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5章 天下統一
益州への道中
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劉備の命を受けて、義賢は劉循が本拠としている成都城へと辿り着いた。その道中では、漢中から迫り来る曹丕の側面を付く、趙雲と張郃と黄忠と徐盛。軍師に龐統が同道していた。
義賢「ふわぁ」
龐統「昨夜はお楽しみでしたかな?」
義賢「な、な、な、な、なんて事」
董白「そ、そ、そ、そうよ。へ、へ、変なこと言わないでください」
龐統「それにしても奥方を連れて、こちらに移る気ですかな?」
義賢「兄上が劉循の補佐を俺に任せるってことは、益州を取りまとめて漢中を奪取して、長安を脅かせってことなのは、明らかだろう。ふわぁ。にしても、兄上は女を側室にして取り込むことに躊躇が無くなってきたな。劉璋の娘だけでなく張魯の妹に張魯の母って、流石に見境なくて、統治に影響が出ないかは心配してたんだけどな。だからアレには驚いた。全責任は自分が取るから好きに動けなんて言うから。もういい歳だし焦ってんだろうなってな」
龐統「確かに御自身の年齢も気にされていらだろうがねぇ。アッシには、霊帝様の残り僅かな命のために献帝様を取り戻そうとしているんじゃないかねぇ。霊帝様が亡くなったら曹丕は献帝様を廃位して、自らが皇帝に立つだろうさ」
義賢「まぁ、そうだよな」
史実でも確か曹操が亡くなって、後を継いだ曹丕は、献帝に退位を迫って、その後皇帝になるんだよなぁ。妹が嫁いでるんだから献帝は義理の弟なのにな。権力ってのは怖い。兄上がそうならないとも限らないし、兄上の子供たちがそうならないとも限らない。まぁ、マイペースだが人の痛みが誰よりもわかる劉禅なら大丈夫だろう。民が傷付くなら降伏を選べることは悪い事ではない。まぁ、今まで仕えてきた人からしたら暗愚に映るだろうが。民にとっては、戦のない方が幸せだろう。
義賢「ふわぁ」
龐統「本当に眠そうですねぇ」
義賢「歳かな。最近、すぐ眠くなるんだよ。ふわぁ」
董白「黝廉の手綱、代わろうか?」
義賢「うん。ふわぁ」
董白「キャッ。もう抱き付かないでよ」
義賢「スースースー」
董白「もう。でも、本当最近、寝る時間が長くなってる気がするけど大丈夫かな」
龐統「夫婦仲良くて良いですねぇ」
董白「揶揄うのはやめてください龐統殿、そろそろ別れ道ですよ」
趙雲「董白様、劉丁様のことを頼みます」
張郃「ここに向かう道中でも何度も寝ていました。体調に何か問題があるのなら一度、診療所に」
董白「2人ともありがとう。落ち着いたら一度、連れて行ってみるわ」
徐盛「劉丁様にまだ倒れられるわけにはいかねぇからよ。お大事にな」
黄忠「ワシより若いのに体力がありませんなぁ。ガハハ」
董白「そうね。そろそろね。皆んなも御武運を」
こうやって、趙雲たちと別れて、董白は魏延と槃李杏と虎熊と共に成都へと向かう。その頃、義賢の夢の中では。
???「ねぇ、劉。居るなら返事をして!」
???「落盤が起きたんです。危険ですから少し下がってください」
???「劉は。大事な生徒なんです。何としても助け出してください。お願いします」
???「手は尽くしています。ですが落盤の規模が大きくて、烈祖帝の墓の下がどうなっているか。それに人命救助とは言え、墓を勝手に掘り起こすことは」
???「そんなのどうだって良いじゃない!人の命よりも死んだ人間の何が大事だって言うのよ!」
???「そうは言いましても。ここにはここのルールがありますので、手は尽くしているとしか」
???「劉。劉ーーーーー」
懐かしい声が聞こえる。あれは担任の先生で、弓道部の顧問も務めている新人女教師の董《トウ》先生の声だ。下の名前は何だったかな。よく思い出せないや。
???「おー劉義賢よ。ここに来てしまうとは情けない。いえ、そうじゃないわね。今日は貴方に言わなければ行けないことがあって、来てもらったの。最近、眠くなる期間が長くなってるわよね?」
義賢「ここは。あっパリピー甘氏の空間か」
甘氏「そんなことはどうでも良いのよ。さっきの質問の答えを聞かせてちょうだい」
義賢「あぁ。確かに眠くなる時間が長くなってるな」
甘氏「やっぱりそうなのね。残された時間は短いみたいね。やっぱり魂だけをこちらに呼んだ副作用が出ているわね」
義賢「それ、どういうことなんだ?俺はあの時、落盤に巻き込まれて死んで、この世界に転生させられたんだよな?」
甘氏「いえ、魂だけをこちらに呼び寄せたの。そして、魂の離れた貴方の身体が悲鳴を上げてるのよ。早く魂を返せとね。おそらく残された時間は少ないわ。もって、数年かしら。いえ、ここまで頑張ってもらったんだもの。これ以上は無粋ね。もう元の世界に帰っても良いわ」
義賢「もうすぐ兄上の天下が見られるかもしれないのに、帰れだなんて、パリピー甘氏も酷いことを言うなぁ。要は、時間をかけなければ良いんだろ」
甘氏「ありがとう。私の我儘に付き合わせてごめんなさいね。それと死に戻りは体力を使うから。使えて後1回から2回が限度よ。慎重にね」
義賢「わかった。俺、この世界に魂だけでもこれて嬉しかった。だからそんなに自分を責める必要はないよ。ありがとう。俺をこの世界に呼んでくれて」
甘氏「シナリオを書いてるのは別の人間だけどね」
義賢「そうかそう考えると兄上の中にやっぱり妻がたくさんいた曹操へのコンプレックスがあったんだな。今側室を増やしてるのも納得だ」
???「ゴホッゴホッゴホッ。ワシだって、早くに落ち着いていれば、曹操なんぞに妻の数で負けてない!ワシは逃げる度に泣く泣く愛した女を置き去りにするしかなかったんだ。その気持ちがわかるか!」
義賢「いや、置き去りにするよりも一緒に逃げる方法を考えましょうよ。全く尊敬できない方の兄上」
???「うるさいわい。とっとと戻れ」
義賢「呼んでおいて、その言い方は酷くないですかね」
???「フン。まぁ、せいぜい頑張るんだな」
義賢「まぁ、期待を超えてみせますよ」
甘氏「期待しています。劉義賢。さぁ戻るのです」
光に包まれると義賢は目を覚ます。そして眼前には成都城が見えたのだった。
義賢「ふわぁ」
龐統「昨夜はお楽しみでしたかな?」
義賢「な、な、な、な、なんて事」
董白「そ、そ、そ、そうよ。へ、へ、変なこと言わないでください」
龐統「それにしても奥方を連れて、こちらに移る気ですかな?」
義賢「兄上が劉循の補佐を俺に任せるってことは、益州を取りまとめて漢中を奪取して、長安を脅かせってことなのは、明らかだろう。ふわぁ。にしても、兄上は女を側室にして取り込むことに躊躇が無くなってきたな。劉璋の娘だけでなく張魯の妹に張魯の母って、流石に見境なくて、統治に影響が出ないかは心配してたんだけどな。だからアレには驚いた。全責任は自分が取るから好きに動けなんて言うから。もういい歳だし焦ってんだろうなってな」
龐統「確かに御自身の年齢も気にされていらだろうがねぇ。アッシには、霊帝様の残り僅かな命のために献帝様を取り戻そうとしているんじゃないかねぇ。霊帝様が亡くなったら曹丕は献帝様を廃位して、自らが皇帝に立つだろうさ」
義賢「まぁ、そうだよな」
史実でも確か曹操が亡くなって、後を継いだ曹丕は、献帝に退位を迫って、その後皇帝になるんだよなぁ。妹が嫁いでるんだから献帝は義理の弟なのにな。権力ってのは怖い。兄上がそうならないとも限らないし、兄上の子供たちがそうならないとも限らない。まぁ、マイペースだが人の痛みが誰よりもわかる劉禅なら大丈夫だろう。民が傷付くなら降伏を選べることは悪い事ではない。まぁ、今まで仕えてきた人からしたら暗愚に映るだろうが。民にとっては、戦のない方が幸せだろう。
義賢「ふわぁ」
龐統「本当に眠そうですねぇ」
義賢「歳かな。最近、すぐ眠くなるんだよ。ふわぁ」
董白「黝廉の手綱、代わろうか?」
義賢「うん。ふわぁ」
董白「キャッ。もう抱き付かないでよ」
義賢「スースースー」
董白「もう。でも、本当最近、寝る時間が長くなってる気がするけど大丈夫かな」
龐統「夫婦仲良くて良いですねぇ」
董白「揶揄うのはやめてください龐統殿、そろそろ別れ道ですよ」
趙雲「董白様、劉丁様のことを頼みます」
張郃「ここに向かう道中でも何度も寝ていました。体調に何か問題があるのなら一度、診療所に」
董白「2人ともありがとう。落ち着いたら一度、連れて行ってみるわ」
徐盛「劉丁様にまだ倒れられるわけにはいかねぇからよ。お大事にな」
黄忠「ワシより若いのに体力がありませんなぁ。ガハハ」
董白「そうね。そろそろね。皆んなも御武運を」
こうやって、趙雲たちと別れて、董白は魏延と槃李杏と虎熊と共に成都へと向かう。その頃、義賢の夢の中では。
???「ねぇ、劉。居るなら返事をして!」
???「落盤が起きたんです。危険ですから少し下がってください」
???「劉は。大事な生徒なんです。何としても助け出してください。お願いします」
???「手は尽くしています。ですが落盤の規模が大きくて、烈祖帝の墓の下がどうなっているか。それに人命救助とは言え、墓を勝手に掘り起こすことは」
???「そんなのどうだって良いじゃない!人の命よりも死んだ人間の何が大事だって言うのよ!」
???「そうは言いましても。ここにはここのルールがありますので、手は尽くしているとしか」
???「劉。劉ーーーーー」
懐かしい声が聞こえる。あれは担任の先生で、弓道部の顧問も務めている新人女教師の董《トウ》先生の声だ。下の名前は何だったかな。よく思い出せないや。
???「おー劉義賢よ。ここに来てしまうとは情けない。いえ、そうじゃないわね。今日は貴方に言わなければ行けないことがあって、来てもらったの。最近、眠くなる期間が長くなってるわよね?」
義賢「ここは。あっパリピー甘氏の空間か」
甘氏「そんなことはどうでも良いのよ。さっきの質問の答えを聞かせてちょうだい」
義賢「あぁ。確かに眠くなる時間が長くなってるな」
甘氏「やっぱりそうなのね。残された時間は短いみたいね。やっぱり魂だけをこちらに呼んだ副作用が出ているわね」
義賢「それ、どういうことなんだ?俺はあの時、落盤に巻き込まれて死んで、この世界に転生させられたんだよな?」
甘氏「いえ、魂だけをこちらに呼び寄せたの。そして、魂の離れた貴方の身体が悲鳴を上げてるのよ。早く魂を返せとね。おそらく残された時間は少ないわ。もって、数年かしら。いえ、ここまで頑張ってもらったんだもの。これ以上は無粋ね。もう元の世界に帰っても良いわ」
義賢「もうすぐ兄上の天下が見られるかもしれないのに、帰れだなんて、パリピー甘氏も酷いことを言うなぁ。要は、時間をかけなければ良いんだろ」
甘氏「ありがとう。私の我儘に付き合わせてごめんなさいね。それと死に戻りは体力を使うから。使えて後1回から2回が限度よ。慎重にね」
義賢「わかった。俺、この世界に魂だけでもこれて嬉しかった。だからそんなに自分を責める必要はないよ。ありがとう。俺をこの世界に呼んでくれて」
甘氏「シナリオを書いてるのは別の人間だけどね」
義賢「そうかそう考えると兄上の中にやっぱり妻がたくさんいた曹操へのコンプレックスがあったんだな。今側室を増やしてるのも納得だ」
???「ゴホッゴホッゴホッ。ワシだって、早くに落ち着いていれば、曹操なんぞに妻の数で負けてない!ワシは逃げる度に泣く泣く愛した女を置き去りにするしかなかったんだ。その気持ちがわかるか!」
義賢「いや、置き去りにするよりも一緒に逃げる方法を考えましょうよ。全く尊敬できない方の兄上」
???「うるさいわい。とっとと戻れ」
義賢「呼んでおいて、その言い方は酷くないですかね」
???「フン。まぁ、せいぜい頑張るんだな」
義賢「まぁ、期待を超えてみせますよ」
甘氏「期待しています。劉義賢。さぁ戻るのです」
光に包まれると義賢は目を覚ます。そして眼前には成都城が見えたのだった。
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