のんびり実話怪談

二階堂まりい

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おじいさんの話

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 Aさんは祖父母と両親、お兄さんと暮らしている。

うち霊感があるのは、お母さんとおばあさん。お兄さんは、小さい時は霊感があったらしい。


 ある日、Aさんがリビングを出た時、おじいさんがお兄さんの部屋に入って行くのを見かけた。

 どうしたんだろう、と思いAさんはすぐに追いかけた。
 ドアを開けて部屋に踏み入るが、おじいさんは居ない。

「今さっき、ここにおじいちゃん来たよね?」
 お兄さんに訊くが、何で? 来てないよ? と不思議そうに言われた。

 その話を、霊感のあるお母さんにしてみると、お母さんは平然と言った。
「ああ、おじいちゃんの生霊ね。
 おじいちゃんは孫みんなを可愛がってくれてるけど、特にお兄ちゃんのことは可愛くて、生霊が会いに来たんじゃないかな」

 
 さらに、これはおじいさんが会社へ出勤しているはずの昼間のこと。
 Aさんは、何故かいつもの部屋着を着てリビングでくつろぐおじいちゃんを見かけた。

「おじいちゃんって会社に行ってるはずだよね? 今リビングに居るんだけど」
 お母さんとおばあさんを呼んで訊いてみると、二人は口を揃えて言った。
「居るねえ、おじいちゃんの生霊」
「たまに居るね」
 霊感のある二人は、さも当たり前かのように頷いていた。
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