性格が悪いけど、美人な妹に婚約者を奪われたのですが…。

性格が悪いけど、美人な妹に婚約者を奪われたのですが…。

私は伯爵令嬢のカトカ。
美人でもないごく普通の容姿である。

そんな私には美人な妹がいる。
色白で目は大きくてキラキラしていて、胸が大きいのに細身で、とにかく可愛くて美人なんだ。

私の自慢の妹だ。

だけど、性格は難あり…。

「お姉ちゃんって不細工だよね。そんな顔で外出して恥ずかしくないの？」

などと姉の私に言ってくるんだ。
その時、

「カトカは不細工じゃないわよ」

両親がたしなめた。

「でも、私より不細工でしょ？！」

妹は怒ったように言って、自分の部屋に戻って行った。

私は妹のことが好きで可愛がっているが、妹は私のことを慕ってくれない。
むしろ、私のことをバカにしている。
それでも、私にとっては可愛い妹だから可愛がってたんだ。








私が十八歳になった時、婚約が決まった。
相手は伯爵のヘンドリック。
綺麗な顔立ちをしていて、私より年上の二十二歳だ。

ヘンドリックと一緒に過ごすうちに私は彼のことが好きになっていった。


しかし、婚約した翌月、

「君との婚約は破談だ」

とヘンドリックに言われた。

「な、なぜですか？」

納得できず、私はヘンドリックに聞いた。

「君の妹のことが好きになってしまったんだよ」

両家で食事会をした時、彼は私の妹に一目惚れしたそうだ。
いろいろ葛藤した結果、婚約を破棄しようと考えたという。

ヘンドリックの話を聞いて、私はショックを受けた。
でも、妹の方が可愛いし、好きになるのは分かる。

「分かりました」

私はヘンドリックに返事をした。
彼はホッとしたような顔をした。



その後、ヘンドリックは妹に結婚を申し込んだ。
妹はプロポーズを受け入れた。

「お姉ちゃん！妹に婚約者を略奪されて可哀想ね？どんな気分なの？」

妹がこんなことを言ってきた。
さすがに、腹が立って、

「最悪よ！」

と叫んで自分の部屋に戻った。
妹の顔を見たくなかった。




妹はヘンドリックと結婚した。




しかし、すぐに実家に戻ってきたんだ。

「お前がこんなに性格が悪くてわがままな女だとは思わなかった。姉の方がマシだった」

とヘンドリックに言われて、離婚を言い渡されたそうだ。
それで、家に戻ってきたらしい。

私はそんな妹に対して、心の中でほくそ笑んだ。


数ヶ月経った頃、私にも良い仲の男性ができて、プロポーズされて婚約した。


妹はお見合いをしているが、妹のお眼鏡に叶う人がいないらしい。
彼女は結婚したがっているが、結婚相手の理想が高すぎるので結婚はまだまだ先になりそうだ。