22 / 26
注意勧告の裏で
しおりを挟む
今日は悲鳴が聞こえることはなく目が覚めた。私は、ドッペルゲンガーの次なるターゲットであるライターの安藤保志に、狙われていることを伝えるべく。安藤保志の泊まっているオオヤマザクラの間に向かう。
「失礼します」
「刑事さんが何のようだ。俺はドッペルゲンガーのトクダネで忙しいんだ。いや待てよ。そういやドッペルゲンガーがここで殺した2人目の被害者、桜華だったか?刑事さんは、知ってたのに本人に狙われてることを言わなかったんだよな。これって責任問題だよなぁ」
「うぐっ」
「成程、成程。その様子だと自覚はあるわけか。そして、今度はきちんと伝えようと思ったってとこだな。俺が狙われてるのか。良いじゃねぇか。とくダネが向こうから転がってくれるってか。最高だねぇ」
「そんな悠長なこと言ってる場合では」
「とくダネのためなら命張るのがライターってもんだぜ。それにしてもドッペルゲンガーが次に狙ってる人間がわかるものがあるとはねぇ」
「そんなものは、ありません」
「隠すな隠すな顔に出てるぜ。私は知ってますってなぁ。見出しはそうだなぁ。ドッペルゲンガー事件での警察の失態とかで良いか。知ってたのにも関わらず被害者に伝えなかったんだもんなぁ。なっわかるだろ。こんなネタ書かれたら警察権力の失墜だぜ。ドッペルゲンガーのことがわかるネタ寄越せよ。交換条件だ」
警察官として、こんな奴との取引に応じるつもりはない。
「お断りします」
「へぇ、断るのか。まぁ俺は、かまいやしねぇよ。でも大袈裟に書くかもなぁ。でも仕方ねぇよなぁ。刑事さんが自分で蒔いた種だもんなぁ。でも、アンタなら刑事やめても顔が良いから夜の仕事とかでNo. 1になれるさ。良かったなぁ」
「私はどんなに蔑まれようとも皆の安全を守るため刑事をやめるつもりはないわ」
「へぇ、そりゃ大層な稔侍だけどよ。お前のせいで人が1人亡くなったことは、覆せねぇよ。あっこんな見出しの方が良いか。美人警察官、ドッペルゲンガーを知りながら殺害を黙認。警察の失態だな。こりゃ飛ぶように売れそうだ。良いネタをありがとさんだなぁ」
「そんな嘘を並べ立てるなんて許されることじゃないわ」
「嘘だというとはねぇ。何か間違えてんのかねぇ。アンタがドッペルゲンガーを知ってたのは事実。被害者に何も言わなかったのも事実。これは、黙認と捉えられてもおかしくないと思うんだがなぁ」
「うぐっ」
確かにコイツの言うとおりだ。私はドッペルゲンガーのターゲットを知っていた。それを次々と起こる事件に対応するがあまり伝え忘れて、死なせてしまったのだ。それをコイツは逆手に取り脚色しただけだ。これで何人もの人間を貶めたのね。そして、その怒りがドッペルゲンガーの裏サイトに書かれた。私は、それでも彼に注意喚起はしたのだ。もう良いだろう。
「それでは、伝えましたから。私は失礼します」
「御苦労さん、まぁ、せいぜい残り短い警察官生活に悔いがないようにしろよ。ケッケッケッケ」
下卑た笑い声。気持ち悪いわね。でも、こんな男でも守るべき市民の1人にかわりない。私は、警告はした。後は、本人が警戒するしかないのだ。今日は、久々に誰の悲鳴も聞こえてこなかったのだ。それは、メリーさんによる殺人がまだ起こってないってことなのだから。この時の私は、安易に考えていたのだった。警告はしたので、御飯を食べに食堂へと向かう。自給自足という桜庵のおかげで、食料と水に困らなかったのは、幸いだ。それにしてもそのおかげで、橋が落とされて孤立しているにも関わらず皆、そこまで落ち切ってはいない。それでも犯人がこの中にいると私が言ったことで、疑心暗鬼にはなっているけど。橋が落とされていて孤立?自分で自分の言葉に疑問を覚えた。携帯が普通に使えている!裏サイトが見れたということはネットが繋がっているということだ。それは電波が通っているってことだから電話ができる。私は、食事を済ませて、部屋に戻ると一課のアイツに電話をかけてみた。
「もしもし、不動」
