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4章 三国鼎立
密談
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話は少し戻り、孫策が于吉から解放されて傷をいやしている間に劉備が荊州を手中に治めた。
孫策「俺が于吉如きに囚われたりしていなければ、劉備なんぞ片田舎の男に荊州を簒奪されずに済んだものを」
周瑜「伯符、気持ちはわかるが俺の気持ちも分かってくれ。怪我を押して何かあればそれこそ夢も野望も潰えるだろう」
孫策「公瑾、わかっている。だからこそ歯痒いのだ」
孫権「兄上、交州にて不穏な動きがあるとのこと。如何されますか?」
孫策「権、報告御苦労だったな。そうだな、士燮のガキ共はいつか反乱を起こすと思っていた。だから何度も何度も父上に交州を制圧すべきだと進言したものを。大恩ある士燮に刃を向けられんと。父上はすっかり牙の抜け落ちた虎だ。老害でしかない」
孫権「兄上、そのようなこと」
周瑜「いえ、孫権様。伯符が名実ともに当主となるためには孫堅様が邪魔になりつつあるのも事実。劉備と姫様の婚姻を勝手に決め嫁がせた。政略結婚とは双方に得があって初めて成立するもの。あれはお互いを雁字搦めにするだけのもので得となることは何もない。姫様が適齢期で子供が産めるならまだしも、今は10歳程度。これではこちらが劉備に対して人質を出しているのと何も変わらない」
孫策「あぁ、昔の父は気高き獰猛な虎であった。だが、反董卓連合に加わり劉備と関わってから腑抜けた虎と成り下がった。劉備の弟であった劉丁の進言を受け、母や弟たちを必死で守り長沙を守った俺の労を無駄にして、交州を劉繇から簒奪した士燮なんぞを頼らねばならなくなった。だが俺にも好機何訪れた。それが揚州攻略作戦だった。それも横から劉備に横槍を入れられ、北部の寿春と蘆江を要する2郡を劉備に取られた。そして父祖伝来の地である荊州もまた于吉に俺が囚われたばかりに劉備に。憎い憎い。劉備が憎い」
周瑜「待て、伯符。今聞いてて思ったのだが、すべて劉備に利して居ないか?」
孫策「父を長沙から追い出し、長沙を劉表のものとし、それをいずれ奪う。尚香を人質に出させて、友好関係という名の隷属契約を結ぶ。于吉を使い俺の動きを止め引き換えに荊州切り取りを諦めさせる。確かに、全て全て劉備の得となっている。このようなことをこれ以上許してなるものか」
孫権「たっ確かにこのままだとこの揚州も劉備の手に、そのことについて、ちょうど兄上に謁見を申し出ている方が」
孫策「なんだと!?権、何故それを先に言わない。何処にいる?」
孫権「兄上、呉の玉座の間にてお待ちです」
孫策「公瑾、付いてこい。急ぐぞ」
周瑜「あぁ、わかっている」
呉の玉座の間に行くとそこには、見慣れない男が居た。
孫策「誰だ?」
???「全く、流石、異民族の多いこの地には礼儀のなってないものがいるようですな。人に名を尋ねるのならば、先ずは自分から名乗るのが礼儀であろうよ」
孫策「生憎、どこの誰かもわからぬ男に名乗る名など持ち合わせていないのでな。用がないなら帰るが良い。訪ねてきたのはそちらであろう」
???「臆しませぬか。やれやれ。困った困った。これでは名乗るしかあるまい。曹操軍が次子で麾下曹丕様の軍師を務めております司馬仲達と申します」
孫策「曹操軍の軍師だと!?何しに来た!」
司馬懿「何、我々とそちらの思いは同じかと思いましてね。劉備が邪魔で邪魔で仕方ないとな」
孫策「!?成程、さぞかし有意義な時間となるのであろうな」
司馬懿「それはお互い歩み寄れるかによるかと。これは公的なものではありませんからな。劉備を鬱陶しいと思う我が君の勝手な判断です。曹操様はこうして我々がお会いしていることすら知らぬこと」
