
「えーこの世界への移住希望者が複数いてるみたいですわ。殆どが動物で玲王様に逢いたいと仰ってるそうですわ」
ミルルからの唐突な報告を聞き我は人たらしならぬ動物たらしのあいつならいずれこうなると思っていた。
さらに今回は人たらしの才まで芽生えつつあるみたいだからなぁ。
あいつは1歳の時に蜂を手懐け、3歳の時に猫を手懐け、5歳の時に雀を手懐け、7歳の時に蛇を手懐け、9歳の時に兎を手懐け、11歳の時に馬を手懐け、13歳の時に犬を手懐け、通っていた中学校は動物専門学校。
リアルビーストテイマーの性質を持っているのである。
あいつに逢いたいと来る動物たちなら必ずや皆助けとなるであろう。
「ミルル、全て受け入れると現実世界の神に伝えよ」
我はミルルにそういうと現実世界の面影の残した魔物にしてやることで玲王にもわかってもらいやすくしておくことにした。
「わかったのですわ。10種類全て受け入れます」
ミルルがそう言い通信を切る。
我の元に現れた10種類の動物たちを眺めながら一頭の犬に吸い寄せられる。
最初に玲王の元に遣わすのはこいつが良いだろう。
犬は飼い主が愛情を注ぐとそれに応えるように恩を返してくれる義理堅い生き物なのだ。
犬型の伝説級で強いのといえばヘルハウンドだろう地獄の番犬とも称される猟犬だ。
幼いあいつの守役としてこれ以上の存在は居ないだろう。
それにあの犬の最後は可哀想だった。
あいつもきっと会って謝りたいだろう。
これも何かの縁だ。
今度こそあいつと共に幸せになってもらいたい。
「ヘルハウンドとなりて、この異世界でお前の愛するご主人様を探せ」
そう言って全身を満遍なく撫でた。
「まさか亡霊犬のヘルハウンドにしてしまわれるなんてなのですわ」
ミルルが驚いたように言うので我は理由を説明してやった。
「うわーーーーん、あの子にそんな辛い過去があっただなんて~そこまでして大切な主人がクレオなのですね。確かに亡霊犬というチョイスもそう考えると完璧に思えますわ」
「あぁ、あいつのトラウマになってるかもしれないことの解決のためにもあいつは亡霊犬のヘルハウンドじゃないといけなかったのさ。それにこっちの世界なら吸血鬼なら知性のある魔物との意思疎通が可能だからな。お互いに想っていたことをぶつけ合えるだろう」
ミルルは我の話をうんうんと頷くとあいつへのスキル変更の報告も兼ねて消えた。
他の動物たちも我も我もと言い寄られながらもそんなにいっぺんに行くとあいつが驚いて死ぬかもしれないぞと言うと皆しおらしくなった。
ほんとあいつのことが大好きな動物たちなのだな。
「おいミルル、詳細情報ってスキル何だったっけ?」
我は唐突に隣にいたミルルに尋ねる。
「この前異世界転生を果たした子供に授けたスキルですわ」
ミルルが返す。
「それってどんなスキルなんだ」
我は次は効果について尋ねる。
「目で見たものが何かわかるスキルですわ」
ミルルが返す。
「なぁそれって言いにくいし別に鑑定で良くないか」
我がそういうとミルルは顔をみるみる青ざめる。
「やってしまいましたのですわ~確かに鑑定の方が完全な上位互換なのですわ」
我はそう聞くと幸いまだ産まれた直後なので詳細情報というスキルを消し去り鑑定を付与する。
「おっちょこちょいなミルルの代わりに我がやっておいたからもう心配するな。ハッハッハッ。でも後でクレオに伝えておいてくれよな」
ミルルの表情がみるみる元に戻る。
「ありがとうございますですわ。私のミスですからクレオには後でスキルの変更をしたことを伝えに行きますわ」
最近呼ばれもしないのにクレオに会いに行ってるのをみているに異界からの客人である彼のことを珍しく気に入っているのだろう。
「あっ次に行ったときに命に限りあるものだけを神は等しく愛すのだとかいうセイント教を崇めているリグレスト聖教国に関して創造主はまったく関係ないのでクレオに気にせず潰して構わないと伝えておいてくれアレはどちらかと言うと悪しき宗教の一つ邪教だからな」
ミルルは、目を丸くしながら呟く。
「セイント様を崇めている人が減れば貴方様のお力が弱くなりませんか?」
我はミルルの言葉を聞くと笑いながら述べた。
「あれは勝手に我を崇めているだけの輩で我が加護の祝福を渡しておらぬゆえ心配せずとも構わぬ」
ミルルは目を丸くして呟く。