「い......の.........だ」
「不動、聞こえないわよ。冗談は、やめなさい」
「い...も......か?。で......が..................だ」
ツーツーツーと電話が切れた。
もう。何なのよ。ネットが使えるんだから電話もできた。でも繋がったは、良いのだけれど。電波が悪いみたいだった。どういうこと?まさか全部屋監視してるの?ネットは良いけど電話はダメってこと?それなら、携帯から不動にメールを送る。送信できません?圏外?一体どうやって、こんなことを可能にしてるっていうのよ。ドッペルゲンガーを騙るものは、こんなことも可能だっていうの。同じなのか。楓にも確認しよう。私は、部屋を飛び出し、楓の泊まっているヤマザクラの間に向かう。
「失礼します」
「おぅ、出雲さん、どうしたんだ?」
「美和?」
「楓、携帯って繋がる?」
「電波遮断されたって言ってたじゃない。繋がるわけ。ってえっ繋がってる!」
「電話は掛けれる」
「やってみるわ。編集長の番号
電話がなり、楓が話す。
「もしもし編集長?」
「す...............か?ど.........き.........ぞ」
ツーツーツー。
「切れちゃった。繋がったけど。向こうからの声は所々しか聞こえない感じだったわね」
「携帯をもう一度見て」
「圏外?」
「やっぱり、意図的に電波障害を起こしているのよ。外部と連絡を取ろうとしのを見て」
「それってよ。俺たち監視されてるってことか?ドッペルゲンガーって奴に」
「えぇ。そうとしか考えられないわ」
「美和の言う通りなら。この部屋のどこかに盗聴器か監視カメラ的なのがあるはず」
「いえ、どこから電話が無理ならメールで同僚に知らせようって考えだけど、それも全部できなかった。どんだけ隠しながらやろうとしてもよ」
「まさか、携帯内のデータを盗み見しているって考えてるの?」
「えぇ、そうとしか考えられない」
そこで楓が編集長にメールを送信してみた。だが、それは普通に遅れたのだった。編集長からの返信も来た。
『成程、それは大変だったな。でもまさか安藤もそこに居るとはなぁ。こっちから警察に連絡してやる。でも簡単な橋が壊れてんなら復旧に数日は、かかんだろ。それまでなんとかしてくれ。気を付けてな』
「美和?放心してるとか悪いんだけど。これで何とかなりそうね」
「えっえぇ」
私は、何がどうなっているのか頭が混乱しながら夕食を食べ眠りにつくのだった。そして、不思議な夢を見る。
「失礼します」
「刑事さんが何のようだ。俺はドッペルゲンガーのトクダネで忙しいんだ。いや待てよ。そういやドッペルゲンガーがここで殺した2人目の被害者、桜華だったか?刑事さんは、知ってたのに本人に狙われてることを言わなかったんだよな。これって責任問題だよなぁ」
「うぐっ」
「成程、成程。その様子だと自覚はあるわけか。そして、今度はきちんと伝えようと思ったってとこだな。俺が狙われてるのか。良いじゃねぇか。とくダネが向こうから転がってくれるってか。最高だねぇ」
「そんな悠長なこと言ってる場合では」
「とくダネのためなら命張るのがライターってもんだぜ。それにしてもドッペルゲンガーが次に狙ってる人間がわかるものがあるとはねぇ」
「そんなものは、ありません」
「隠すな隠すな顔に出てるぜ。私は知ってますってなぁ。見出しはそうだなぁ。ドッペルゲンガー事件での警察の失態とかで良いか。知ってたのにも関わらず被害者に伝えなかったんだもんなぁ。なっわかるだろ。こんなネタ書かれたら警察権力の失墜だぜ。ドッペルゲンガーのことがわかるネタ寄越せよ。交換条件だ」
警察官として、こんな奴との取引に応じるつもりはない。
「お断りします」
「へぇ、断るのか。まぁ俺は、かまいやしねぇよ。でも大袈裟に書くかもなぁ。でも仕方ねぇよなぁ。刑事さんが自分で蒔いた種だもんなぁ。でも、アンタなら刑事やめても顔が良いから夜の仕事とかでNo. 1になれるさ。良かったなぁ」
