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不純な教師との関わり 5 ~避けたい井戸端会議~
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「あら、未来ちゃん。今、学校の帰り?」
集合住宅住まいの私は井戸端会議中の奥様連中と出くわしてしまった。
「はい。こんにちは」
よりにもよって会いたくもない人たちと。
「まあ、さすが特待生として通ってるだけあって手ぶらでいいのねぇ」
うう、よりにもよってこんな最悪な状態の時に。
手ぶらに上履き、まさにあり得ない姿。
「ホント、未来ちゃんはうちの子と違って優秀だから」
何かを探るように痛いほどの視線が突き刺さる。
おかしな様子をどう聞きだそうか考えてるようにも見える。
そうなると早くトンズラするのに限る。
「それじゃあ失礼します」
何事もなかったかのようにいつもの私でご挨拶。
だけど、少し離れたところで奥様方のひそひそ声が響く。
明らかに私の噂してるんだろうな。
もういい加減慣れたけどうっとおしい。
まあここに住んでる限りは噂のネタのひとつなんだろうけどさ。
ため息一つこぼすと上履きを脱ぎ、玄関を上がる。
小さくただいまと声をかけて自分の部屋へと移動。
制服を着替えると椅子に座り、本を広げる。
ダメだ、今日は集中して読めない。
先程の奥様連中の様子が目に浮かぶ。
本を閉じると深いため息をついた。
私の家はごくごく平凡な家庭。
だけど鳶が鷹を生んじゃったらしくその能力を小さい頃から発揮していた。
ハハさんは最初は信じてなかったらしく、まだまともだった。
だんだんと周囲からおだてられ、ちやほやされてからというもの徐々に変わっていった。
私はそういう状況を冷静に眺めつつも期待に応えてしまっていた。
冷静沈着な天才少女。
中学に入ってからはさらに広い地域まで私の噂が広まった。
もちろんそれをやっかむ人たちもいたりした。
頭はいいけど運動ができない。
頭はいいけど美人じゃない。
そして極め付けが徳栄に入ったことで悪評へとすり替わる。
私はどう言われようが大して気に留めない。
称賛された頃も気に留めてなかったからプラスマイナスゼロだってこと。
けど、ハハさんは違った。
専業主婦の彼女は今だって家にいるはず。
なのに帰ってきた私を避けている。
期待が大きかった分、失望も大きいようだ。
もともと自らが原因を作ったのにそれすら直視できない。
一番タチが悪いパターン。
チチさんも誰を責めるということなく味方するでもない。
一緒に住んでるんだけどバラバラな家庭へと変貌していった。
これも仕方のないことだし、どうしようもない。
私はベッドへ移動するとゴロンと寝転び、目をつぶる。
いろいろありすぎて何だか疲れたかも…。
そう思うと次第に意識が遠のいていた。
集合住宅住まいの私は井戸端会議中の奥様連中と出くわしてしまった。
「はい。こんにちは」
よりにもよって会いたくもない人たちと。
「まあ、さすが特待生として通ってるだけあって手ぶらでいいのねぇ」
うう、よりにもよってこんな最悪な状態の時に。
手ぶらに上履き、まさにあり得ない姿。
「ホント、未来ちゃんはうちの子と違って優秀だから」
何かを探るように痛いほどの視線が突き刺さる。
おかしな様子をどう聞きだそうか考えてるようにも見える。
そうなると早くトンズラするのに限る。
「それじゃあ失礼します」
何事もなかったかのようにいつもの私でご挨拶。
だけど、少し離れたところで奥様方のひそひそ声が響く。
明らかに私の噂してるんだろうな。
もういい加減慣れたけどうっとおしい。
まあここに住んでる限りは噂のネタのひとつなんだろうけどさ。
ため息一つこぼすと上履きを脱ぎ、玄関を上がる。
小さくただいまと声をかけて自分の部屋へと移動。
制服を着替えると椅子に座り、本を広げる。
ダメだ、今日は集中して読めない。
先程の奥様連中の様子が目に浮かぶ。
本を閉じると深いため息をついた。
私の家はごくごく平凡な家庭。
だけど鳶が鷹を生んじゃったらしくその能力を小さい頃から発揮していた。
ハハさんは最初は信じてなかったらしく、まだまともだった。
だんだんと周囲からおだてられ、ちやほやされてからというもの徐々に変わっていった。
私はそういう状況を冷静に眺めつつも期待に応えてしまっていた。
冷静沈着な天才少女。
中学に入ってからはさらに広い地域まで私の噂が広まった。
もちろんそれをやっかむ人たちもいたりした。
頭はいいけど運動ができない。
頭はいいけど美人じゃない。
そして極め付けが徳栄に入ったことで悪評へとすり替わる。
私はどう言われようが大して気に留めない。
称賛された頃も気に留めてなかったからプラスマイナスゼロだってこと。
けど、ハハさんは違った。
専業主婦の彼女は今だって家にいるはず。
なのに帰ってきた私を避けている。
期待が大きかった分、失望も大きいようだ。
もともと自らが原因を作ったのにそれすら直視できない。
一番タチが悪いパターン。
チチさんも誰を責めるということなく味方するでもない。
一緒に住んでるんだけどバラバラな家庭へと変貌していった。
これも仕方のないことだし、どうしようもない。
私はベッドへ移動するとゴロンと寝転び、目をつぶる。
いろいろありすぎて何だか疲れたかも…。
そう思うと次第に意識が遠のいていた。
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