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Chapter6 憤怒の髪
第64話 七体目の悪魔
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「当たり前だろうが、黒時。俺はずっと、お前が助けに来てくれるのを待ってたんだぜ」
肩に手をかけながら栄作が言う。
怜奈と彩香はなにを思っているのか、同様にして涙を流していた。
「ふーん。何があったのか知らないけど、ちょっとはマシになったって感じ?」
若干口角を上げながら瑠野が言う。黒時もついつられて口角を上げた。
「さあ、どうかな。俺にも分からない。でも、それでも。俺は、お前達を助ける」
「よっしゃあ、その意気だぜ! うおぉぉぉ――! なんだか燃えてきたぁぁ――! 一気にあいつを倒そうぜ!」
「あ、ちょっと待ってくれ栄作」
血気盛んに吠えた栄作をなだめながら、黒時は皆に説明する。悪魔には適合した器がいて、そして悪魔を殺せるのはその器だけだということを。
「てことは、あいつを殺せるのは、あいつだけってことですか?」
「そうなるな」
「おいおい、どうすんだよそれ! どうしようもないじゃんかよ!」
「つまりあれだよね。あいつが自殺する以外に殺しようがないってことだよね」
「そんなの、どうやってさせるんだよ……」
「栄作、お前ちょっと行って頼んできてくれ」
「黒時お前、冗談言うようになったんだな……」
「冗談を言う黒時先輩、ますます素敵です!」
「ちょ、ちょっと彩香!? なに言ってんの!? さっきまでこいつのこと嫌ってたでしょ!?」
「そーなんだけどね、なんか戻ってきた黒時先輩は前よりすごい格好よく見えちゃって。本気で惚れちゃったかも」
「はあ――!?」
敵がいまだ健在である空間でこうも談笑していられるのは余裕からなのかなんなのか、遠めで見ている怜奈には分からなかった。
正直、彼女はもうあの輪に入れる気はしていなかった。
アスモデウスを失ったショックが、彼女の心の大部分を蝕んでいたのである。
黒時と交わる約束をしていたけれど、それもただの口約束で、本心で言えば本当はどうでもよかった。
怜奈の今の心境は、【友】であったアスモデウスが危惧していた通り、【死にたい】だった。だから、彼女は談笑する皆の輪から一人離れ、寝転がる怒髪の様子を窺っていたのである。
もしも奴が動き出せば、自分が盾となって皆を守る。怜奈はそう考えていた。
考えて――そうした。
おもむろに立ち上がり、黒い蒸気を発しながら皆に向けて走り出した怒髪の前に立ちはだかり、怜奈は、何も気付いてない皆を守ろうとした。
けれど、甘かった。怜奈のその考えは甘かった。
彼は、宣言したのである。
皆を助ける、と。
お前達を助ける、と。
その中には当然、怜奈も含まれていたのである。助けるべき対象に含まれていたのである。
それにそもそも、彼女の【友】と約束をしてしまっているのだから、それを反故にするわけにはいかない。
以前の彼ならばなにも感じず、平気で破っていただろうけれど、今の彼は平気ではなかった。心が痛む、そんな自分がいることに気付くことができていた。
だから彼は――黒時は。
気付くのに数秒を要してしまったが、それを清算するほどの素早さで盾となっていた怜奈を押しのけ、迫り来る怒髪と拳を合わせたのだった。
大気が震えるほどの衝撃によって、ぶつかり合った二人は互いに後方へと吹き飛ばされていく。
怜奈は、黒時の元へと駆け寄って行った。
「く、黒時様、どうして……」
「勝手に死のうとするな。俺は、お前を犯さなくちゃならないんだから」
崩れた態勢を立て直しながら黒時は言った。
「それはもういいです、どうだって。だから、私を死なせて下さい!」
「うるさいな。俺がお前を犯したいんだ。お前の意思なんて知らない。俺が犯す、それだけだ。だからお前は、生きていろ」
「……黒時様」
黒時の言葉は、自殺しようとしている人間を説得している文言とは思えなかったけれど、それでも怜奈の心には響いたようだった。
しかし、響いたのは怜奈だけではなく、最早本気で恋してしまっている彼女の心にも深く響いていた。
「え? あ、あの、ちょっと、黒時先輩? どういうことですか? え? え? 先生を、犯す? なに言ってるんです?」
据わった目をした彩香が、ゆらりゆらりと揺れながら黒時の側へとやって来る。
「なにって、そのままの意味だ」
「いや、そのままって……。彩香的にはそれが困るんですけど……。てか、先生も教師なのにいいんですか!?」
「私にとっては、至福だよ」
「あぁ、はい、そーですか……、禁断の恋ってやつですか。はあ、なんかもう面倒臭い」
嘆息する彩香。
そんな彩香の頭を、黒時はそっと撫でた。
「黒時せんぱーい。そういうことは、簡単にしちゃだめなんですよ」
されるがままに頭を撫でられながら彩香は言った。