「創造主を崇めるセイント教、国の名前はリグレスト聖教国。加護も与えていないのにこの名前にするなんてある意味凄いですわね」
「それにな奴らはヴァンパイアハンターなんてものを抱えて不死者を殺し回ってんだ。クレオも遠くない未来で接触し襲われる可能性があるだろ。前もって教えといてやるのもこの世界に転生させちまった神としてのアフターケアってやつだろ」
我はいつにもなく真剣な口調で言った。
「確かにそうですわね」
ミルルも頷き返した。
「えーこの世界への移住希望者が複数いてるみたいですわ。殆どが動物で玲王様に逢いたいと仰ってるそうですわ」
ミルルからの唐突な報告を聞き我は人たらしならぬ動物たらしのあいつならいずれこうなると思っていた。
さらに今回は人たらしの才まで芽生えつつあるみたいだからなぁ。
あいつは1歳の時に蜂を手懐け、3歳の時に猫を手懐け、5歳の時に雀を手懐け、7歳の時に蛇を手懐け、9歳の時に兎を手懐け、11歳の時に馬を手懐け、13歳の時に犬を手懐け、通っていた中学校は動物専門学校。
リアルビーストテイマーの性質を持っているのである。
あいつに逢いたいと来る動物たちなら必ずや皆助けとなるであろう。
「ミルル、全て受け入れると現実世界の神に伝えよ」
我はミルルにそういうと現実世界の面影の残した魔物にしてやることで玲王にもわかってもらいやすくしておくことにした。
「わかったのですわ。10種類全て受け入れます」
ミルルがそう言い通信を切る。
我の元に現れた10種類の動物たちを眺めながら一頭の犬に吸い寄せられる。
最初に玲王の元に遣わすのはこいつが良いだろう。
犬は飼い主が愛情を注ぐとそれに応えるように恩を返してくれる義理堅い生き物なのだ。
犬型の伝説級で強いのといえばヘルハウンドだろう地獄の番犬とも称される猟犬だ。
幼いあいつの守役としてこれ以上の存在は居ないだろう。
それにあの犬の最後は可哀想だった。
あいつもきっと会って謝りたいだろう。
これも何かの縁だ。
今度こそあいつと共に幸せになってもらいたい。
「ヘルハウンドとなりて、この異世界でお前の愛するご主人様を探せ」
そう言って全身を満遍なく撫でた。
「まさか亡霊犬のヘルハウンドにしてしまわれるなんてなのですわ」
ミルルが驚いたように言うので我は理由を説明してやった。
「うわーーーーん、あの子にそんな辛い過去があっただなんて~そこまでして大切な主人がクレオなのですね。確かに亡霊犬というチョイスもそう考えると完璧に思えますわ」
「あぁ、あいつのトラウマになってるかもしれないことの解決のためにもあいつは亡霊犬のヘルハウンドじゃないといけなかったのさ。それにこっちの世界なら吸血鬼なら知性のある魔物との意思疎通が可能だからな。お互いに想っていたことをぶつけ合えるだろう」
ミルルは我の話をうんうんと頷くとあいつへのスキル変更の報告も兼ねて消えた。
他の動物たちも我も我もと言い寄られながらもそんなにいっぺんに行くとあいつが驚いて死ぬかもしれないぞと言うと皆しおらしくなった。
ほんとあいつのことが大好きな動物たちなのだな。
10
お気に入りに追加
443
あなたにおすすめの小説
異世界で買った奴隷が強すぎるので説明求む!
夜間救急事務受付
ファンタジー
仕事中、気がつくと知らない世界にいた 佐藤 惣一郎(サトウ ソウイチロウ)
安く買った、視力の悪い奴隷の少女に、瓶の底の様な分厚いメガネを与えると
めちゃめちゃ強かった!
気軽に読めるので、暇つぶしに是非!
涙あり、笑いあり
シリアスなおとぼけ冒険譚!
異世界ラブ冒険ファンタジー!
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
初夜に「君を愛するつもりはない」と夫から言われた妻のその後
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
結婚式の日の夜。夫のイアンは妻のケイトに向かって「お前を愛するつもりはない」と言い放つ。
ケイトは知っていた。イアンには他に好きな女性がいるのだ。この結婚は家のため。そうわかっていたはずなのに――。
※短いお話です。
※恋愛要素が薄いのでファンタジーです。おまけ程度です。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる