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4章 三国鼎立
劉璋のやり残し
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劉備軍の侵攻を聞いた劉璋は、攻めから守りへと転じるしかなかった。イライラを隠しきれない劉璋は、法正の友人ということだけで縛り付けている張松を蹴り上げる。
劉璋「劉備のクソが!荊州侵攻された腹いせだと。どこも攻略できてねぇよ!テメェらを恨んでんのは、俺の方なんだよ!この、この、クソが!」
張松「ゴフッ。ゲフッ(どうして、こんな目に、もう死にたい)」
王累「劉璋様、お戯れはその辺に、牂牁郡は、馬超殿に任せるとして、南蛮どもの相手には、雍闓・朱褒・高定の3将に、守ってばかりもいられませぬゆえ、我らは、反乱軍の拠点の一つ巴郡へと侵攻するのが良いかと」
劉璋「妥当な判断だな。法正と呉懿には、死を持って償ってもらうぞ。張松、お前には友人が一人一人死ぬ様を見せつけてやるから覚悟せよ」
張松「んんんん、んんん、んんんんん」
劉璋「そうかそうか泣くぐらい嬉しいか。オラァ」
劉璋は張松の男の象徴を潰すぐらいの勢いでおもいっきり蹴り上げた。
張松「ガッ」
劉璋「なんじゃ、この程度で気絶しよって、牢に転がせておけ」
劉璋は、近くの兵に命じ、手をパンパンと叩いた後、言う。
劉璋「我らの帰還を防ごうとした巴郡の馬鹿共を殺す。その前に、連れて来い」
1人の老人が兵士に連れられてくる。
劉璋「下がって良いぞ」
兵士を下がらせると連れてこられたかつて呆けたので、療養施設に送り込んだ父、劉焉と向き合う。
劉璋「まさか、呆け老人のフリをされているとは思いませんでしたよ父上」
劉焉「我が息子にこのような言葉をかける日がこようとはな。地獄に落ちろ!」
劉璋「地獄に落ちろですか。えぇ、貴方の息子なら俺を残して、全員始末して差し上げましたよ。文字通り、地獄にねぇ。後はお前とあのクソ女を殺せば終わりだ。趙筰の奴をたぶらかして、巴郡に籠るクソ女をな!」
劉焉「ワシが間違えていたことは謝ろう。他所の女に産ませたお前を妻に育てさせたことも、それを苦に感じていて、自死したことも。だがなぁ、貴様のような化け物を生み出したのはワシの落ち度。ワシ自らの手で、葬れないことが悔やまられるわ」
劉璋は不敵な笑みを浮かべる。
劉璋「安心してくださいよ。俺には父も母も居ませんよ。それに、俺から最愛の人を傷つけ奪ったテメェだけは、絶対に許さないって決めてたからなぁ。ボケて何も覚えてない罪の自覚すらねぇ。テメェをわざわざ療養施設に入れたのは、なんでだと思う?まさか、子が親に持つ愛情だとでも?勘違いも甚だしい、この時を待ってたのさ。テメェが罪を告白し、それを聞いた俺がこの手で貴様を殺す時をな!さぁ、答えろ。俺を産んだのは、誰だ?」
劉焉「もう、わかっていよう。ワシは張衡と1人の女を取り合っていた。負けたワシは、別の女との間に劉範・劉誕・劉瑁をもうけた。それは幸せな時間じゃったよ。だが張衡が亡くなったと聞いた時、ワシは己の中にあるドス黒い欲望を止めることはできんかった。ワシは、張姜子を拉致し、ワシの子を産むように迫った。そして、ワシは子と引き換えに漢中の自治を認めた。これがワシ自身の口から聞きたかったのであろう?」
劉璋「きちんと覚えてるみてぇだなクソ野郎が。だったら俺がこんなに歪んじまった理由もわかるよなぁ?」
劉焉「母といってもお前にとっては、育ての母への恋慕か?」