周瑜「成程、お互い秘密の同盟を先ずはということですね」
司馬懿「流石、美周郎などと称されている周瑜殿ですな」
周瑜「名乗っていないが。どうして知っている?」
司馬懿「秘密同盟を結ぼうというのです。相手の国力を知らねば、共倒れとなりますからなぁ。少し、こちらの手のものを使い調べさせてもらいましたよ」
周瑜「考えることは皆同じか。して、司馬懿殿は何をしようとしている?」
司馬懿「いえ、我々はそちらの援護ができればと。なーに、交州を餌に義理堅い劉備を釣り出し、荊州を奪い取れば良いのです。聞くところによると孫堅と孫策殿は折り合いが悪くなっていると。なら簡単なのではありませんか。交州が不穏なことをこのまま見過ごし、孫堅が劉備に助けを求めるようにすれば良いのです。さすれば、義理堅い劉備のこと交州を助けるべく出陣せねばならんでしょうな」
周瑜「!?確かにそれなら荊州を奪えるかもしれない。だが徐州から揚州へ参考を受けよう。それはなんとする?」
司馬懿「こちらが請け負いましょう。我が君の軍で、徐州を攻撃しましょう。後、これはここだけの話にしていただきたいのですが劉璋にも協力を仰いでいます。見返りは、涼州を与えるとね。大いに利用すると良い。惨たらしく凄惨なことをしてくれる賊をお持ちですから」
周瑜「信じて良いのだな?」
司馬懿「えぇ、我々にとって今邪魔な存在は劉備。空を共に叩く間はお互い手を取り合うことを約束しましょう」
周瑜「伯符。受けるべきだ。これは、伯符の夢と野望を叶える最後の機会だ!」
孫策「あぁ、勿論だぜ公瑾」
司馬懿「良き判断にございます(さて、これで涼州の馬超と徐州・揚州北部・荊州の劉備、排除して残るは猪武者の孫策。賊徒塗れとなって軍としての体裁を保てていない劉璋。後に残るは楽に制することのできる奴らのみよな。後は、曹操様が後を我が君に譲るように働きかけるのみ)」
孫策・周瑜と司馬懿による密談がこうしてお互いの利害の一致を持って、締結されることとなったのである。
孫策「俺が于吉如きに囚われたりしていなければ、劉備なんぞ片田舎の男に荊州を簒奪されずに済んだものを」
周瑜「伯符、気持ちはわかるが俺の気持ちも分かってくれ。怪我を押して何かあればそれこそ夢も野望も潰えるだろう」
孫策「公瑾、わかっている。だからこそ歯痒いのだ」
孫権「兄上、交州にて不穏な動きがあるとのこと。如何されますか?」
孫策「権、報告御苦労だったな。そうだな、士燮のガキ共はいつか反乱を起こすと思っていた。だから何度も何度も父上に交州を制圧すべきだと進言したものを。大恩ある士燮に刃を向けられんと。父上はすっかり牙の抜け落ちた虎だ。老害でしかない」
孫権「兄上、そのようなこと」
周瑜「いえ、孫権様。伯符が名実ともに当主となるためには孫堅様が邪魔になりつつあるのも事実。劉備と姫様の婚姻を勝手に決め嫁がせた。政略結婚とは双方に得があって初めて成立するもの。あれはお互いを雁字搦めにするだけのもので得となることは何もない。姫様が適齢期で子供が産めるならまだしも、今は10歳程度。これではこちらが劉備に対して人質を出しているのと何も変わらない」
孫策「あぁ、昔の父は気高き獰猛な虎であった。だが、反董卓連合に加わり劉備と関わってから腑抜けた虎と成り下がった。劉備の弟であった劉丁の進言を受け、母や弟たちを必死で守り長沙を守った俺の労を無駄にして、交州を劉繇から簒奪した士燮なんぞを頼らねばならなくなった。だが俺にも好機何訪れた。それが揚州攻略作戦だった。それも横から劉備に横槍を入れられ、北部の寿春と蘆江を要する2郡を劉備に取られた。そして父祖伝来の地である荊州もまた于吉に俺が囚われたばかりに劉備に。憎い憎い。劉備が憎い」
周瑜「待て、伯符。今聞いてて思ったのだが、すべて劉備に利して居ないか?」
