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今度の夢の中の私は竹下育美!

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 またあの不思議な夢だ。ここは、どこかしら地下室?
「おい、どこに隠れてんだよ。出てこいよ。クソ人形」
「言葉遣いが悪いのね。もう本性を隠す気は無いのかしら」
「ウルセェ。お前がどうやって、散梨花と愛子をやったのかしらねぇけどよ。要は、お前のメールで振り向かなければ何もできねぇわけだろ」
「そうね。それであってるわよ」
「やけに素直じゃねぇか。何企んでやがる」
「1つ聞きたいことがあるの。私を殺したのは、本当に貴方達3人?」
「だから、殺したとか何言ってんだよ。意味わかんねぇんだよ」
「そう。貴方が階段から突き落とした時、ママの中に私が居たのよ」
「はっ?突き落とした?ママ?まさか、おまえ、あのクソババアの」
「その反応だと私がお腹の中に居たことは知らなかったのね。だとしたらやっぱり、貴方達、3人だけだと辻褄が合わないことがあるわね。吐きなさい。誰が後ろにいるの」
 本来はこんなクリアには聞こえないだろう。だが夢のためかメリーさんが何を言っているかよくわかる。
「いねぇよ。それに突き落としたって何だよ。目の前で足踏み外した事故だろうが」
「まだそんなことを言うのね。ママのことを押したじゃない」
「ぐっ」
「いえ、言ってよ。いや、想像はできてる。でも、だとしたらなんで」
「はぁーったくよ。アイツは、おまえを自分の子だと思ってなかったのさ」
「やっぱり、そうなのね。パパがママを?許せない許せない許せない。でも先ずは、貴方からよね。殺す人間が1人増えちゃったけど。ママを悲しませるかもしれないけど。あんな奴のそばにこれ以上ママのこと置いとけないよね。ママから幸せを奪った奴ら全員地獄に落としてやる。それが私がこのメリーさんに魂を宿らせた私の存在価値なんだから」
「やれるもんならやってみろ。アタイは、絶対に振り向かねぇぞ」
 そう言って、一旦メリーさんは消えた。
「どこ行きやがった。おい」
「育美、こっちに来てよぉぉぉぉぉぉぉ。ここは寂しいよぉぉぉぉぉぉ」
「なんでアンタだけ生きてんのよぉぉぉぉぉぉぉ。こっちに来てよぉぉぉぉぉぉ」
「散梨花に愛子、なんで、いやアイツらは死んでんだ。これは、幻聴だ。振り向かねぇ」
「育美、今まで悪かったな。やっと決心が付いたよ。舞と別れる。結婚しよう」
「えっ?道筋さん」
 竹下育美は、桜道筋の声を聞き振り向いてしまった。
「ざーんねーんでしたぁ。振り向いちゃったね。アンタたちのことを道具としてしか思ってなかったパパがそんな言葉かけるわけないじゃない」
「クソ人形がぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 竹下育美の身体が宙に浮くとポールの左右に括り付けられた。そうだったわね。ここって、先代がそう言う趣味目的で作った部屋なのよね。当然そういうものもあるわよね。
「クスクス。せいぜい苦しんで死んでよね。先ずは一本目ね」
 メリーさんは、大きな針を取り出すと、それを右腕に深々と突き刺した。
「クソ人形、やめろやめろやめろぉぉぉぉぉぉぉ。イタぃぃぃぃぃぃぃ」
「あらあら、まだ一本目だよ。貴方はハリネズミなんだから。どんどんいくね」
 2本目は、左腕。3本目は、右脚。4本目は、左脚。致命傷を避けながらまるで、痛ぶるように突き刺していく。
「あらもう気絶しちゃったのね。仕方ないなぁ。これでどうかなぁ」
 内臓を避けて、針を次々に刺していく。その痛みで、竹下育美の意識が覚醒する。そして痛みでまた気絶する。それが縄回も繰り返される。
「やめろって、もう死んじまうからぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「クスクス。殺すに決まってるじゃ無い。今更何言ってるのかしら」
 今度は、腕と脚の血管を避けて、針を次々に刺していく。もう両腕と両足。内臓周りは、針だらけとなっていた。
「まだまだ、痛めつけてあげるから。覚悟してね」
「もうやめて。ごめんなさい。心から謝るから許して」
「無理ね。私はもう死んでるんだもの。さぁ次は、顔の周りだよ」
 目と内臓だけを残してあらゆるところに針の刺さったその姿はハリネズミのようになっていた。
「もう許して、許してください。お願いします」
「命乞いなんて、みっともないことしちゃダメよ。そもそもそんな姿で人前に出られるの?アンタの大好きなパパにももう相手してもらえないわよ」
「そんなそんなそんな嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 最後は目と内臓に針を刺され、あらゆる血管から血を吹き出し竹下育美は絶命した。
「さて、ママに直接手を下したコイツと取り巻きは、処分したし次はパパね。覚悟してよね。この3人よりも酷い死に方にしてやるんだから」
 そう言ってメリーさんは目の前から消えた。そこで、私の意識も覚醒するのだった。
「ハァハァハァハァハァ」
 この夢を見るってことは、一昨日のうちに竹下育美は殺されていた?女将の桜舞の殺人未遂で地下室に閉じ込めていたから誰にも気付かれなかった?ということは、安藤保志の身が危ない。私は服を着替えると安藤保志の泊まっているオオヤマザクラの間の前に来て、扉をノックする。中から返事はない。恐る恐る扉を開けた。そこには、全身をナイフで滅多刺しにされた姿の安藤保志が壁に腰掛ける状態で絶命していた。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」
 警察官なのに、一際大きな悲鳴をあげ、その場で腰砕けとなる私だった。
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