「そうか」
黒時はそう呟くと、彩香の頭を撫でていた手を止めた。彼女の言葉を受けたから、ではなく、視界に脅威が映り込んだからである。
屋上の淵まで飛び、上半身を空中に投げ出した状態で倒れていた怒髪天突。彼が再び立ち上がってきたのである。
そして、彼は黒時に視線を向けて口を開いた。
『ホッホッホ。さすがにお強いですね。少々びっくりしてしまいました』
声質や口調が変わったものの、姿形は何も変わってはいない。
けれど、それでもこの存在は紛れもなく悪魔である、と誰もが確信した。
黒時は彩香の頭を軽く掴み、後ろへと放り出した。雑な扱い方ではあったが、その行為は彼なりの【守る】という気持ちの現われであった。
「強大な力を持っている悪魔が人間を乗っ取るなんて、えらく小さな真似をするんだな」
『私はそもそも弱いですからね。仕方ないのです。あ、そうそう、自己紹介がまだでした。私の名はサタン。憤怒の象徴にして、また集合体でもある存在です。どうか、お見知りおきを』
サタンは恭しく一礼をする。
「憤怒、か。まあいい。どうであれ、お前は殺す」
『ホッホッホ。できるのですか? 貴方も既にご存知でしょう? 悪魔を殺すためには、それに適応した器の力が必要であることを。私の器は、この男です。さあ、どうやって私を殺すのです?』
「お前をそいつから追い出して、そいつに殺させる。その身体から噴き出している黒い蒸気、それがお前の本体だろ?」
『おやおや、鋭い洞察力もお持ちで。ええ、そうです、貴方の仰る通り、私の本体はこの蒸気。ですから、私は攻撃的な力を持ってはいないのです。蒸気ですから、姿形を多種多様に変形させることは出来ますし、真似をするのも得意なんですが、所詮は蒸気ですからねえ。まったく面倒な身体ですよ』
「だからお前は、そいつの身体の中に入り込んだのか?」
『ご明察。この方の体内に入り込み、そして操らせてもらってます。悪魔の血が流れているわけですから、相当な強さになっていますよ』』
「そうか、分かった。だったら、やっぱりお前を追い出してしまえばいいんだな」
『追い出して私を殺させる? 無理ですよ』
「どうにかして追い出す」
『だから、無理です』
「やってみなきゃ分からないだろう」
『やってみなくても分かりますよ。それと、勘違いしているようですが、私が言っているのは追い出すことが無理だ、というわけではありません。追い出したところで、私を殺させることは無理だ、と言っているのです』
「どういうことだ?」
『だって。この方はもう――死んでます』
肩に手をかけながら栄作が言う。
怜奈と彩香はなにを思っているのか、同様にして涙を流していた。
「ふーん。何があったのか知らないけど、ちょっとはマシになったって感じ?」
若干口角を上げながら瑠野が言う。黒時もついつられて口角を上げた。
「さあ、どうかな。俺にも分からない。でも、それでも。俺は、お前達を助ける」
「よっしゃあ、その意気だぜ! うおぉぉぉ――! なんだか燃えてきたぁぁ――! 一気にあいつを倒そうぜ!」
「あ、ちょっと待ってくれ栄作」
血気盛んに吠えた栄作をなだめながら、黒時は皆に説明する。悪魔には適合した器がいて、そして悪魔を殺せるのはその器だけだということを。
「てことは、あいつを殺せるのは、あいつだけってことですか?」
「そうなるな」
「おいおい、どうすんだよそれ! どうしようもないじゃんかよ!」
「つまりあれだよね。あいつが自殺する以外に殺しようがないってことだよね」
「そんなの、どうやってさせるんだよ……」
「栄作、お前ちょっと行って頼んできてくれ」
「黒時お前、冗談言うようになったんだな……」
「冗談を言う黒時先輩、ますます素敵です!」
「ちょ、ちょっと彩香!? なに言ってんの!? さっきまでこいつのこと嫌ってたでしょ!?」
「そーなんだけどね、なんか戻ってきた黒時先輩は前よりすごい格好よく見えちゃって。本気で惚れちゃったかも」
「はあ――!?」
敵がいまだ健在である空間でこうも談笑していられるのは余裕からなのかなんなのか、遠めで見ている怜奈には分からなかった。
正直、彼女はもうあの輪に入れる気はしていなかった。
アスモデウスを失ったショックが、彼女の心の大部分を蝕んでいたのである。
黒時と交わる約束をしていたけれど、それもただの口約束で、本心で言えば本当はどうでもよかった。
怜奈の今の心境は、【友】であったアスモデウスが危惧していた通り、【死にたい】だった。だから、彼女は談笑する皆の輪から一人離れ、寝転がる怒髪の様子を窺っていたのである。
もしも奴が動き出せば、自分が盾となって皆を守る。怜奈はそう考えていた。
考えて――そうした。
おもむろに立ち上がり、黒い蒸気を発しながら皆に向けて走り出した怒髪の前に立ちはだかり、怜奈は、何も気付いてない皆を守ろうとした。
けれど、甘かった。怜奈のその考えは甘かった。
彼は、宣言したのである。