孫策「父を長沙から追い出し、長沙を劉表のものとし、それをいずれ奪う。尚香を人質に出させて、友好関係という名の隷属契約を結ぶ。于吉を使い俺の動きを止め引き換えに荊州切り取りを諦めさせる。確かに、全て全て劉備の得となっている。このようなことをこれ以上許してなるものか」
孫権「たっ確かにこのままだとこの揚州も劉備の手に、そのことについて、ちょうど兄上に謁見を申し出ている方が」
孫策「なんだと!?権、何故それを先に言わない。何処にいる?」
孫権「兄上、呉の玉座の間にてお待ちです」
孫策「公瑾、付いてこい。急ぐぞ」
周瑜「あぁ、わかっている」
呉の玉座の間に行くとそこには、見慣れない男が居た。
孫策「誰だ?」
???「全く、流石、異民族の多いこの地には礼儀のなってないものがいるようですな。人に名を尋ねるのならば、先ずは自分から名乗るのが礼儀であろうよ」
孫策「生憎、どこの誰かもわからぬ男に名乗る名など持ち合わせていないのでな。用がないなら帰るが良い。訪ねてきたのはそちらであろう」
???「臆しませぬか。やれやれ。困った困った。これでは名乗るしかあるまい。曹操軍が次子で麾下曹丕様の軍師を務めております司馬仲達と申します」
孫策「曹操軍の軍師だと!?何しに来た!」
司馬懿「何、我々とそちらの思いは同じかと思いましてね。劉備が邪魔で邪魔で仕方ないとな」
孫策「!?成程、さぞかし有意義な時間となるのであろうな」
司馬懿「それはお互い歩み寄れるかによるかと。これは公的なものではありませんからな。劉備を鬱陶しいと思う我が君の勝手な判断です。曹操様はこうして我々がお会いしていることすら知らぬこと」
周瑜「成程、お互い秘密の同盟を先ずはということですね」
司馬懿「流石、美周郎などと称されている周瑜殿ですな」
周瑜「名乗っていないが。どうして知っている?」
司馬懿「秘密同盟を結ぼうというのです。相手の国力を知らねば、共倒れとなりますからなぁ。少し、こちらの手のものを使い調べさせてもらいましたよ」
周瑜「考えることは皆同じか。して、司馬懿殿は何をしようとしている?」
司馬懿「いえ、我々はそちらの援護ができればと。なーに、交州を餌に義理堅い劉備を釣り出し、荊州を奪い取れば良いのです。聞くところによると孫堅と孫策殿は折り合いが悪くなっていると。なら簡単なのではありませんか。交州が不穏なことをこのまま見過ごし、孫堅が劉備に助けを求めるようにすれば良いのです。さすれば、義理堅い劉備のこと交州を助けるべく出陣せねばならんでしょうな」
周瑜「!?確かにそれなら荊州を奪えるかもしれない。だが徐州から揚州へ参考を受けよう。それはなんとする?」
司馬懿「こちらが請け負いましょう。我が君の軍で、徐州を攻撃しましょう。後、これはここだけの話にしていただきたいのですが劉璋にも協力を仰いでいます。見返りは、涼州を与えるとね。大いに利用すると良い。惨たらしく凄惨なことをしてくれる賊をお持ちですから」
周瑜「信じて良いのだな?」
司馬懿「えぇ、我々にとって今邪魔な存在は劉備。空を共に叩く間はお互い手を取り合うことを約束しましょう」
周瑜「伯符。受けるべきだ。これは、伯符の夢と野望を叶える最後の機会だ!」
孫策「あぁ、勿論だぜ公瑾」
司馬懿「良き判断にございます(さて、これで涼州の馬超と徐州・揚州北部・荊州の劉備、排除して残るは猪武者の孫策。賊徒塗れとなって軍としての体裁を保てていない劉璋。後に残るは楽に制することのできる奴らのみよな。後は、曹操様が後を我が君に譲るように働きかけるのみ)」
孫策・周瑜と司馬懿による密談がこうしてお互いの利害の一致を持って、締結されることとなったのである。
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