「私はどんなに蔑まれようとも皆の安全を守るため刑事をやめるつもりはないわ」
「へぇ、そりゃ大層な稔侍だけどよ。お前のせいで人が1人亡くなったことは、覆せねぇよ。あっこんな見出しの方が良いか。美人警察官、ドッペルゲンガーを知りながら殺害を黙認。警察の失態だな。こりゃ飛ぶように売れそうだ。良いネタをありがとさんだなぁ」
「そんな嘘を並べ立てるなんて許されることじゃないわ」
「嘘だというとはねぇ。何か間違えてんのかねぇ。アンタがドッペルゲンガーを知ってたのは事実。被害者に何も言わなかったのも事実。これは、黙認と捉えられてもおかしくないと思うんだがなぁ」
「うぐっ」
確かにコイツの言うとおりだ。私はドッペルゲンガーのターゲットを知っていた。それを次々と起こる事件に対応するがあまり伝え忘れて、死なせてしまったのだ。それをコイツは逆手に取り脚色しただけだ。これで何人もの人間を貶めたのね。そして、その怒りがドッペルゲンガーの裏サイトに書かれた。私は、それでも彼に注意喚起はしたのだ。もう良いだろう。
「それでは、伝えましたから。私は失礼します」
「御苦労さん、まぁ、せいぜい残り短い警察官生活に悔いがないようにしろよ。ケッケッケッケ」
下卑た笑い声。気持ち悪いわね。でも、こんな男でも守るべき市民の1人にかわりない。私は、警告はした。後は、本人が警戒するしかないのだ。今日は、久々に誰の悲鳴も聞こえてこなかったのだ。それは、メリーさんによる殺人がまだ起こってないってことなのだから。この時の私は、安易に考えていたのだった。警告はしたので、御飯を食べに食堂へと向かう。自給自足という桜庵のおかげで、食料と水に困らなかったのは、幸いだ。それにしてもそのおかげで、橋が落とされて孤立しているにも関わらず皆、そこまで落ち切ってはいない。それでも犯人がこの中にいると私が言ったことで、疑心暗鬼にはなっているけど。橋が落とされていて孤立?自分で自分の言葉に疑問を覚えた。携帯が普通に使えている!裏サイトが見れたということはネットが繋がっているということだ。それは電波が通っているってことだから電話ができる。私は、食事を済ませて、部屋に戻ると一課のアイツに電話をかけてみた。
「もしもし、不動」
「い......の.........だ」
「不動、聞こえないわよ。冗談は、やめなさい」
「い...も......か?。で......が..................だ」
ツーツーツーと電話が切れた。
もう。何なのよ。ネットが使えるんだから電話もできた。でも繋がったは、良いのだけれど。電波が悪いみたいだった。どういうこと?まさか全部屋監視してるの?ネットは良いけど電話はダメってこと?それなら、携帯から不動にメールを送る。送信できません?圏外?一体どうやって、こんなことを可能にしてるっていうのよ。ドッペルゲンガーを騙るものは、こんなことも可能だっていうの。同じなのか。楓にも確認しよう。私は、部屋を飛び出し、楓の泊まっているヤマザクラの間に向かう。
「失礼します」
「おぅ、出雲さん、どうしたんだ?」
「美和?」
「楓、携帯って繋がる?」
「電波遮断されたって言ってたじゃない。繋がるわけ。ってえっ繋がってる!」
「電話は掛けれる」
「やってみるわ。編集長の番号
電話がなり、楓が話す。
「もしもし編集長?」
「す...............か?ど.........き.........ぞ」
ツーツーツー。
「切れちゃった。繋がったけど。向こうからの声は所々しか聞こえない感じだったわね」
「携帯をもう一度見て」
「圏外?」
「やっぱり、意図的に電波障害を起こしているのよ。外部と連絡を取ろうとしのを見て」
「それってよ。俺たち監視されてるってことか?ドッペルゲンガーって奴に」
「えぇ。そうとしか考えられないわ」
「美和の言う通りなら。この部屋のどこかに盗聴器か監視カメラ的なのがあるはず」
「いえ、どこから電話が無理ならメールで同僚に知らせようって考えだけど、それも全部できなかった。どんだけ隠しながらやろうとしてもよ」