皆を助ける、と。
お前達を助ける、と。
その中には当然、怜奈も含まれていたのである。助けるべき対象に含まれていたのである。
それにそもそも、彼女の【友】と約束をしてしまっているのだから、それを反故にするわけにはいかない。
以前の彼ならばなにも感じず、平気で破っていただろうけれど、今の彼は平気ではなかった。心が痛む、そんな自分がいることに気付くことができていた。
だから彼は――黒時は。
気付くのに数秒を要してしまったが、それを清算するほどの素早さで盾となっていた怜奈を押しのけ、迫り来る怒髪と拳を合わせたのだった。
大気が震えるほどの衝撃によって、ぶつかり合った二人は互いに後方へと吹き飛ばされていく。
怜奈は、黒時の元へと駆け寄って行った。
「く、黒時様、どうして……」
「勝手に死のうとするな。俺は、お前を犯さなくちゃならないんだから」
崩れた態勢を立て直しながら黒時は言った。
「それはもういいです、どうだって。だから、私を死なせて下さい!」
「うるさいな。俺がお前を犯したいんだ。お前の意思なんて知らない。俺が犯す、それだけだ。だからお前は、生きていろ」
「……黒時様」
黒時の言葉は、自殺しようとしている人間を説得している文言とは思えなかったけれど、それでも怜奈の心には響いたようだった。
しかし、響いたのは怜奈だけではなく、最早本気で恋してしまっている彼女の心にも深く響いていた。
「え? あ、あの、ちょっと、黒時先輩? どういうことですか? え? え? 先生を、犯す? なに言ってるんです?」
据わった目をした彩香が、ゆらりゆらりと揺れながら黒時の側へとやって来る。
「なにって、そのままの意味だ」
「いや、そのままって……。彩香的にはそれが困るんですけど……。てか、先生も教師なのにいいんですか!?」
「私にとっては、至福だよ」
「あぁ、はい、そーですか……、禁断の恋ってやつですか。はあ、なんかもう面倒臭い」
嘆息する彩香。
そんな彩香の頭を、黒時はそっと撫でた。
「黒時せんぱーい。そういうことは、簡単にしちゃだめなんですよ」
されるがままに頭を撫でられながら彩香は言った。
「そうか」
黒時はそう呟くと、彩香の頭を撫でていた手を止めた。彼女の言葉を受けたから、ではなく、視界に脅威が映り込んだからである。
屋上の淵まで飛び、上半身を空中に投げ出した状態で倒れていた怒髪天突。彼が再び立ち上がってきたのである。
そして、彼は黒時に視線を向けて口を開いた。
『ホッホッホ。さすがにお強いですね。少々びっくりしてしまいました』
声質や口調が変わったものの、姿形は何も変わってはいない。
けれど、それでもこの存在は紛れもなく悪魔である、と誰もが確信した。
黒時は彩香の頭を軽く掴み、後ろへと放り出した。雑な扱い方ではあったが、その行為は彼なりの【守る】という気持ちの現われであった。
「強大な力を持っている悪魔が人間を乗っ取るなんて、えらく小さな真似をするんだな」
『私はそもそも弱いですからね。仕方ないのです。あ、そうそう、自己紹介がまだでした。私の名はサタン。憤怒の象徴にして、また集合体でもある存在です。どうか、お見知りおきを』
サタンは恭しく一礼をする。
「憤怒、か。まあいい。どうであれ、お前は殺す」
『ホッホッホ。できるのですか? 貴方も既にご存知でしょう? 悪魔を殺すためには、それに適応した器の力が必要であることを。私の器は、この男です。さあ、どうやって私を殺すのです?』
「お前をそいつから追い出して、そいつに殺させる。その身体から噴き出している黒い蒸気、それがお前の本体だろ?」
『おやおや、鋭い洞察力もお持ちで。ええ、そうです、貴方の仰る通り、私の本体はこの蒸気。ですから、私は攻撃的な力を持ってはいないのです。蒸気ですから、姿形を多種多様に変形させることは出来ますし、真似をするのも得意なんですが、所詮は蒸気ですからねえ。まったく面倒な身体ですよ』
「だからお前は、そいつの身体の中に入り込んだのか?」
『ご明察。この方の体内に入り込み、そして操らせてもらってます。悪魔の血が流れているわけですから、相当な強さになっていますよ』』
「そうか、分かった。だったら、やっぱりお前を追い出してしまえばいいんだな」
『追い出して私を殺させる? 無理ですよ』
「どうにかして追い出す」
『だから、無理です』
「やってみなきゃ分からないだろう」
『やってみなくても分かりますよ。それと、勘違いしているようですが、私が言っているのは追い出すことが無理だ、というわけではありません。追い出したところで、私を殺させることは無理だ、と言っているのです』
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『だって。この方はもう――死んでます』
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