劉璋「あぁその通りだよ。俺は、母さんに恋するなんて変だって、ずっと自分はおかしいんだって、そう思ってた。でもなぁ!何のことはねぇ。だってよ、俺と母さんは血の繋がりなんて全くないんだからよ!俺は、母さんを愛してた。テメェのようなクソ野郎よりもずっとな!これは、俺の復讐なんかじゃねぇ!失意の中、死んだ母さんへの手向けだ。あばよ。クゾジジイ。テメェのことなんて、親と思ったことなんてねぇんだよ。馬鹿が」
劉璋の振り下ろした剣が劉焉の首を床へと落とす。こうして、劉璋は、張姜子を除く、少なからず血の繋がりのある父と兄弟を皆殺しにしたのである。
劉璋「さて、処刑は終わった。巴郡を奪って、隠れてるクソババアを狩るとしようか」
床に転がる劉焉の亡骸に唾を吐き捨てて、出ていく劉璋は、皆の前に現れると宣言する。
劉璋「反乱分子どもは、根絶やしにする。アイツらは、この俺が妻に対して酷い扱いをしたとそう吹聴しているようだが大事な女を満足させられなかったのは誰だ?大事なら何よりも優先するものであろう。寂しい思いをさせたアイツらの代わりに慰めてやっただけのこと。あんな戯言を吹聴される言われなどない」
堂々と不倫してましたという宣言だ。普通なら何してんの?となるところだがここにいる者たちは。
劉璋軍兵士A「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!劉璋様のいう通りだ!満足させられない野郎はクズ」
劉璋軍兵士B「いつもうちの妻を満足させていただき感謝しております劉璋様!」
このように劉璋の為すことを全肯定する者たちなのである。
劉璋「お前たちのような部下を持てて、幸せだ。全軍、反乱分子共を駆逐せよ!」
うおおおおおおおおという雄叫びと共に劉璋軍が巴郡へと向かう。間も無くして、巴郡では、趙筰率いる反乱軍と劉璋率いる政府軍とのバトルが始まる。
その頃、牂牁郡では、馬超軍と劉備軍が。益州郡の雍闓と越巂郡の高定は、永昌郡の孟獲と睨み合いをしていた。
劉璋「劉備のクソが!荊州侵攻された腹いせだと。どこも攻略できてねぇよ!テメェらを恨んでんのは、俺の方なんだよ!この、この、クソが!」
張松「ゴフッ。ゲフッ(どうして、こんな目に、もう死にたい)」
王累「劉璋様、お戯れはその辺に、牂牁郡は、馬超殿に任せるとして、南蛮どもの相手には、雍闓・朱褒・高定の3将に、守ってばかりもいられませぬゆえ、我らは、反乱軍の拠点の一つ巴郡へと侵攻するのが良いかと」
劉璋「妥当な判断だな。法正と呉懿には、死を持って償ってもらうぞ。張松、お前には友人が一人一人死ぬ様を見せつけてやるから覚悟せよ」
張松「んんんん、んんん、んんんんん」
劉璋「そうかそうか泣くぐらい嬉しいか。オラァ」
劉璋は張松の男の象徴を潰すぐらいの勢いでおもいっきり蹴り上げた。
張松「ガッ」
劉璋「なんじゃ、この程度で気絶しよって、牢に転がせておけ」
劉璋は、近くの兵に命じ、手をパンパンと叩いた後、言う。
劉璋「我らの帰還を防ごうとした巴郡の馬鹿共を殺す。その前に、連れて来い」
1人の老人が兵士に連れられてくる。
劉璋「下がって良いぞ」
兵士を下がらせると連れてこられたかつて呆けたので、療養施設に送り込んだ父、劉焉と向き合う。
劉璋「まさか、呆け老人のフリをされているとは思いませんでしたよ父上」
劉焉「我が息子にこのような言葉をかける日がこようとはな。地獄に落ちろ!」
劉璋「地獄に落ちろですか。えぇ、貴方の息子なら俺を残して、全員始末して差し上げましたよ。文字通り、地獄にねぇ。後はお前とあのクソ女を殺せば終わりだ。趙筰の奴をたぶらかして、巴郡に籠るクソ女をな!」
劉焉「ワシが間違えていたことは謝ろう。他所の女に産ませたお前を妻に育てさせたことも、それを苦に感じていて、自死したことも。だがなぁ、貴様のような化け物を生み出したのはワシの落ち度。ワシ自らの手で、葬れないことが悔やまられるわ」
劉璋は不敵な笑みを浮かべる。
劉璋「安心してくださいよ。俺には父も母も居ませんよ。それに、俺から最愛の人を傷つけ奪ったテメェだけは、絶対に許さないって決めてたからなぁ。ボケて何も覚えてない罪の自覚すらねぇ。テメェをわざわざ療養施設に入れたのは、なんでだと思う?まさか、子が親に持つ愛情だとでも?勘違いも甚だしい、この時を待ってたのさ。テメェが罪を告白し、それを聞いた俺がこの手で貴様を殺す時をな!さぁ、答えろ。俺を産んだのは、誰だ?」
劉焉「もう、わかっていよう。ワシは張衡と1人の女を取り合っていた。負けたワシは、別の女との間に劉範・劉誕・劉瑁をもうけた。それは幸せな時間じゃったよ。だが張衡が亡くなったと聞いた時、ワシは己の中にあるドス黒い欲望を止めることはできんかった。ワシは、張姜子を拉致し、ワシの子を産むように迫った。そして、ワシは子と引き換えに漢中の自治を認めた。これがワシ自身の口から聞きたかったのであろう?」
劉璋「きちんと覚えてるみてぇだなクソ野郎が。だったら俺がこんなに歪んじまった理由もわかるよなぁ?」
劉焉「母といってもお前にとっては、育ての母への恋慕か?」
劉璋「あぁその通りだよ。俺は、母さんに恋するなんて変だって、ずっと自分はおかしいんだって、そう思ってた。でもなぁ!何のことはねぇ。だってよ、俺と母さんは血の繋がりなんて全くないんだからよ!俺は、母さんを愛してた。テメェのようなクソ野郎よりもずっとな!これは、俺の復讐なんかじゃねぇ!失意の中、死んだ母さんへの手向けだ。あばよ。クゾジジイ。テメェのことなんて、親と思ったことなんてねぇんだよ。馬鹿が」
劉璋の振り下ろした剣が劉焉の首を床へと落とす。こうして、劉璋は、張姜子を除く、少なからず血の繋がりのある父と兄弟を皆殺しにしたのである。
劉璋「さて、処刑は終わった。巴郡を奪って、隠れてるクソババアを狩るとしようか」
床に転がる劉焉の亡骸に唾を吐き捨てて、出ていく劉璋は、皆の前に現れると宣言する。
劉璋「反乱分子どもは、根絶やしにする。アイツらは、この俺が妻に対して酷い扱いをしたとそう吹聴しているようだが大事な女を満足させられなかったのは誰だ?大事なら何よりも優先するものであろう。寂しい思いをさせたアイツらの代わりに慰めてやっただけのこと。あんな戯言を吹聴される言われなどない」
堂々と不倫してましたという宣言だ。普通なら何してんの?となるところだがここにいる者たちは。
劉璋軍兵士A「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!劉璋様のいう通りだ!満足させられない野郎はクズ」
劉璋軍兵士B「いつもうちの妻を満足させていただき感謝しております劉璋様!」
このように劉璋の為すことを全肯定する者たちなのである。
劉璋「お前たちのような部下を持てて、幸せだ。全軍、反乱分子共を駆逐せよ!」
うおおおおおおおおという雄叫びと共に劉璋軍が巴郡へと向かう。間も無くして、巴郡では、趙筰率いる反乱軍と劉璋率いる政府軍とのバトルが始まる。
その頃、牂牁郡では、馬超軍と劉備軍が。益州郡の雍闓と越巂郡の高定は、永昌郡の孟獲と睨み合いをしていた。
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