「まさか、携帯内のデータを盗み見しているって考えてるの?」
「えぇ、そうとしか考えられない」
そこで楓が編集長にメールを送信してみた。だが、それは普通に遅れたのだった。編集長からの返信も来た。
『成程、それは大変だったな。でもまさか安藤もそこに居るとはなぁ。こっちから警察に連絡してやる。でも簡単な橋が壊れてんなら復旧に数日は、かかんだろ。それまでなんとかしてくれ。気を付けてな』
「美和?放心してるとか悪いんだけど。これで何とかなりそうね」
「えっえぇ」
私は、何がどうなっているのか頭が混乱しながら夕食を食べ眠りにつくのだった。そして、不思議な夢を見る。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
就職面接の感ドコロ!?
フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。
学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。
その業務ストレスのせいだろうか。
ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。
この満ち足りた匣庭の中で 二章―Moon of miniature garden―
至堂文斗
ミステリー
それこそが、赤い満月へと至るのだろうか――
『満ち足りた暮らし』をコンセプトとして発展を遂げてきたニュータウン、満生台。
更なる発展を掲げ、電波塔計画が進められ……そして二〇一二年の八月、地図から消えた街。
鬼の伝承に浸食されていく混沌の街で、再び二週間の物語は幕を開ける。
古くより伝えられてきた、赤い満月が昇るその夜まで。
オートマティスム、鬼封じの池、『八〇二』の数字。
ムーンスパロー、周波数帯、デリンジャー現象。
ブラッドムーン、潮汐力、盈虧院……。
ほら、また頭の中に響いてくる鬼の声。
逃れられない惨劇へ向けて、私たちはただ日々を重ねていく――。
出題篇PV:https://www.youtube.com/watch?v=1mjjf9TY6Io
パラダイス・ロスト
真波馨
ミステリー
架空都市K県でスーツケースに詰められた男の遺体が発見される。殺された男は、県警公安課のエスだった――K県警公安第三課に所属する公安警察官・新宮時也を主人公とした警察小説の第一作目。
※旧作『パラダイス・ロスト』を加筆修正した作品です。大幅な内容の変更はなく、一部設定が変更されています。旧作版は〈小説家になろう〉〈カクヨム〉にのみ掲載しています。
グリムの囁き
ふるは ゆう
ミステリー
7年前の児童惨殺事件から続く、猟奇殺人の真相を刑事たちが追う! そのグリムとは……。
7年前の児童惨殺事件での唯一の生き残りの女性が失踪した。当時、担当していた捜査一課の石川は新人の陣内と捜査を開始した矢先、事件は意外な結末を迎える。
三位一体
空川億里
ミステリー
ミステリ作家の重城三昧(おもしろざんまい)は、重石(おもいし)、城間(しろま)、三界(みかい)の男3名で結成されたグループだ。
そのうち執筆を担当する城間は沖縄県の離島で生活しており、久々にその離島で他の2人と会う事になっていた。
が、東京での用事を済ませて離島に戻ると先に来ていた重石が殺されていた。
その後から三界が来て、小心者の城間の代わりに1人で死体を確認しに行った。
防犯上の理由で島の周囲はビデオカメラで撮影していたが、重石が来てから城間が来るまで誰も来てないので、城間が疑われて沖縄県警に逮捕される。
しかし城間と重石は大の親友で、城間に重石を殺す動機がない。
都道府県の管轄を超えて捜査する日本版FBIの全国警察の日置(ひおき)警部補は、沖縄県警に代わって再捜査を開始する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる